怖い絵(3) の商品レビュー
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怖い絵3 中野京子 ∞----------------------∞ 表紙はフュースリ『夢魔』 有名な「ヴィーナスの誕生」から始まる。美しいものだと思っていたけど、説明にしたがって見ていると、ヴィーナスの表情に翳りが見えてくる。 「豆の王様」の楽しい宴会の様子は、逆に当時は貧しく、こう思って世の中を見たかった気持ちの表れ。 「メドゥーサの首」はそのままの怖い絵だった。蛇が髪であることから逃れようとするくらいに怖い。白目が多く見えると恐怖を感じるらしい。 「かわいそうな先生」ではガヴァネス(住み込み家庭教師)について知れた。女性が働くことをはしたないとする時代において、彼女らは「零落したお嬢様」だった。 ガヴァネスが出ている小説 ・ヘンリー・ジェイムズ「ねじの回転」 ・ジェイン・オースティン「エマ」 ・シャーロック・ホームズ「四つのサイン」 ・ウィリアム・サッカレー「虚栄の市」 ・シャーロット・ブロンテ「ジェイン・エア」 「アンドリューズ夫妻」の静かな田園風景の裏で、「ジン横丁」のように何としてでもジンを手に入れようとする貧しい人達がいる。これらは密かに繋がっていた。 「ファリネッリと友人たち」で知ったことは、カストラートという男性オペラ歌手は少年の頃に(変声前に自分の意思ではなく)去勢させられていて、そのためにずっと高音の声が保てるということ。中国の宦官制度とは違い、耳の快楽のためのもの。 ボッティチェリ 『ヴィーナスの誕生』 レーピン『皇女ソフィア』 伝レーニ『ベアトリーチェ・チェンチ』 ヨルダーンス『豆の王様』 ルーベンス『メドゥーサの首』 シーレ『死と乙女』 伝ブリューゲル『イカロスの墜落』 ベラスケス 『フェリペ・プロスペロ王子』 ミケランジェロ 『聖家族』 ドラクロワ 『怒れるメディア』 ゴヤ 『マドリッド、一八〇八年五月三日』 レッドグレイヴ『かわいそうな先生』 レオナルド・ダ・ヴィンチ『聖アンナと聖母子』 フーケ『ムーランの聖母子』 ベックリン 『ケンタウロスの闘い』 ホガース 『ジン横丁』 ゲインズバラ『アンドリューズ夫妻』 アミゴーニ『ファリネッリと友人たち』 アンソール 『仮面にかこまれた自画像』 フュースリ『夢魔』 2025/03/03 読了(図書館)
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ピア・サポーターズIさんのおすすめ本です。 「題名に「怖い」とありますが、お化けや怪物などはあまり出てきません。西洋名画を一つ一つじっくり解説する本です。ある少女の絵や穏やかな食事の絵など一見怖くない絵が、著者の解説により身の毛もよだつ怖い絵に変身します。シリーズものですので、...
ピア・サポーターズIさんのおすすめ本です。 「題名に「怖い」とありますが、お化けや怪物などはあまり出てきません。西洋名画を一つ一つじっくり解説する本です。ある少女の絵や穏やかな食事の絵など一見怖くない絵が、著者の解説により身の毛もよだつ怖い絵に変身します。シリーズものですので、興味のある方は1と2も是非お読みください。」 最新の所在はOPACを確認してください。 TEA-OPACへのリンクはこちら↓ https://opac.tenri-u.ac.jp/opac/opac_details/?bibid=BB00239343
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中野京子さんのこのシリーズが好きで読みました。絵画に隠されたストーリーや描かれた当時の時代背景が分かりやすく解説されていてとても面白い!美術の入り口に最適な本の予感。
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こから美術に興味を持ち始める人や「怖い絵」展を見て読んでみた人など 美術初心者に対しても美術書はかくあるべきと 絵ごとに原語、寸法や画材、所有先などのデータはしっかりと付記しておいていただきたい。 1 レーピン/皇女ソフィア 2 ボッティチェリ/ヴィーナスの誕生 3 カバネル/...
こから美術に興味を持ち始める人や「怖い絵」展を見て読んでみた人など 美術初心者に対しても美術書はかくあるべきと 絵ごとに原語、寸法や画材、所有先などのデータはしっかりと付記しておいていただきたい。 1 レーピン/皇女ソフィア 2 ボッティチェリ/ヴィーナスの誕生 3 カバネル/ヴィーナスの誕生 4 ベラスケス/フェリペ・プロスペロ王子 5 ヨルダーンス/豆の王様 6 レオナルド・ダ・ヴィンチ/聖アンナと聖母子 7ミケランジェロ/聖家族 8 セガンティーニ/悪しき母たち 9 伝レーニ/ベアトリーチェ・チェンチ 10 ルーベンス/メドゥーサの首 11 アンソール/仮面にかこまれた自画像 12 フュースリ/夢魔 13 ドラクロワ/怒れるメディア 14 伝ブリューゲル/イカロスの墜落 15 レッドグレイヴ/かわいそうな先生 16 フーケ/ムーランの聖母子 17 ベックリン/ケンタウロスの闘い 18 アミゴーニ/ファリネッリと友人たち 19 ホガース/ジン横丁 20 ゲインズバラ/アンドリューズ夫妻 21 ゴヤ/マドリッド、一八〇八年五月三日 22 シーレ/死と乙女
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なんか、エロくて怖いのがあってどういう感情を持って読めばいいか混乱した。 でも、書いてること自体はすごく面白かった!
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一見怖いものは何一つ 描かれてないのに、 居心地の悪さというか 薄ら寒いものを感じる のは、 後世に生きる私たちが そこに描かれたものの 異常性を知ってるから。 例えば、陶器のような 白い肌で微笑む中世の 女性たち。 彼女たちが美白のため 全身の肌に水銀入りの 化粧品を塗...
一見怖いものは何一つ 描かれてないのに、 居心地の悪さというか 薄ら寒いものを感じる のは、 後世に生きる私たちが そこに描かれたものの 異常性を知ってるから。 例えば、陶器のような 白い肌で微笑む中世の 女性たち。 彼女たちが美白のため 全身の肌に水銀入りの 化粧品を塗りたくって、 水銀中毒で亡くなって いたことを知れば、 もうその美しさに目を 細めることはできない ように。 思うに数百年後の人々 が現代の私たちの生活 を知ったとき、 同じように感じるもの がそこかしこにあるん でしょうね。 使い捨てプラスチック 容器を多用して環境を 破壊してる様子や、 一日中スマホに、その 掌に握った小さな画面 に没入して、 挙げ句、車の運転中に 気を取られ深刻な事故 を起こしてる様子とか。
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絵画に込められた意味や、制作された背景について書かれている。 見るからに怖そうな絵、見た目からは怖さが分からないが理解することで恐怖を感じる絵など様々あった。 ただ単に絵を見るだけではなく、知識を持って見ることで、理解が深まる上に、鑑賞するのが楽しくなるのではないかと思う。 ...
絵画に込められた意味や、制作された背景について書かれている。 見るからに怖そうな絵、見た目からは怖さが分からないが理解することで恐怖を感じる絵など様々あった。 ただ単に絵を見るだけではなく、知識を持って見ることで、理解が深まる上に、鑑賞するのが楽しくなるのではないかと思う。 この本では、絵画作品の内容だけでなく、当時の社会背景なども学べた。
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シリーズ完結編 中野京子さんの語る魅力的なエピソードは言わずもがな、 今回は「怖い」というよりも後味が悪いような、どこか悲し結末のストーリーが印象に残っている。 ベアトリーチェ・チェンチ、死と乙女、かわいそうな先生など、時に、女性が抗えない何かに打ちひしがれ、悲壮感や虚無感を持...
シリーズ完結編 中野京子さんの語る魅力的なエピソードは言わずもがな、 今回は「怖い」というよりも後味が悪いような、どこか悲し結末のストーリーが印象に残っている。 ベアトリーチェ・チェンチ、死と乙女、かわいそうな先生など、時に、女性が抗えない何かに打ちひしがれ、悲壮感や虚無感を持った題材は、辛く悲しい物語だけども、人々を魅了する艶美な部分と怖さを掛け合わせた唯一無二の存在として語り継がれている。 私もその魅力に憑りつかれた1人であり、さらなる「恐怖」を感じたくなる。 中野京子さんの他の作品も気になる今日この頃です。
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作品を怖いと思うかどうかよりも、 時代背景や文化、逸話、作者の一生などを知れることに 読み応えを感じた。 たまに小説を読んでいるかのような錯覚が。 個人的には「皇女ソフィア」の時代背景が興味深い。
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このシリーズ、時代背景を知れば知るほど現代の日本に生まれて良かったと思う。 かなり悲惨。 印象に残ったのはレッドグレイヴの「可哀そうな先生」。絵はさほどの名画ではないが、背景の事情が中々興味深い。 当時、上流階級の家庭教師(ガヴァネス)をしていたのは、本来良家の子女でありながら働...
このシリーズ、時代背景を知れば知るほど現代の日本に生まれて良かったと思う。 かなり悲惨。 印象に残ったのはレッドグレイヴの「可哀そうな先生」。絵はさほどの名画ではないが、背景の事情が中々興味深い。 当時、上流階級の家庭教師(ガヴァネス)をしていたのは、本来良家の子女でありながら働かざるを得なくなった女性達だった。 ということは、メアリ・ポピンズもそうだったのだろうか? 良く知らない絵もあって新鮮だった。
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