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怖い絵(3) の商品レビュー

3.9

91件のお客様レビュー

  1. 5つ

    18

  2. 4つ

    39

  3. 3つ

    16

  4. 2つ

    3

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2017/12/19
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

シリーズ3作目ですが、相変わらず面白いです。「ヴィーナスの誕生」なんて怖い要素など無いと思っていたのに、見方を変えると絵自体も怖く見えるので不思議。知らない作品も多くて勉強になりました。

Posted byブクログ

2017/09/01

怖い絵展がとても楽しみ。 近代以前の絵画鑑賞において「感性」以上に「知識」が必要だというのは確かにその通りだなぁと感じる。 その歴史、時代、文化、様々な社会的背景、画家の社会的立場やどのような状況の中で描かれたのか、一枚の絵は実に多弁に語るものだと実感しました。 芸術的には美しく...

怖い絵展がとても楽しみ。 近代以前の絵画鑑賞において「感性」以上に「知識」が必要だというのは確かにその通りだなぁと感じる。 その歴史、時代、文化、様々な社会的背景、画家の社会的立場やどのような状況の中で描かれたのか、一枚の絵は実に多弁に語るものだと実感しました。 芸術的には美しく捉えられる絵も、実に血生臭く残酷な背景があるもので、なかなかに怖いものです。

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2016/06/16

シリーズ1.2に比べて失速感があるような。 怖さという意味ではインパクトにかける絵が多かった。ボッティチェリはすごく楽しみにしてたのに、人間の真に迫るようなエピソードもなく、なんだったかな?みたいな印象。 シーレの「死と乙女」、ホガースの「ジン横丁」、ドラクロワの「怒れるメディア...

シリーズ1.2に比べて失速感があるような。 怖さという意味ではインパクトにかける絵が多かった。ボッティチェリはすごく楽しみにしてたのに、人間の真に迫るようなエピソードもなく、なんだったかな?みたいな印象。 シーレの「死と乙女」、ホガースの「ジン横丁」、ドラクロワの「怒れるメディア」が印象的。とくにメディアの乳首が(笑)

Posted byブクログ

2014/10/19

時代や作者の背景を知ることで絵への理解を深めるという意図がはっきりしており、簡潔且つ入れ込み過ぎない程度に感情を含めた解説で記憶に残りやすく、とても面白い。

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2014/10/08

怖い絵・第3巻完結。 シリーズを通して、絵の解説書としては手に取りやすく分かり易く面白い。最近西洋画離れをしていたけど、視野を広げる良いきっかけになった。 「皇女ソフィア」はその姿にインパクトがあり過ぎて周囲の様子をよく見ていなかったけれど、改めて目を向けるとこんなにぞっとする要...

怖い絵・第3巻完結。 シリーズを通して、絵の解説書としては手に取りやすく分かり易く面白い。最近西洋画離れをしていたけど、視野を広げる良いきっかけになった。 「皇女ソフィア」はその姿にインパクトがあり過ぎて周囲の様子をよく見ていなかったけれど、改めて目を向けるとこんなにぞっとする要素が…勉強になりました。

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2013/10/08

読書録「怖い絵3」4 著者 中野京子 出版 朝日出版社 P208より引用 “こうして農業にも資本主義を持ち込むことを覚えた大地主階級 は、徹底して領地を自分たちだけのために利用し尽くすことにし た。それが「囲い込み(エンクロージャー)」だ。”  ドイツ文学、西洋文化史が専門...

読書録「怖い絵3」4 著者 中野京子 出版 朝日出版社 P208より引用 “こうして農業にも資本主義を持ち込むことを覚えた大地主階級 は、徹底して領地を自分たちだけのために利用し尽くすことにし た。それが「囲い込み(エンクロージャー)」だ。”  ドイツ文学、西洋文化史が専門である著者による、絵画にまつ わる物語と隠された意味を解説した一冊。  ヴィーナスの誕生から夢魔まで、パッと見ただけではわかりに くい絵画の深い部分が記されています。  上記の引用は、地主夫妻の肖像画の解説での一文。 こうして土地を買い集め生産性だけを向上させた結果、土地や教 養の放牧地を失った人達は、都市へ仕事を求めてあつまり、低賃 金の労働に就くしか無く、貧困に苦しんだそうです。 一部の人達の強欲のためにその他の人が苦しむと、結局回り回っ て全体的な不況となってしまい、強欲な人達も欲を満たせなくな る時がいずれやってくるのではないでしょうか。  この様な苦しく悲しい歴史を繰り返さないためにも、一時の効 率だけを優先させるために、あらゆるものを一部に集めすぎるの は避けたほうがいいような気がします。 本当に大切なことは、非効率的に時間をかけることでしか進める ことが出来ないのかもしれません。 ーーーーー

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2013/05/19

相変わらずこのシリーズは面白い。 絵の背景の歴史を丁寧に説明してくれる。絵の真の楽しみ方ですね。 怖い怖い!

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2013/03/21

来ると思ったベアトリーチェさん。 それは良かったのですが、1、2からすると段々つまらなくなってきたような……。 続々と読んで、絵の恐怖に慣れてしまったせいかもしれません。

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2013/03/08

このシリーズは描かれた背景などを知る事で作品への興味を湧かせてくれる。美術史だけみてても頭に入らない人にオススメ。

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2013/01/07

西洋名画に秘められた恐るべき怨念・冷酷・非情をこれでもかといわんばかりに白日の下に曝し出す美術エッセイの第3弾です。「きれいは汚い、汚いはきれい」というシェイクスピアの台詞を連想してしまいました。 『怖い絵』3部作の最終巻です。これはNHKの番組で偶然見たような気がするシーレ...

西洋名画に秘められた恐るべき怨念・冷酷・非情をこれでもかといわんばかりに白日の下に曝し出す美術エッセイの第3弾です。「きれいは汚い、汚いはきれい」というシェイクスピアの台詞を連想してしまいました。 『怖い絵』3部作の最終巻です。これはNHKの番組で偶然見たような気がするシーレの『死と乙女』や、ボッティチェリの『ヴィーナスの誕生』その生誕の裏に隠されている『出生の秘密』や本書ではじめて知った薄幸の美少女を描いた「ベアトリーチェ・チェンチ」彼女がなぜあのような悲しい顔をしてこちらを見つめているのか。読み進めていくうちにウーンと思わずうなってしまいました。 さらに自分の目下イチ押しのゴヤの『マドリッド、1808年5月3日 プリンシペ・ピオの丘での銃殺』静寂な闇の中で銃を人々に向ける『殺人マシン』と化したナポレオン軍の顔の見えない兵士たちと自分たちがこれから迎える『運命』に対し、おびえ、怒り、悲しみと多種多様な表情を浮かべる対比が理屈ぬきに心に迫ってくる名画でありました。これは個人的な憶測に過ぎませんが、映画『戦艦ポチョムキン』の『オデッサの階段』で行われる虐殺の場面。あそこにこの絵が影響を与えているのではないかと思っております。 そして、この本の中でもっともショッキングな絵はホガースの『ジン横丁』イギリスの貧民街を描いたものですが、貧困から来る生活苦のために安くて強い酒であるジンに相談、または依存せざるをえない住民たちの地獄絵図が描かれていて、酒のために工具を売る大工。子供や赤ちゃんにまでジンを飲ませたり、また飲んでいる様子。さらには自分の子供がまっさかさまに落ちようとしているのに嗅ぎタバコに夢中で気づかない母親…。本当に恐ろしい光景です。しかし、この光景は旧ソ連崩壊後のロシアでも同じような地獄が再現されて、いまだにロシアの男性の寿命がウオトカのせいで女性より20年も短いということを連想してしまいました。 最後に、アンソールの『仮面に囲まれた自画像』これは前にどこかで見たような気がするのですが、ここで彼の人生と絵に込められた「思い」を知ることができました。ここに収録されている20点の絵画はどれもが一筋縄ではいきませんが、「きれいは汚い。汚いはきれい」というシェイクスピアの台詞をかみしめつつ、味わっていただければ幸いに思います。

Posted byブクログ