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八朔の雪 の商品レビュー

4.4

739件のお客様レビュー

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  2. 4つ

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  3. 3つ

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2011/07/16

心あたたまる良作品。主人公の前向きさや周りの人たちの優しさに元気を分けてもらえた気がします。 上方から来た料理人の澪が江戸の料理店「つる屋」で奮闘する物語。 まず主人公である澪がとても愛らしい!丸顔に下がり眉という愛嬌のある顔立ちにおっとりとした性格。しかし料理に対する熱い情熱...

心あたたまる良作品。主人公の前向きさや周りの人たちの優しさに元気を分けてもらえた気がします。 上方から来た料理人の澪が江戸の料理店「つる屋」で奮闘する物語。 まず主人公である澪がとても愛らしい!丸顔に下がり眉という愛嬌のある顔立ちにおっとりとした性格。しかし料理に対する熱い情熱を持ち、負けん気が強く、そして前向きに努力する澪の姿には好感が持てます。 いかにも主人公!って感じの明るい雰囲気の澪ですが、過去に深い悲しみを背負っており、また作中でも「これでもか!」ってほどに困難や災難に襲われます。 何度もくじけそうになり、それでも周りの人々に支えられて立ち上がる澪はとても健気。思わず応援したくなっちゃう、そんな愛すべきキャラクターです。 澪の周りの人たちも魅力的です。澪とともに暮らす芳、「つる屋」店主の種市、町医者の源斉、謎の浪人の小松原・・・皆、個性的でいい人たち! 人情ってええなぁ、とほろりと思ってしまいます。 そして忘れちゃいけないのが、美味しそうな料理の数々。特にとろとろ茶碗蒸しが美味しそうで美味しそうで、思わずつばを飲み込んでしまうほど(笑) 鰹田麩や酒粕汁など馴染みのない食べ物も登場しますが、澪の料理シーンとか客の食べた時の反応を読んでると、見たことないのに「美味しそう!!」と思ってしまうから不思議です。 地味だけど、ほっこり体があたたまりそうな料理が絶妙に物語に絡んでおり、物語に花を添える・・・というより物語にあたたかなにおいを加えている感じがします。 私は今まで時代物、特に江戸を舞台にした小説をなんとなく避けてきた気がします。 この作品に関しても「いいらしい」と噂は前々から聞いていたのですが、江戸の人情物という設定から読むのを後回しにしてきました。 きっといかにものんびりしたのどかな話だろう(私はそういうのよりも刺激的な話の方が好きなのです。)と予想して読み始めたのですが、意外にもこの物語はストーリー的にも波乱万丈かつ深みがありまったく飽きることがなかったです。 澪は店を建て直すことが出来るのか?行方不明の佐兵衛の行方は?小松原の正体は?・・・などまだまだ気になる要素がいっぱいあります。そして何より澪には幸せを掴んでほしいです。 なので早く続きを読みたいです!

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2010/03/27

あまり期待しないで読んだらとても良かった。ほのぼのとした文章がいい。澪のひたむきさや周りの人の温かさにほっとさせられる。なにより料理がおいしそう。料理のおいしそうな時代小説には弱いんだよなあ

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2010/03/25

お料理したくなります!! お客様へのおもてなし、お料理への情熱、過去、周りの人々の愛、幼なじみの行方、謎の人物。 全てが関わって、全てが澪の人生を作っていく。 今後も彼女の根性と下がり眉に期待!

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2010/03/21

八月に降る雪のことを「八朔の雪」というらしいです。 読みながらおなかが減る本。 関西出身で上京してきている身なので、出てくる料理の味付けとかにいちいち反応してしまいます! そうだよね、昆布だしって最高だよね~! 料理べたな私に何か作ってみようと思わせた一冊でした。

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2010/03/18

あまり読まない時代小説です。 時は徳川、ところは江戸。 女の料理人が蔑まれるご時勢です。 そんな中、料理店を営む女性が主人公の物語でした。 彼女は幼い頃、苦労の末に道が拓けると予言されています。 その言葉を時折思い出しながら、 数々の難儀を逞しく乗り越えてゆきます。...

あまり読まない時代小説です。 時は徳川、ところは江戸。 女の料理人が蔑まれるご時勢です。 そんな中、料理店を営む女性が主人公の物語でした。 彼女は幼い頃、苦労の末に道が拓けると予言されています。 その言葉を時折思い出しながら、 数々の難儀を逞しく乗り越えてゆきます。 不幸が彼女に訪れる毎に世の中にはどうにもならないことがあると痛感しました。 しかし、屈しない主人公の健気な在り方に励まされます。 叩かれても叩かれても立ち上がる主人公に感銘を受けました。 彼女は一見して強いと断じられるキャラクターではありません。 しかし、しなやかな芯を持っています。 加えて料理の描写が秀逸でした。 彼女が作る料理には口にすれば心が温かくなるような優しさがあると思います。 巻末には料理のレシピもあり、その気になれば挑戦できるのも粋。

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2024/07/15

240706 再読 ーーーーー 大阪(当時は大坂か)にちなんで「澪」と名づけられた主人公が、江戸で料理人として成長していく話。「澪」の幼なじみの名は「野江」、谷町線にある知らないとちょっと読めない駅名(野江内代)にちなむという。 冒頭から、「せっかくの深川牡蠣を…こんな酷いこと...

240706 再読 ーーーーー 大阪(当時は大坂か)にちなんで「澪」と名づけられた主人公が、江戸で料理人として成長していく話。「澪」の幼なじみの名は「野江」、谷町線にある知らないとちょっと読めない駅名(野江内代)にちなむという。 冒頭から、「せっかくの深川牡蠣を…こんな酷いことしやがって」とぶるぶると怒りにふるえる江戸の客が登場。上方と江戸の、味のちがい、暮らしのちがい、そして澪がなぜ江戸で料理人として働いているのか、「ごりょんさん」と慕う人と同じ夜着をかぶって寝ているのはなぜか…といったことが、少しずつ明らかになってくる。 4つの章は、それぞれ「ぴりから鰹田麩」「ひんやり心太」「とろとろ茶碗蒸し」「ほっこり酒粕汁」を軸に、澪とその料理、そして周りの人びとの姿を描く。 これがまたウマそうで…。 巻末にレシピが載っていて、先日のトークによれば、これは全て作者が「ちゃんとつくってみた」料理であり、母の味でもあるらしい。

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2011/07/19

面白かったです。(#^.^#)大阪から出てきて、大きな料理屋の元「ご寮さん」と江戸で長屋住まいをする澪。彼女もご寮さんも訳ありの悲しい身の上なのだが、持ち前の前向きの姿勢のおかげで、次々に澪を助けてくれる人たちが。澪が働く蕎麦屋の種市、一見浪人に見えるが正体不明の小松原様、医師の...

面白かったです。(#^.^#)大阪から出てきて、大きな料理屋の元「ご寮さん」と江戸で長屋住まいをする澪。彼女もご寮さんも訳ありの悲しい身の上なのだが、持ち前の前向きの姿勢のおかげで、次々に澪を助けてくれる人たちが。澪が働く蕎麦屋の種市、一見浪人に見えるが正体不明の小松原様、医師の源斉、長屋の住人たちから、ちょっとだけ出てくる吉原の使い走りの又次にいたるまでと登場人物たちが皆、奥行きのある描かれ方で、高田さん、上手い!!と。澪が大阪の味の江戸の味のギャップに苦しみながら、新しい料理を開発していく様もとても面白く読めた。「ぴりから鰹田麩」「ひんやり心太」「とろとろ茶碗蒸し」「ほっこり酒粕汁」のタイトルは少々現代的過ぎる気もしたけど、美味しそうな匂いまでを運んでくれたから、ま、いっか。(#^.^#)それに、大阪で易者に偶然みてもらった「旭日昇天」「雲外蒼天」の相が、あんな風に後ほど関わってくるとはね。すっかりやられましたよ。行方不明の若旦那、小松原様の正体、長屋の太一ちゃんのその後は? そして何より、澪のこれからは?と続編を読むのが凄く楽しみ。澪ちゃんには幸せになってもらいたい。苦労されたご寮さんにも。

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2010/03/03

これまで時代小説に興味がなかったのだけれど、本作をきっかけにして時代小説を読みたい!と思うようになった。そんなきっかけを与えてくれた一冊。もちろん続編も読みました。

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2010/02/16

2巻を先に読んでいたから、澪や登場人物の過去が書かれていて自分の中ですっきりした。 鰹ご飯とか真似してみたい料理が今回もたっぷり!

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2010/02/14

大阪で料理の腕を磨いた澪は、訳あって江戸にある蕎麦屋「つる家」の厨房で料理の手伝いをしています。澪に一人前になって欲しいという願いを込めて、つる家の店主種市に料理の課題を出されて、戸惑いながらも美味しい料理を作ろうと努力を重ねます。「雲外蒼天」という苦労の絶えない人生ながらも、そ...

大阪で料理の腕を磨いた澪は、訳あって江戸にある蕎麦屋「つる家」の厨房で料理の手伝いをしています。澪に一人前になって欲しいという願いを込めて、つる家の店主種市に料理の課題を出されて、戸惑いながらも美味しい料理を作ろうと努力を重ねます。「雲外蒼天」という苦労の絶えない人生ながらも、その苦労に耐え精進を重ねたら、かならず真っ青な青空を望むことが出来るという相を持つ、澪の生い立ちや次々に起こる出来事に驚かされますが、料理の腕を磨こうという真摯な姿勢と澪を支える周りの人々の優しさに癒されます。澪が作る料理はどれも美味しそうです。巻末に料理のレシピが載っています。(2010.2.7)

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