累犯障害者 の商品レビュー
久々にいいノンフィクション読んだ。すっげえ面白かった。ジャーナリズムの枠を超えて政策にまで関わって実際に制度を変えつつある筆者に脱帽した。もちろんこれまでメディアで触れられることの少なかった刑務所内の障害者達について明らかにした点も有意義だし、知ることが出来たのは良かった。福祉の...
久々にいいノンフィクション読んだ。すっげえ面白かった。ジャーナリズムの枠を超えて政策にまで関わって実際に制度を変えつつある筆者に脱帽した。もちろんこれまでメディアで触れられることの少なかった刑務所内の障害者達について明らかにした点も有意義だし、知ることが出来たのは良かった。福祉の網からこぼれた時の最後のセーフティ・ネットが刑務所だというのは皮肉にしてもひどい。 それにしても聾唖者(手話者)の精神世界についての記述は俄然興味を持った。文化は言語によって作られるわけで(その逆もそうだと思う)、手話者達・デフコミュニティの文化は我々聴者の文化とは異なって不思議はない。夢まで手話で見るという人達が聴者と同様の思考方法を持たずとも不思議はないと思う。これは優劣の話ではないんだけども、聴者のやり方に合わせていれば途中あった聾学校校長の言うように聾唖者は知識を得る力がないと言ったような結果になっても当然に思える。この仕組についても考えさせられた。もうちょっと掘り下げてみたい。
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日本ではマイノリティは存在しない存在のようにされてしまっていてそれが障害者を取り巻く環境を悪化させていると思う。メディアも犯人が障害者だとわかると報道しなくなってしまうため障害者の犯罪がなかなか認知しづらいことのさせている。 この本の紹介によっていかに日本は障害者に冷たいかを知っ...
日本ではマイノリティは存在しない存在のようにされてしまっていてそれが障害者を取り巻く環境を悪化させていると思う。メディアも犯人が障害者だとわかると報道しなくなってしまうため障害者の犯罪がなかなか認知しづらいことのさせている。 この本の紹介によっていかに日本は障害者に冷たいかを知ってほしい。
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ずっと積ん読してあった本。やっと読みました。 この本は、重い。 いま自分たちが暮らしている日本社会って、こんなにもうすく脆いものだったのか、と薄ら寒くなる。 セーフティネットの網の目がゆるいとか、社会保障関連の話ではまぁよく出てくるし、 福祉とか、教育とか、行政の手が行き届...
ずっと積ん読してあった本。やっと読みました。 この本は、重い。 いま自分たちが暮らしている日本社会って、こんなにもうすく脆いものだったのか、と薄ら寒くなる。 セーフティネットの網の目がゆるいとか、社会保障関連の話ではまぁよく出てくるし、 福祉とか、教育とか、行政の手が行き届いていないところが実はけっこう広いことなんて、 少しでも現場に出れば嫌というほど感じることではある。 でも、そんな良い子的な問題意識は簡単にぶっ飛ばしてくれる。 ぶっ飛ばした上で、さらに重く殴られるような気分。 検察や裁判の問題点も最近比較的指摘されるようになっているけど、 知的障害者が裁かれるやりとりは茶番のよう。 それが当たり前に何度も繰り返されていることや、 繰り返さざるを得ない当事者たちは何を感じているのだろうと考えると、本当に虚しくなる。 答えようのない重い問題が毎章次々と書かれていって、 どうしようもないような気持ちにもなるんだけど、 救いは終章・あとがきで描かれる筆者の様々な活動。 制度改善のために奔走し、徐々に実際の法制度改革に効果を表していることは頼もしい限り。 多くの人に読んで欲しい一冊。
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衝撃の日本の影の部分。 障害者と刑務所。意外な接点。 初めて知ったことばかりで衝撃を受けます。 しかし、絶対知るべきです。 勇気がある人は読みましょう。
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今までこういう世界のことを深く考えたり思いを馳せることもなかったので読んで良かった。きっと身近にある。だからこそ、多くの人が読み、理解することも大事。自分の常識だけでは答えは出せないものだよ。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
【読み易さ】 やや優しい 【気付き】 ★★★★・ 【ハマり度】 ★★★・・ 【共感度】 ★★・・・ 司法、福祉、闇社会を含めた、障碍者を取り巻く環境について。 身よりのない障碍者が一度罪を犯して、刑務所に入ってしまうと、 出所後は福祉の手を差し伸べられる事もなくなってしまう。 不自由であっても生活する事ができた刑務所に戻る為に、罪を重ねてしまう。 その為、刑務所が授産施設のような役割を負ってしまっている。 現在の司法はコミニュケーションを上手くとる事ができない障碍者に対して、 妥当な判決を下す事ができているのだろうか。 最近では改善されつつあるのかもしれないが、 マスコミでは、障碍者が起こした事件は詳しく報道されない事もある為、 障碍者の犯罪は一般人に認知されにくいように思う。 聾唖者の教育は、聾唖者が健常者と同じような生活ができる事を目的としている。 手話を使う事を嫌い、読唇術を教え、正確な発音をさせる事が目的となっている為、 必然的に教育の中身が疎かになってしまい、学力が著しく低くなってしまう。 複数の知的障碍者と養子縁組を組み、補償を収入源にする暴力団員や、 女性の知的障碍者に売春させる等、障碍者を利用する闇社会の話など、 やり切れない思いになる話が満載であった。 生きて行く為に、犯罪を重ねて刑務所に居続けたがるのは、 障碍者のみに限った話ではないようにも思えた。 そもそも、知的・精神障碍者と健常者の境界はどこなのだろうか。
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≪目次≫ 序章 安住の地は刑務所だった―下関駅放火事件 第1章 レッサーパンダ帽の男―浅草・女子短大生刺殺事件 第2章 障害者を食い物にする人びと―宇都宮・誤認逮捕事件 第3章 生きがいはセックス―売春する知的障害女性たち 第4章 ある知的障害女性の青春―障害者を利用...
≪目次≫ 序章 安住の地は刑務所だった―下関駅放火事件 第1章 レッサーパンダ帽の男―浅草・女子短大生刺殺事件 第2章 障害者を食い物にする人びと―宇都宮・誤認逮捕事件 第3章 生きがいはセックス―売春する知的障害女性たち 第4章 ある知的障害女性の青春―障害者を利用する偽装結婚の実態 第5章 多重人格という檻―性的虐待が生む情緒障害者たち 第6章 閉鎖社会の犯罪―浜松・ろうあ者不倫殺人事件 第7章 ろうあ者暴力団―「仲間」を狙いうちする障害者たち 終章 行き着く先はどこに―福祉・刑務所・裁判所の問題点 あとがき ≪内容≫ 衆議院議員だった自らが刑務所に入ったことから気がついた、障害者たちの刑務所暮らしとその後の様子。この本は、そうした障害者と犯罪について綴ったルポ。まったく考えもしなかった実態がそこには綴られている。 日本の福祉の遅れも指摘されている。感想は綴らないが、無知を恥じる気持ちになったとだけ言っておこう。
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「普通」に生きていたら、恐らく接することのない世界の話だけど、とても大事な話。裁判員裁判も始まり、すべての人に一度目を通してもらいたい本。個人的にもかなり参考になりました。
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ズシンとくるノンフィクション。軽度障害を持ちつつ犯罪を繰り返す人達。 対処出来ないままこの時代になってしまったんだろう。
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犯罪の原因や、社会、福祉のあり方について、考えさせられた。 根本的な犯罪の予防という観点から、社会や福祉の受け皿など、法律や制度が追いついていない現状を垣間見ることができた。 塀の中のほうが暮らしやすい、というある受刑者の言葉は、重く響いた。 タブー視するばかりでは解決しない、そ...
犯罪の原因や、社会、福祉のあり方について、考えさせられた。 根本的な犯罪の予防という観点から、社会や福祉の受け皿など、法律や制度が追いついていない現状を垣間見ることができた。 塀の中のほうが暮らしやすい、というある受刑者の言葉は、重く響いた。 タブー視するばかりでは解決しない、その意味で、福祉や法律に関わろうと思う人には、知っていてもらいたい内容。
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