ぼくのメジャースプーン の商品レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
幼い2人に起こった事があまりにも辛く、その事件を元に2人の人生が変わってしまう事がとても辛く読み進めようか迷いながら最後まで読んだ感じでした。 反省なんて言葉ではいくらでもできるもので、何が犯人にとって1番重い事なのか考えることはとても難しい事だと思った。 秋山先生がふみちゃんに伝えた言葉に、この物語の全てが詰まっている気がしました。 「あなたのための非力なナイトは、一生懸命でしたよ。必死にあなたを守ろうとしていた。 自分を傷つけ、ぼろぼろになりながら、それでもあなたのことだけを考えていた。 そこで出した答えは決して正しいものではありませんでしたが、僕は彼のことが好きです。自慢に思っていいですよ。 あなたには、とても素晴らしい友達がいます」
Posted by
たったひとつの言葉に宿る力が、人を変えてしまう。たったひとつなのに、それはあらゆる可能性を持っていて、制約と自由のバランスの中に考えさせるものがある。 主人公の悩みと結論は、正直、小学生に出せるようなものではないと思う。そのへんがちょっと非現実感が否めないので星は4つにしている...
たったひとつの言葉に宿る力が、人を変えてしまう。たったひとつなのに、それはあらゆる可能性を持っていて、制約と自由のバランスの中に考えさせるものがある。 主人公の悩みと結論は、正直、小学生に出せるようなものではないと思う。そのへんがちょっと非現実感が否めないので星は4つにしているけれど、題材もストーリー構成も伏線も見事で、何度読んでもすごいなと思う。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
凍りのくじらのふみちゃんが話せなくなった理由がこの本に描かれていた。残虐な行為とどうしようもない悪意に晒された人達が悩み苦しむ様子は読むのが辛く、気がつくと眉間に力が入り皺が…… 読みながらずっと自分なら何を言うか考えていて、読み終わってもまだ考えてしまう。ふとした時にまた思い出して考えてしまいそう。 子どもたちは夜と遊ぶで謎だった秋先生が耳打ちしたセリフと生徒が消えた意味が分かってスッキリ、月子が元気そうでホッコリ(恭司もね) 最後に……塩と砂糖間違えたマドレーヌ1個食べたら子供には致死量なんじゃ?!と心配してしまった。しょっぱいだろうなぁ
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
めちゃくちゃいい。 めちゃくちゃ泣ける。 こんな素敵な物語を作れるって素晴らしすぎる。 主人公の僕は四年生ながら、落ち着いて見えると作中でもよく言われていたが、本当にとっても賢い。 私も純粋な子どもの彼にすっかり騙され共に泣いた。 考えを捻り出して市川を縛る方法を思いつけるのも、そういう物語を作れるのもすごいよ。 あんなにも大事に思える友達がいるって素敵なことだ。 あんなにも友達を大事に思えるって素敵なことだ。 私の息子も自分の命を投げ打ってまで友達を守ろうとしていたら、母としてはあまりに辛すぎる。 二人とも助かって本当に良かった。 そして秋先生がめちゃくちゃ紳士で良い先生! 二人の会話はすごく重たく考えさせられる。 大人で、冷静で、残酷で、温かい。 正解のない、けれどきちんと考えたくなる内容。 サンタの件も泣けたー かがみの孤城、ツナグと並ぶ辻村作品トップ3! いや、オーダーメイドも良かったしなぁ、 トップ4?!
Posted by
明確な答えが出せないテーマですごく考えさせられる。 自分が親になったときに子供に対して理解できるように説明できるだろうか? 平等に裁くために法が定められているが心情的には納得できないことは無数にある。 少年法やら責任能力やら 犯人の生い立ちが分かると見方が変わったり 表面的な部...
明確な答えが出せないテーマですごく考えさせられる。 自分が親になったときに子供に対して理解できるように説明できるだろうか? 平等に裁くために法が定められているが心情的には納得できないことは無数にある。 少年法やら責任能力やら 犯人の生い立ちが分かると見方が変わったり 表面的な部分だけで捉えてしまわないように気を付けなければいけない。 正解が無い問題かもしれないが、難しいからといって考えるのをやめてはいけないと感じた。
Posted by
アカン、アタマが弱いので力を使った場合に起こりうることについて先生とぼくが話している内容についていけない。ぼくは小学4年生・・・なわけ。
Posted by
倫理観について考えさせられるストーリーだった。 小学生の主人公とその友達が精神的に追い詰められていく様子に心が痛んだ。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
読書備忘録674号。 ★★★★。 名前探しの放課後を読む前に読むべし!ということみたいなので、さっそく読みました。神戸でまったりお盆休みを満喫しながら。笑 お菓子作りは、材料を完璧に計量してつくらないと美味しくない。お菓子の世界では目分量とか、適当は通用しない。適当にすると、全く違う食べ物になってしまう。メジャースプーンでしっかり計って思った通りの結果を出そう・・・。 主人公のぼく、小学校4年生。一族で稀に発生する特殊能力保持者。声の力を持つ。 条件ゲーム提示能力。 「Aという条件をクリアできなければ、Bという結果が起こる」すなわち、声を掛けられた対象者は、Bという結果を望まないならAをやることになる。 この能力には様々な制約があるが、面倒くさいので割愛。笑 主人公のぼくがリスペクトする同級生のふみちゃん。 学校で飼育していたうさぎたち。 そしてふみちゃんは誰よりもうさぎを可愛がっていた。自分が当番日でなくても、世話をした。 そしてふざけた大学生、K大医学部の市川雄太、二十歳。 彼は、動物虐待をオモシロおかしくネットにアップするために、ふみちゃんのうさぎを切り刻んで虐殺した・・・。第一発見者はふみちゃん。ふみちゃんは心をとざし、感情を失った・・・。PTSD。 市川雄太は捕まる。ただ、器物破損罪。執行猶予付き。うさぎは器物・・・。ガラスを割るのと一緒。全然痛まない市川雄太。 ぼくは市川雄太に復讐を誓う。なぜなら、自分がうさぎの当番日に熱を出し、ふみちゃんに代わってもらったその日に事件は起きた。自分の責任だということ。 そしてぼくは声の力を使い大人を誘導して市川雄太との面会を1週間後に段取る。 そして、一族の中でぼく以外に唯一力を持つ児童心理学教授秋山一樹に、1週間の間、力に対するレクチャーを受けることになる。 そして迎えた面談の日。ぼくは言った。 "バルスッ!"では無いですけどね。笑 いくらネタバレでもこの物語の全てでもある言葉はさすがに言えません。笑 この言葉で涙しますので。 いやいや。辻村さん。凄いですね。やっぱり。 子供の気持ち。考え方。辻村さんって小学生なん?と言いたくなる。重松清か辻村深月か!笑 そして秋山さん。他の辻村小説にも顔を出しているそうな。1週間の間、ぼくに対峙し、力の持つパワー、やってはいけないこと、意味のないこと、そして、どうするべきかを、慈しみをもって優しく心に伝える。 そしてそしてぼくの選択。市川を破滅させるためのダブルバインド(対象者が条件となる行為をやってもやらなくても同じ結末になるという)の言葉。 涙が出ます。小4がそこまで覚悟するなぁ!と叫びたくなる。 冒頭に戻ります。 メジャースプーン。 ふみちゃんから貰った大切なメジャースプーンのキーホルダー。ふみちゃんとの絆。 そして声の力。条件と結果、緻密に計算された言葉でなければ、違う結果を導き出してしまう。性格に計って言葉をつくる。言葉のメジャースプーン。 ぼくが選んだ言葉はダブルバインドで、絶対に決まった結果(完璧なお菓子)を導き出しました。という感じが、タイトルの意味でしょうか。 ということで、名前探し・・・、もそのうち読みますぜ。笑
Posted by
主人公が小学生という設定だからこそ、固定観念や偏見などがなく、倫理について思い悩む純粋な姿に心打たれました。 たしかにストーリー展開も良く、他作品とのオーバーラップも見れて、楽しめる要素満載でしたが、他作品と比べるとテーマが少し重かったため、他作品に比べて評価は低めです。
Posted by
読了。今回も心地よく騙されました。犯人に対して、どんな条件と罰を与えるか...深いなぁと読んでました。やっと、名前探し〜の謎が解けました。それに、子どもたちは〜の謎も。 #読了 #読書好きな人と繋がりたい #辻村深月
Posted by