累犯障害者 の商品レビュー
今回は以前読書会で紹介された本を読んでみた。^ ^ 累犯障害者(知的障害や精神障害があり、犯罪を繰り返し起こしてしまう人。) この本を読んで障害者の方が否応無しに犯罪に関わっている現実を知り、読めば読むほどリアルに感じられ、どこかでこういった犯罪や社会的環境はあるなと自分の心...
今回は以前読書会で紹介された本を読んでみた。^ ^ 累犯障害者(知的障害や精神障害があり、犯罪を繰り返し起こしてしまう人。) この本を読んで障害者の方が否応無しに犯罪に関わっている現実を知り、読めば読むほどリアルに感じられ、どこかでこういった犯罪や社会的環境はあるなと自分の心が敏感に感じているのが分かった。 メディアによって報道される事件の幾つかは累犯障害者が関わっており、人権的問題が関わって来るとマスコミは放映を見合わせるといった現実。また、日本社会において更生プログラムが整備されず機能していない現状といった社会の臭いものには蓋をするといった慣習が垣間見えた。 これは島国日本の独特な文化?であるといった言葉で片付けず、直視し少しずつでも福祉含めて改善することが必要であり、インターネット社会だからこそ逆に情報の共有など出来ることが多いように思えた。 こういった事を知ることが本当の意味で社会を知ることになる一歩かも知れない。
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犯罪を犯した障害者を追うルポ。前半は知的障害者、後半は聾者を中心に追う。1995年まで聾唖者は罪に問われなかったことに驚いた。たったの20年前のことだ。
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先輩から勧められた本。こんな現実を今まで全く知らなかった。加害者になってしまった人も、以前は被害者だった事が本当にやるせない。悲しい悔しいことばかりだけどまずは知るということ、本当に大切だと思いました。まだまだ知らないことがたくさんある。もっと知らなきゃ。
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【商品の内容】(「e-hon」レビュー引用) [要旨] 刑務所だけが、安住の地だった―何度も服役を繰り返す老年の下関駅放火犯。家族のほとんどが障害者だった、浅草通り魔殺人の犯人。悪びれもせず売春を繰り返す知的障害女性たち。仲間内で犯罪組織を作るろうあ者たちのコミュニティ。彼らはな...
【商品の内容】(「e-hon」レビュー引用) [要旨] 刑務所だけが、安住の地だった―何度も服役を繰り返す老年の下関駅放火犯。家族のほとんどが障害者だった、浅草通り魔殺人の犯人。悪びれもせず売春を繰り返す知的障害女性たち。仲間内で犯罪組織を作るろうあ者たちのコミュニティ。彼らはなぜ罪を重ねるのか?障害者による事件を取材して見えてきた、刑務所や裁判所、そして福祉が抱える問題点を鋭く追究するルポルタージュ。 [目次] 序章 安住の地は刑務所だった―下関駅放火事件 第1章 レッサーパンダ帽の男―浅草・女子短大生刺殺事件 第2章 障害者を食い物にする人々―宇都宮・誤認逮捕事件 第3章 生きがいはセックス―売春する知的障害女性たち 第4章 ある知的障害女性の青春―障害者を利用する偽装結婚の実態 第5章 多重人格という檻―性的虐待が生む情緒障害者たち 第6章 閉鎖社会の犯罪―浜松・ろうあ者不倫殺人事件 第7章 ろうあ者暴力団―「仲間」を狙いうちする障害者たち 終章 行き着く先はどこに―福祉・刑務所・裁判所の問題点
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この本には世間の自分の知らない事の多さを教えてもらった。障害者の犯罪に関しての入口と出口の痛ましさ。結局、健常者である限りはその人達を本当に理解する事はできないし、助ける事の難しさも痛感する。ただ、この現状を理解する人が増えるだけでも少しは世の中が変わるかも知れないと思った。
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この国の福祉って一体どうなっているんだろうか。 健常者も障害者も(そもそもこの言い方もいかがなものか)共存して安心して暮らせるインクルーシブな社会など実現可能なのだろうか。 一度犯罪を犯してしまった知的障害者のセーフティ・ネットが最終的に刑務所であるというのはどう考えたっておかし...
この国の福祉って一体どうなっているんだろうか。 健常者も障害者も(そもそもこの言い方もいかがなものか)共存して安心して暮らせるインクルーシブな社会など実現可能なのだろうか。 一度犯罪を犯してしまった知的障害者のセーフティ・ネットが最終的に刑務所であるというのはどう考えたっておかしい。 たまたまこの本を読んだ私は知ることができた。 しかし多くの人は知る機会すらないだろう。 犯罪者が障害者だと分かった途端マスコミの勢いはトーンダウンする。それは何も加害者の人権に配慮しているわけではない。その裏に潜んだこの社会の闇から逃げているだけだ。 刑務所の受刑者の約2割が知的障害だとされている。そしてその多くの受刑者たちが出所後に再度罪を犯し入出所を繰り返す。それも生活苦で止むにやまれず犯したほんの軽微な罪で。 読んでいて胸が苦しくなった最終章。 -------------------------------------------------------------------- その裁判の被告人は、中度の知的障害者だった。彼は、半年ほど前に 刑務所からでてきたばかりである。母一人子一人の環境で育ったが、 その母親は、一年前、彼が服役中に亡くなっていた。彼が問われている罪は、 「住居侵入罪」だった。 「君ね、刑務所から出てきたばかりでしょ。もう悪いことするのはよしなさいよ。」 突然、被告人が堰を切ったように泣き声を上げだした。それに対して、検察官は大きな ため息をつく。一方、国選弁護人である若い弁護士は、閉口したように顔を歪めている。 『おかーたん、おかーたん、うぉー、うぉー』 -------------------------------------------------------------------- この男性を裁くのが司法ですか? 重度障害者以外は受け皿がないのが福祉ですか? 障害者の多くは身元引受人になる人もなく任期満了で出所するのが常だ。 暗澹たる思いになった。 一方でこの作者の活動が実を結んでわずかながらでも変わりゆくことに期待したいと思う。 知的障害者に焦点をあてた章の他にも、かなりの割合で聴覚障害者について取り上げている。これもまた興味深い世界だった。
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触法障害者、主に知的障害とろうあ者達の触法に至るまで、更に出所してからの顛末についての秀逸なノンフィクション。 メディアがタブーとして扱うためか、触法障害者の詳細な情報は今まで目にしたことはなかった。 知的障害者が受け皿がないことから微罪を繰り返して何度も刑務所に入ること、ろうあ...
触法障害者、主に知的障害とろうあ者達の触法に至るまで、更に出所してからの顛末についての秀逸なノンフィクション。 メディアがタブーとして扱うためか、触法障害者の詳細な情報は今まで目にしたことはなかった。 知的障害者が受け皿がないことから微罪を繰り返して何度も刑務所に入ること、ろうあ者が独自のコミニュティを形成せざるを得なくなっており、健常者とのコミニケーションが上手く行っていないことが大きな要因となっているなど初めて知ることばかりに驚かされた。 解説の江川紹子氏が書いてあるように、刑務所や犯罪組織にしか自分の安心できる居場所を見つけられない障害者のセリフがなんとも切ない。 著者の誠実で温かな人柄が文章の端々から感じられ、ルポとしてだけでなく、心動かされる作品となっている。
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著者が獄中の経験から障害のある方々の事件と事件後の生活を記録したルポ。 障害者の教育に関わるものとして、知っておきたい内容が多く含めまれている。 学校での指導では、社会に出てからの生活を考慮すること、学校だけでなく、家庭や地域の機関とも十分と連携をとること、社会への啓発活動を行う...
著者が獄中の経験から障害のある方々の事件と事件後の生活を記録したルポ。 障害者の教育に関わるものとして、知っておきたい内容が多く含めまれている。 学校での指導では、社会に出てからの生活を考慮すること、学校だけでなく、家庭や地域の機関とも十分と連携をとること、社会への啓発活動を行うことが大切だと感じた。 まず、この実態を真摯に受け止めたい。
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軽微な犯罪を犯し服役を繰り返す障がい者の実態。寝たきりの障がい者より、刃物やライターを持つ軽度の障がい者の方が支援が困難。なのに予算がつかない。我が国の福祉の現状を知るには、被害者になった障がい者を見るより、受刑者になり果てた彼らに焦点を当てた方が、実態に近づくという。なるほどと...
軽微な犯罪を犯し服役を繰り返す障がい者の実態。寝たきりの障がい者より、刃物やライターを持つ軽度の障がい者の方が支援が困難。なのに予算がつかない。我が国の福祉の現状を知るには、被害者になった障がい者を見るより、受刑者になり果てた彼らに焦点を当てた方が、実態に近づくという。なるほどと思った。2015.1.16
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「盗みや食い逃げは悪いことだからやったらいけない。だから放火した。」刑務所だけが安住の地だった、何度も放火と服役を繰り返す下関駅放火犯。 家族のほとんどが障害者だった浅草通り魔殺人犯。 売春が唯一幸せを感じることができる手段だった知的障害女性たち。 知的障害者の年金目当てに養父と...
「盗みや食い逃げは悪いことだからやったらいけない。だから放火した。」刑務所だけが安住の地だった、何度も放火と服役を繰り返す下関駅放火犯。 家族のほとんどが障害者だった浅草通り魔殺人犯。 売春が唯一幸せを感じることができる手段だった知的障害女性たち。 知的障害者の年金目当てに養父となるやくざ。 ろうあ者の文化・手話を理解せず、聴者の世界で生きられることを第一に口話教育を行う結果、高校卒業時に9歳レベルの学力しか育たない聾学校。 犯罪を重ねる障碍者の背景には福祉の不在が必ずある。福祉のネットワークから零れ落ち、劣悪な環境で貧困・孤独となった人たちにとって刑務所が最後の拠り所となっている。 アンタッチャブルなテーマだけど、福祉行政がもっと細やかになれば防げる事件・不幸はたくさんある。
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