ぼくのメジャースプーン の商品レビュー
いい意味で予想外な話でした。 不思議な力を持つ少年の話だけどしっくり来たし、少年の葛藤の部分では涙が溢れた。
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小学4年生の僕が好きな女の子のために復習する話。 「人は誰かのために悲しめない。悲しんでいるのは全部自分のためというのは本当?」と聞く僕に、先生が「それでいいんです。それでも自分を結節点として誰かが傷ついているのを嫌だと思う気持ちは愛です」と答えるシーンが印象的だった。 人間はどうしようもなく利己的であるということを前提とした時、 だから一緒にいたいと思うこと、 会いたいと思う事、笑顔を見たいと思うことは「相手を好き」ということ以外の何物でもないよなと思った。 言葉の力は私たちも全員が持っているものだと思う。 相手の行動から本心を知るために、何を条件として何を罰とするかを議論している姿は現実の世界で相手の本心を探るために行う行動を思い出させた。 非現実的な話なようで、とても現実的な、現実の一コマを切り取ったような作品だと思った
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★人間って絶対に他人のために泣いたりできないんだって。誰かが死んで、それで悲しくなって泣いてても、それは結局、その人がいなくなっちゃった自分のことがかわいそうで泣いてるんだって。 自分のためにしか涙がでないんだって。 ★既に怒った事件にしたり顔でコメントを挟み分析することは、娯...
★人間って絶対に他人のために泣いたりできないんだって。誰かが死んで、それで悲しくなって泣いてても、それは結局、その人がいなくなっちゃった自分のことがかわいそうで泣いてるんだって。 自分のためにしか涙がでないんだって。 ★既に怒った事件にしたり顔でコメントを挟み分析することは、娯楽としての消費を助けることと同じ ★自分のエゴで自分の都合で、時に結びつき、時に離れ、互いを必要とする気持ちに、名前を与えてごまかしながら、僕たち人間は発展してきた。 子供たちは夜にあそぶ…からの この作品。 まさかの秋先生再登場で嬉しくなった!!
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大切な人が人の悪意によって傷つけられた。僕の、その悪意への復讐。何をしたら復讐といえるのか?そもそも復讐の目的は何なのか?復讐をして、果たして僕は満足するのか。大切な人に教えられた悲しい事実を胸に、僕は大切な人への思いと自分の思いの狭間で答えを探し続ける。 特に印象に残った言葉は教授の「正しさなんてない。自分の心に恥じないようにすること。」(略)でした。 僕ほんとうにかっこいい〜。。。
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相手にささやく「条件と罰」で言葉の「力」を持つ「ぼく」(名前は触れられていなかったような気がする)。その「ぼく」が第1人称として最後まで物語が続く。「子どもたちは夜と遊ぶ」に出てきた「秋先生」に「力」について1週間の講義を受けるが、この部分が長い。最後に市川雄太から「ぼく」を助けるために「秋先生」が使った「罰」はどのような言葉だったのだろうか。
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大切なふみちゃんが酷い目に会った。不思議な力を持つぼくが復讐しようとする話。 先生が力とはどういうものなのかの教えるのが物凄く丁寧で、冗長じゃないのに驚く。ある種の哲学書。すごく良かった!
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復讐とは何かを非常に考えさせれる作品。 「ぼく」が小学生ながらにして、かなり大人びていたことには少し驚いたが、彼みたいな人が能力者であって良かった。 ふみちゃんみたいな子、個人的にはすごく好き、友達としてそばに居て欲しい存在。周りに惑わされることなく、自分の物差しでしっかりと...
復讐とは何かを非常に考えさせれる作品。 「ぼく」が小学生ながらにして、かなり大人びていたことには少し驚いたが、彼みたいな人が能力者であって良かった。 ふみちゃんみたいな子、個人的にはすごく好き、友達としてそばに居て欲しい存在。周りに惑わされることなく、自分の物差しでしっかりと物事の分別を測り、自分の味方でいてくれるって素敵ですよね。
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最初はほのぼのした子供の単なるエピソードかなと思った。主人公も幼なじみのふみちゃんも小学生にしては非常に頭のいい子の印象を受けた。主人公の能力は最初はわからなかったが、事件やそれを伴い、先生との勉強会で非常に強いものだとも感じた。使用するためのルールの把握や相手の事の周知をしてい...
最初はほのぼのした子供の単なるエピソードかなと思った。主人公も幼なじみのふみちゃんも小学生にしては非常に頭のいい子の印象を受けた。主人公の能力は最初はわからなかったが、事件やそれを伴い、先生との勉強会で非常に強いものだとも感じた。使用するためのルールの把握や相手の事の周知をしていないと大人でも使いこなせない能力を小学生が理解してるところには少し疑問が生じたが、練習のために使用した同級生の喧嘩や、実際に犯人に使用したのものを聞くと幼さを感じた。 この物語では、命の重さと罪と罰について考えさせられる。愛護動物の命の重さは大きいのに食用動物の命は軽く見られるなど、人間の目線で動物の命の重さは測られる。難しいことだし、子供に正しい回答はできないが、不必要な殺生はすべきではないと考えるべきだと思った。普通に生活しているだけも多くの生き物を殺している。しかし、自分に害がないものは殺さないようにするや、与えられたり、食べ物は残さないなど命に感謝することの大切さを改めて感じた。 罪と罰では、当事者かそうではないかで感じ方が変わると思う。子供の時は感情のまま、悪は消えるべきと思っていたが、大人になると悪にならざるえなかったや、人が変わっていく姿も見るから必ずしも相手にチャンスを与えないことが良いとも思えない。この問題については人生をさらに歩んで少しでも自分軸を掴んでいきたいと思った。
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第5回ビブリオバトル全国大会inいこまで発表される予定だった本です。 ※2020.3.15に開催予定であったビブリオバトル全国大会inいこまは、新型コロナウイルス感染症拡大の影響で中止となりました。
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不思議な力をもつ『ぼく』と凄惨な事件をおこした犯人とふみちゃんのお話。 前半はぼくとふみちゃんの関係がじっくり描かれます。ふみちゃんは周囲より早く大人になった女の子。悟りでもひらいたのかというレベルです。 そしてふみちゃんが凄惨な事件に巻き込まれたことをきっかけに、ぼくは自分...
不思議な力をもつ『ぼく』と凄惨な事件をおこした犯人とふみちゃんのお話。 前半はぼくとふみちゃんの関係がじっくり描かれます。ふみちゃんは周囲より早く大人になった女の子。悟りでもひらいたのかというレベルです。 そしてふみちゃんが凄惨な事件に巻き込まれたことをきっかけに、ぼくは自分の力を知るために同じ力をもつ先生のもとへ通います。 先生とぼくの会話で読者も力について理解を深めていきます。 そうすると、読者も一緒に考えます。 『この力でもって、犯人にどう向き合うか』 きっと読んでたらどうしても考えてしまうんじゃないかな。 あんな事件をおこす犯人に、力を持つ自分はどんな対応をすべきなのか。 実際にぼくは犯人にどんな風に力を使ったのか、読んで確認して!と言いたくなる内容。 ぼくの心情を考えると、心臓が痛くなります……。 大どんでん返しや大事件に次ぐ大事件があるわけではないけれど、ラストが気になりすぎて一気に読んでしまいました。
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