極北クレイマー の商品レビュー

海堂尊【著】

2013/02/17

極北篇の１作目。どうしようもない病院、極北市民病院にとばされた医師今中が、病院を立て直そうと奮闘する話。他作品でおなじみ、氷姫こと姫宮の相変わらずのキャラクターも最高。最後の、ブラックペアンシリーズの世良さんの登場には驚いたが、地獄の箸の話は面白かった。他作とも関連がある、産婦人科医の術死問題の行く末も気になるところで、今後の展開に期待したい。

2013/02/09

地方医療の現場がよく分かる内容だった。 役所の怠慢さで、他の所にしわ寄せがきていて、腹が立った。 また、患者の意識があまりにも低すぎる。診察を受けても、診療費を払わない、それでも医者は困っている患者を見捨ててはいけないなんて、おかしすぎる。

2013/01/26

地方の病院の実態を描写してあり、興味をそそられたが、最後は無理やり話を終わらした感があって、少し残念であった。

2013/01/06

赤字病院に左遷された外科医今中。外科部長で非常勤。院長と市長の対立や、病院の良心三枝医師の医療事故による逮捕など…。中盤辺りまで、テンポも良く面白いのに、日本医療業務機能評価機構の下りからなんだか方向性が分からなくなった…後半からは残念な感じ。

2012/12/29

破綻した極北市での市民病院の話です。
現実にどんどん診療科が減っていく総合病院について考えさせられますね。
海堂作品は主役がどんどん入れ替わり、前の主役が次作品以降脇役として存在感を微かに残していくので楽しいです。

2012/11/26

面白いかどうかと言えば、そうでもなく。そう思うのは、最後の最後まで読んでいるのがしんどかったから。だから、この話を書くのは大変だったんじゃないかなとか、そんな事ばかり思う。
時々、触る程度にでもジェネラルやグッチー先生のことが書かれて、それはやっぱりフワァ〜ってなりました。
もっと、楽しめるお話だったら良かったのに…
でか、そこまで悲惨な状態ってことなんでしょうね。
次作で事態が少しでもよくなりますように(^^;;

2012/11/12

海堂尊『極北クレイマー』読了。医療界の現場の悲鳴がこの1冊、つまりは北の果ての小さな市民病院に凝縮されている。赤字まみれで傾いている自治体、医療訴訟、医療行政…医療現場が疲弊しつぶれるということは医療を受ける側にその影響が波及するということだ。続きはどうなるのか、この社会も同じ。

2012/11/09

財政破綻気味なうえに、現場も荒廃した地方病院。ただし地方医療の最後の砦として、最低限の責務と矜持は持っている。
しかし自治体との兼ね合いで刑事訴訟され、瓦解。そしてこれは日本の医療全体を揺さぶる事件につながる。

『ジーン・ワルツ』先に読んでたのが惜しかった…。でも読んだのだいぶ前だったので、気づいたのは最後でしたが。
あと世良さんって覚えてないや…再登場らしいので読み返します。

事実上のどん底で幕を閉じたので、続編の『極北ラプソディ』を一刻も早く読みたい!!!

あと姫宮さん初登場!!
白鳥なみに活躍するのかと思ってたら…あれ？インパクトはあったんですけどね〜。

2012/11/07

主人公と思われる今中外科部長、スーパーヒーローになるのがいつかと期待しているうちに読み終わってしまった。
国民葬クレーマーというが、私もいちクレーマー読者かもしれない。

2012/10/29

夕張市をモデルにした地方医療、財政不足などに苦しむ行政、
妊婦の術死（福島で起こった術死がモチーフになっているらしい）によって、地方を支える医師が逮捕されるという、医療の根幹が破壊されかねない警察の暴挙を告発しているのか。

そして一億総クレイマーとなっている現在の人々の末路はこうなってしまうよ？という著者の提示なのかな。

本書では、一地方限定の話だったけど、今の日本を見てみると、この地方の問題が日本全土に拡大してもおかしくないのではないかと思った。

最後に、天国と地獄の話（天国も地獄にも同じようにご馳走があり、どちらにも長い箸が置いてあるが、地獄では自分が自分がとなって長い箸で食べられない。天国では協力して食べさせてあげたり食べさせてもらったりする。）があったが、興味深かった。

それにしても、今回の物語には、海堂作品の様々な人が登場したなぁ・・・

螺鈿迷宮の最後に姿をくらましたのが西園寺さやか？
清川吾郎、世良、姫宮、斑鳩など・・・