君が降る日 の商品レビュー
恋人に死なれた女性と、恋人が死ぬ原因を作った男との話。 近づけば近づくほど消耗し、空っぽになるという感覚というものは、一体どんなものなのか。 一般的に対比とされているものは実は紙一重で、場合によっては同一の意味を持つのだろうか、と思うくらいに重くて難しかった。
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収録作品 ●君が降る日 ‐長き夜の章 ‐浅き春の章 ●冬の動物園 ●野ばら 君が降る日は、死をテーマにした作品だけど、 最近世の中に溢れている、お涙頂戴のチープな小説とは 一線を画す作品。 こういう空気好き。 短編集かと思って読んでいて、 長き夜~浅き春を読み、繫がっていたので、 この本全部を通して、短編っぽい長編小説なのかと思っていたら、 やっぱり短編で、冬の動物園ではちょっと戸惑ってしまった。 短編だとしたら、浅き春の章は、もうちょっと余韻があったら良かったなぁ。 野ばらは出てくる人物が好きじゃなかったので、他の作品と比べるとイマイチでした。 でも島本理生の作品はやさしくて、ほんわり読めるので、 基本好きだな。
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3つの「失う」ことがテーマの短編集。 表題作の『君が降る日』。 「死」は非日常的で特別なことではなく、 あくまでも日常の一部で誰にでも起こりうるということ。 たとえ亡くなったのがどれほど大切で大好きな恋人であったとしても その人がいなくなった後も、人はそれぞれ自分に残され...
3つの「失う」ことがテーマの短編集。 表題作の『君が降る日』。 「死」は非日常的で特別なことではなく、 あくまでも日常の一部で誰にでも起こりうるということ。 たとえ亡くなったのがどれほど大切で大好きな恋人であったとしても その人がいなくなった後も、人はそれぞれ自分に残された人生を生きていく。 それは残酷なことでもなく当たり前のこと。 切なくて狂おしくて、もどかしくて苦しかった。 印象に残ったのは最後の『野ばら』。 思春期の甘酸っぱさや切なさや痛みがすごく伝わる。 なんていうか、友達以上恋人未満って、切ない。
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島本理生にしか書けない作品。 繊細な言葉使い、触れる消えてしまいそうな感情表現、とにかくはかなくて美しい。 本題でもある君が降る日。 最初から泣きそうになるのも彼女の作品な特徴のひとつ。絶望的に哀しくなることが書いてあるわけじゃないのにその独特の雰囲気が哀しくなる。 冬...
島本理生にしか書けない作品。 繊細な言葉使い、触れる消えてしまいそうな感情表現、とにかくはかなくて美しい。 本題でもある君が降る日。 最初から泣きそうになるのも彼女の作品な特徴のひとつ。絶望的に哀しくなることが書いてあるわけじゃないのにその独特の雰囲気が哀しくなる。 冬の動物園、野ばらも素敵な作品。とくに冬の動物園の森谷くんはよかった。どちらの作品も涙がでる。島本理生の書くことばが綺麗すぎて、優しすぎて。 すばらしい作品。 ナラタージュや波打ち際の蛍と同じくらい好きです
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島本理生の書く人ってみんな似てる気がする。今回の主役二人、ナラタージュの主人公と相手役にすごくイメージがかぶった。モデルがいるのかなーとか勘ぐってしまう。登場人物が魅力的じゃないのかなぁ。だから話に集中できなくて、あまり記憶に残らない本だった。二本目は読んでない。冒頭一本目の続き...
島本理生の書く人ってみんな似てる気がする。今回の主役二人、ナラタージュの主人公と相手役にすごくイメージがかぶった。モデルがいるのかなーとか勘ぐってしまう。登場人物が魅力的じゃないのかなぁ。だから話に集中できなくて、あまり記憶に残らない本だった。二本目は読んでない。冒頭一本目の続きだと思って読み始めてしまって、違う話だと気づいた時すごく萎えたから。
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連作を1作含む短編集。 表題の「君が降る日」は、最初こそ面白くて 「こんなに面白い本に出会うのは久しぶり!」と 一気に読みましたが、途中から信じられないくらい つまらない展開に。最も嫌いな展開になって行ったので 本当に残念な作品でした。 「冬の動物園」「野ばら」は、面白かったです...
連作を1作含む短編集。 表題の「君が降る日」は、最初こそ面白くて 「こんなに面白い本に出会うのは久しぶり!」と 一気に読みましたが、途中から信じられないくらい つまらない展開に。最も嫌いな展開になって行ったので 本当に残念な作品でした。 「冬の動物園」「野ばら」は、面白かったです。 野ばらを読んで感じた事は、 男女間に友情は成立しないと言う事。 自分と相手の気持ちに気付かないなんてばかだなぁ…と ほんのちょっぴり物悲しくなりました。
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※このレビューにはネタバレを含みます
「君が降る日」「冬の動物園」「野ばら」の3編。恋人の死と、その原因となった彼、五十嵐の存在を通して描かれる「君が降る日」は、息も詰まるような閉塞感に満ちている。彼のせいではないと何度も自分に言い聞かせ、それでも責める気持ちを捨て去ることができず、長いトンネルの中を彷徨い続ける。そして、また、彼の中にも、暗く、底の深い真っ暗闇を見る。 ラストシーン。外側から奪われたと思っていた未来にも、実は「ふたり」はいなかったのだと気づく場面では胸が押しつぶされそうになった。 それでも、やはり、このずーんとした重さ、しんしんと積もる切なさは島本作品の真骨頂だなあ。 他2篇は、「君が降る日」の後に読むと、ずいぶん軽く感じたり、「野ばら」の深雪の行動に嫌悪感を感じてしまったり、で、あまり響かなかった。
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タイトルを含む短編3作品。難しい内容の恋愛ストーリーにチャレンジしていますねぇ。残念ながら「君が降る日」の詰めの甘さを感じました。どの作品も、次に踏み出す第一歩と言う内容なのですが、一番良かったなぁと思ったのが「野ばら」です。グッときました、はい。 ええと。恋愛の痛手を癒すには...
タイトルを含む短編3作品。難しい内容の恋愛ストーリーにチャレンジしていますねぇ。残念ながら「君が降る日」の詰めの甘さを感じました。どの作品も、次に踏み出す第一歩と言う内容なのですが、一番良かったなぁと思ったのが「野ばら」です。グッときました、はい。 ええと。恋愛の痛手を癒すには新しい恋しかないかな、と。
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島本作品の中でも、 特に好きな作品の一つ。 三篇が収録されていますが、 どれもそれぞれ切なくて、 でも違った味を出しています。 『野ばら』のラスト、 谷川俊太郎さんの詩がすごく効いていて、いい。
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110728 島本さんの話は高校生以来に読んだので、相変わらずの雰囲気だったけどなんだか懐かしかった。あんまり共感は出来ないんだけど嫌いじゃないんだよなぁ
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