極北クレイマー の商品レビュー

海堂尊【著】

2010/03/27

海堂尊の本バチスタシリーズ、特にイノセントゲリラの祝祭などを読んでいるファンなら読める本。最初にこの本からでは厳しい。はっきりいって面白くはない。ただしシリーズを読んでいる読者ならつまらなくもない。なんせ事件がなかなか起きないのです。また起きた事件も掘り起こしや展開に難有りです。起きた事件は日本の医療にとって重要な事件だが、この本では書き込みが足りず消化不良となる。この後に続くであろう本でこの内容の続きが描かれて初めてこの本の価値があがるかもしれない。

2013/03/25

バチスタ関連。

今回の舞台は北海道の果て。極北病院。
外科部長として赴任した主人公（ただし非常勤、ボーナスなし；（笑）
待ちうけていたのは、どうしようもない現実だった。
お金お金の院長に事務長。やる気のない看護師たちに医者たち。
唯一の救いは、ひとり奮闘する産婦人科医の三枝。
なんとか病院を良くしようと孤軍奮闘する主人公。
そこに事件が巻き起こる・・・

クールビューティ＆天然の姫宮。ジーンワルツの三枝。ジェネラルルージュの速水。
他の作品とリンクする人物も多いので、いろいろ読んでると何倍も楽しめます

2010/03/21

海堂　尊「極北クレイマー」

潰れる寸前の市民病院で、大学の医局から派遣された外科医師が孤軍奮闘する。

今は地方の病院ならどこにでもありそうな問題の羅列。読者から問題提起をしていこうという現役医師の作者の気持ちは痛いほどわかります。
軽いタッチでありながら重たい問題の連続で、読んでいる方は思わず目をそむけたくなる。

終わり方が、次も読んでくださいね的な感じなのですが、あれはどうなのかなぁ。市長が死んだところで終わらせれば、病院もこれで終わりかって感じで終結感があってよかった気がするんだけど。

でも続きがはやく読みたいなって思ってます。

2010/03/20

医療に関する問題点が　いっぱい詰まっています。
地方医療の問題、産科医問題、マスコミ。
詰め込みすぎで、注意力散漫になってしまいました（私が）。
ぎゅっと焦点を絞って欲しいような気がします。
北海道弁？に違和感。

2010/03/18

2010.3
あの三枝先生登場。マリア先生の息子らしく、とっても素敵な人だった。彼を牢獄に追いやって、あの人はいったい何をしたいのだろう。

2010/03/17

「螺旋迷宮」「ジーンワルツ」も絡んでくるからそちらを読んでからがいいですよ、と教えてもらっていたのに先に読んでしまいました。
でも十分に堪能しました！

赤字を抱える問題だらけの北海道・極北市民病院。
その現状たるや、読んでいるだけでもし自分の近くにある病院がここだけだったら即座に引っ越す！というくらいの悲惨な状況。
大学病院医局から左遷状態でそこにやってきたのがちょっと冴えない大柄な今中医師。

強烈な環境に加え、まともな医療体制も築けていない、築こうという意志すら見えない病院の面々。
まともに働いているのは産婦人科の三枝部長と並木看護師くらいなのです。

皆自分のことばかり考えていて、いったい誰が本当に信頼できる人なのかわからない状況の中、今中先生は地道に業務をこなしていきます。
そんな中突如舞い降りる雪の天使のごとく現れたのが、姫宮嬢！
皮膚科医となって登場だなんてやってくれますね。
相変わらずマイペースな姫宮は、この悲惨な環境下の病院や強烈なスタッフたちを目の当たりにしても全く動じません！
それどころかどんどん自分のペースに皆を巻き込んでいき、あれよあれよの大活躍。
病院に立ち直るきっかけを与え、疾風のごとく去っていきます。

しかしそんな順風満帆というばかりではありません。
三枝部長の妊婦死亡による医療事故問題、謎の医療ジャーナリストの暗躍、病院の評価機構の視察など次から次にいろいろな問題が降りかかります。

そんな問題山積みのこの病院ですが、やっぱり必要としている人がいる。
みんなが少しずつ変化し、成長していきます。
病院の状態も少しずつですが変化していって。

冴えなかった今中先生がいつの間にかちょっと素敵に見えてきました。
いけすかない後藤研修医の変化が一番大きかったかな。

病院を運営していくことの難しさ、地方財政との絡み、医療訴訟など、生きていくうえで欠かせない問題なのに普段なかなか考える機会はなかったことについていろいろと考えさせられました。

まだまだ課題は山積みのまま。
今後の極北市民病院もいつか見てみたいです。

（速水さんがちょこっと登場したのが嬉しかったな）

お気に入り度：★★★★☆
（2010年1月27日読了）

2010/03/02

主人公は、極北大学病院第一外科から二年の約束で極北市民病院へ派遣された外科医8年目の今中良夫医師。

市の長年の財政赤字を軸に、
市職員からの冷遇をトッピングして、
終着駅である極北羅堂に舞った一陣の風　姫宮香織医師
市民病院の癖のあるスタッフ
医療事故を嗅ぎつけてやってきた医療ジャーナリストなどが絡みつき転がって転がって　行き着く先は　　　　どつぼ？

この著者の書いたものには面白い趣向が施されている。
2007年9月発行『ブラックペアン1988』の中で、手術を見学していた医学生、田口公平が患者の血を浴び卒倒。その後血が怖くなり、それより先2006年2月に発行された『チーム・バチスタの栄光』で精神内科医の主人公となって登場している。

今回の『極北クレイマー』に出てきた姫宮香織も『チーム・バチスタの栄光』に登場する白鳥圭輔の部下ではないかと見ている。白鳥の部下を表現する言葉と姫宮が先輩を表現する言葉がお互いをぴったり言い当てていると思われて仕方がない。

ただしこれは勘。悲しいかな貧乏で本は図書館から借りて読んでいるので手元にその本がない。しかるに確かめようがない。

出来ることなら『チーム・バチスタの栄光』をこれから読まれる御仁　部下の名前が姫宮でないかご確認できたらお教えください。

海堂尊の本を全部手元に置くことが出来たのならば、もっともっと面白いことが発見できるんだろうなぁ…　
とつくづく自分の貧乏がウラメシイ。てなことで　今回は　これまで～

2010/03/02

この人の本を読んでいると、医療が心配でならなくなるが、これって小説で書いていてもなかなか解決には繋がらないのでは？
ノンフィクションで書くとか、政治活動するとか直接的に行動すべきと思うんですけど、この人の目的はきっとそこでは無いのだろうな。

2010/02/27

初めて海堂さんの作品を読みましたが、おもしろかったです。
個人的に後藤が好き。
人間自分のことしか考えていないなぁと感じました。
他の方のレビューを読むと、「極北クレイマー」は他の作品とリンクしているようなので、これからいろいろ読みたいと思います。

2010/07/01

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『週刊朝日』大好評連載小説の単行本化。現役医師で医療エンターテインメント街道を驀進する著者の最新作。赤字5つ星の極北市民病院に赴任した外科医・今中を数々の難局が待っていた。不衛生でカルテ記載もずさん、研修医・後藤はぐーたらだし、院長と事務長は対立している。厚生労働省からの派遣女医・姫宮は活躍するが、良心的な産婦人科医はついに医療事故で逮捕された。日本全国各地で起きている地域医療の破綻を救えるのは誰か?
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現実の事件や出来事を下敷きにした物語なのだが、実際に、病院がこれに近い状況に陥いることがあるというのが信じられないし、信じたくない。自治体の破綻も然りである。
小説としては、姫宮の活躍――に見えないとしても――は胸がすくし、志を捨てずに懸命に自分の職務を全うする意志の姿は清々しい。同じ時期に桜ノ宮市ではバチスタ裁判が行われ、速水部長は、救急救命センターで自分を貫いていると思うと、感慨もひとしおである。
海堂尊氏と言えば医療ミステリ、と思っていたのだが、内容紹介にあるように、医療エンターテインメントだと思うと、バチスタ以来のミステリ色のなさにも頷ける。