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八朔の雪 の商品レビュー

4.4

739件のお客様レビュー

  1. 5つ

    328

  2. 4つ

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  3. 3つ

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2010/02/08

宮部みゆきの影響か、食べ物がでてくる時代小説に滅法目が無い。もっとも、池波正太郎や宮部みゆきの場合は、絶妙な料理を出す名脇役が物語を引き立てているのに対し、八朔の雪は料理人本人が主人公。 行きつ戻りつする話の展開には、必ずしも読み易いものではないが、幼い頃に生き別れた親友の消息...

宮部みゆきの影響か、食べ物がでてくる時代小説に滅法目が無い。もっとも、池波正太郎や宮部みゆきの場合は、絶妙な料理を出す名脇役が物語を引き立てているのに対し、八朔の雪は料理人本人が主人公。 行きつ戻りつする話の展開には、必ずしも読み易いものではないが、幼い頃に生き別れた親友の消息が知れるシーンは綺麗な伏線回収だった。 すでに続編も出ているので、読む。

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2010/02/05

連載中の時代小説 つい続きが気になっちゃう 設定もまたいいんだよー!漫画になるらしいし! すごく丁寧に食に向き合っている姿勢に心惹かれます

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2010/02/05

幾多の苦難を乗り越え、女ながらに料理の道を進んでいく。 下がり眉の、決して美人とはいえないけれど、何とも愛嬌のある主人公の澪。

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2010/02/03

しみじみと読める一冊。 江戸の街の人情は、じめじめしていないのに気持ちいい。 そして出てくる料理が本当においしそう。 高級料理より、心と知恵を働かせた料理っていいなと思う一冊。 疲れた時に読むと、まさに滋味だねぇ。

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2010/08/03

ひとは不運に見舞われたとき、「どうして私だけ?」と自分の不幸ばかりを見てしまう。 自分は日ごろ相手のことを考えて行動できてるのかな。自分のことだけでいっぱいいっぱいになってないかな。 料理も食べる人を想いやるということでは人と接するのといっしょ。温かい人情話にほっこりしながらも、...

ひとは不運に見舞われたとき、「どうして私だけ?」と自分の不幸ばかりを見てしまう。 自分は日ごろ相手のことを考えて行動できてるのかな。自分のことだけでいっぱいいっぱいになってないかな。 料理も食べる人を想いやるということでは人と接するのといっしょ。温かい人情話にほっこりしながらも、日ごろの自分を振り返り反省しつつ、もっと思いやりを持てる人間になろうと思うのでした。

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2010/01/30

 ところは神田御台所町、女ながらも蕎麦屋「つる家」で包丁を握る澪は、もとは上方の生まれだが、幼いころに水害で両親を失い、運よく引き取られていった先の料理屋をまた火事で失いして、繰り返し辛い思いをしながら生きてきた。そして今、上方の人々と江戸の職人たちの味覚の違いに苦労しながら、料...

 ところは神田御台所町、女ながらも蕎麦屋「つる家」で包丁を握る澪は、もとは上方の生まれだが、幼いころに水害で両親を失い、運よく引き取られていった先の料理屋をまた火事で失いして、繰り返し辛い思いをしながら生きてきた。そして今、上方の人々と江戸の職人たちの味覚の違いに苦労しながら、料理人としての道を歩もうと、日々努力を重ねている。  そんな澪のもとに、彼女の料理の才を妬んだ有名料理屋から、悪質な妨害が入りだして……。  友達に薦められて読んだのですが、いやあ、よかった!  何度も重ねて辛い目にあい、ときには心折れそうになりながらも、また頑張ろうと立ち上がる主人公の姿に、勇気付けられます。繰り返しやってくる苦難を乗り越え、美味しい料理とお客さんの笑顔を求めて試行錯誤しながら、ときに周りの人々に支えられ、ときに周りの人々のために心を砕いて、成長していく主人公。王道なんだろうけど、そこがいいです。  主人公や周りの人々の心根の優しさ、あたたかさが胸に沁みる人情もの。泣かせます。  あと料理が美味しそうな小説はいいですね! 読んでてお腹がすいてきました。グルメじゃないんですけど食い意地が張っているので、こういうの読むともう駄目です。欲望が……とろとろの茶碗蒸し、いいなあ! 食べたいなあ!

Posted byブクログ

2010/01/28

人の優しさや思いやりを最近感じていますか? 自分以外のだれかに、優しさや思いやりを持って接していますか? 高田郁の『八朔の雪 みおつくし料理帳』は心までほんわかさせてくれる、やさしい時代小説だ。 洪水で親や幼馴染を失った澪は、縁あって大阪の料理屋の使用人となる。その才能か...

人の優しさや思いやりを最近感じていますか? 自分以外のだれかに、優しさや思いやりを持って接していますか? 高田郁の『八朔の雪 みおつくし料理帳』は心までほんわかさせてくれる、やさしい時代小説だ。 洪水で親や幼馴染を失った澪は、縁あって大阪の料理屋の使用人となる。その才能から女でありながら板場にも入るが、店は火事でなくなり、母とも慕う女将さんと江戸の長屋で暮らしている。澪は蕎麦屋で働いていたものの、主人から店をまかされ料理屋を始める。やがて店は評判になっていくが、有名な料理屋に料理を真似されたり妨害を受けていき・・、という連作時代小説。 この作品、主人公は澪だが、もう1人の主人公とも言えるのが料理だ。澪は上方と江戸の味付け、素材の使い方や好みの違いに苦労するが、その上方と江戸の両方を上手く使うことで、新しい料理を生み出していく。その料理を考えていく過程もさることながら、何より料理そのものがとてもおいしそうで、読んでいて思わず生唾がわいてくる。巻末にはレシピも載せられているが、この目にも浮かぶ魅力的な料理が、この作品の第1の魅力といえるだろう。 さらに澪をはじめ登場人物も魅力的だ。易者に苦労が尽きないといわれた澪は、次から次に試練に見舞われながらも健気に頑張る、まさにNHKの朝ドラ的とも言うべき、日本人が愛してきた典型的なヒロインだ。このキャラクターに「下がり眉」が加わることで、愛嬌もある愛すべき主人公となっている。 さらにご寮さん、蕎麦屋の主の種市、近所のおりょうさん、源斉先生などの、そして彼らに対しての澪の、優しさや思いやりが、このせちがないご時勢にあって身にしみる。また澪と丁々発止のやり取りを見せるなぞの武士小松原や、澪の幼馴染の野江といった登場人物や敵役の登龍楼が作品に良いアクセントを加えている。 読んでいて、『八朔の雪』にはこれまでのいくつかの人気作品を連想させるところがあるように感じた。上方と江戸の味の違いというのは、山本一力の『あかね空』を思い起こさせたし、料理屋の話というのは同じく『梅咲きぬ』に通じる。また吉原の花魁の登場は『坂崎磐音シリーズ』を髣髴とさせ、何より絶え間ない試練に立ち向かう料理人と魅力的な料理といえば、韓国ドラマ『宮廷女官 チャングムの誓い』を連想させた。 このような人気作に見られる、いわば黄金のエッセンスが混ざり合った作品ということもできるかもしれない。しかし『八朔の雪』は、単にこうしたもののつぎはぎというのではなく、これらを澪の料理のごとく上手く混ぜ合わせて、今までの時代小説にない、独自の味を出す作品に仕上がっている。それはまさに澪の人柄とその料理のようにほんわかしている。 澪の物語はすでに次巻『花散らしの雨』が発売されており、こちらも読み終えたが、今後『みおつくし料理帳シリーズ』となっていくことは疑いようもない。魅力的な登場人物と設定であり、時系列に沿ってストーリーを続けていくことができる。さらに『花散らしの雨』では、小松原や野江、登龍楼との関係だけでなく、新たな登場人物もあらわれ、さらにいまだ触れられていない江戸で行方不明となった大阪の店の跡継ぎのこともあり、シリーズ化していくには万全といえるだろう。 今後さらに、心洗われるような、ほんわかとした『みおつくし料理帳シリーズ』が続いていくことを楽しみにしたい。

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2010/01/25

すごくいい本でした。 調理場で腕をふるい澪の奮闘と その周りの人たちのあたたかさ。 よかったです。 最後に澪の料理帳に4品の料理の作り方があります。 おすすめ。

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2011/07/15

江戸と上方の生活習慣や食の違いに奮闘する姿も興味深く読みました。茶碗蒸しおいしそう。味にうるさい謎の侍も気になる。それにしても、ストレートにわかりやすい。わかりやす過ぎる分ちょっと物足りなさが・・・漫画の原作か昼メロのドラマのような感じか。

Posted byブクログ

2010/01/22

訳あって上方から江戸に出てきた料理人の澪。 さまざまな困難にあいながらも、まわりの人々に助けられ、 美味しい料理を作り続ける。 上方と江戸の食文化の違いが実に興味深く、また勉強になりました。 そして周りを突き動かす澪の誠実さと勤労ぶり、また信心深く心優しく、 叩かれても叩かれても...

訳あって上方から江戸に出てきた料理人の澪。 さまざまな困難にあいながらも、まわりの人々に助けられ、 美味しい料理を作り続ける。 上方と江戸の食文化の違いが実に興味深く、また勉強になりました。 そして周りを突き動かす澪の誠実さと勤労ぶり、また信心深く心優しく、 叩かれても叩かれても起き上がる静かなファイトに胸を打たれます。 鰹田麩に心太。とろとろ茶碗蒸しに粕汁。 どれも食べたい!と思うと最後にレシピが付いている。これで☆5です(笑)。

Posted byブクログ