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君が降る日 の商品レビュー

3.9

120件のお客様レビュー

  1. 5つ

    29

  2. 4つ

    45

  3. 3つ

    33

  4. 2つ

    5

  5. 1つ

    0

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2022/04/14

冬の動物園が好きでした。 五年も付き合った恋人と別れて初めて気づいたのは、二十四時間がどれほど長いかということだった。 今の私がまさにこれですね。 夜の時間を持て余し、休みの日も予定がなくなんとなく過ごすには長すぎて。 それがまた寂しい思いを募らせるのだ。 野ばらは読み終...

冬の動物園が好きでした。 五年も付き合った恋人と別れて初めて気づいたのは、二十四時間がどれほど長いかということだった。 今の私がまさにこれですね。 夜の時間を持て余し、休みの日も予定がなくなんとなく過ごすには長すぎて。 それがまた寂しい思いを募らせるのだ。 野ばらは読み終わった後にほろ苦さを感じた。 だけど友だちだからこそ終わらない関係でいられるとも考えられる。 恋人は別れたら他人になってしまう。 大学時代、一緒に授業を受けてテスト勉強をして、たくさんの時間を一緒に過ごした男の子から昨日急に電話がかかってきた。 その頃が懐かしくなるたわいもないものだけど、新しい生活と失恋で折れかけてる心を救ってくれた。 彼の存在に感謝しないといけない。

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2021/11/30
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

大学生の志保の恋人降ちゃんが事故で亡くなるところから物語が始まります。事故の時、車を運転していた五十嵐と志保、降ちゃんの家族がお互いに複雑な気持ちを抱えながら生活しているのが切なくなります。後味すっきりというお話ではありませんがそれぞれの心の葛藤が切なくて泣きたくなる作品です。

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2020/08/16

三編の短編集。 最後の野ばらの最後に胸がつかまれて、 先に読んだ話をなんだったかな?とど忘れしてしまうくらい、うっと心がぎゅうとなる話でした。

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2019/10/27

「君が降る日」 最初、恋人が死んだ話なのに、やけに淡々と薄い感じですすんでいくなぁ、と思ったが、しだいに引き込まれていった。引き込まれてから冒頭を読み返すとしっくりきた。これはナラタージュを読んだ時も同じ感覚を味わった。 ラストは淋しくて哀しくて切なかった。でも簡単に前に進むより...

「君が降る日」 最初、恋人が死んだ話なのに、やけに淡々と薄い感じですすんでいくなぁ、と思ったが、しだいに引き込まれていった。引き込まれてから冒頭を読み返すとしっくりきた。これはナラタージュを読んだ時も同じ感覚を味わった。 ラストは淋しくて哀しくて切なかった。でも簡単に前に進むよりは、きちんと恋人の死を受け止めるためにくぐらないといけない数々の感情か丁寧に描かれていて良かった。他の作品もだけど島本さんのはラストがぐっと来る。 「冬の動物園」 楽しんで読めた。森谷くんのキャラが良い。女の子慣れしてる男子や、二股しちゃう彼氏の性格を描くのが上手いなぁと思った。 それにしても「君が降る日」でもそうだけど、登場するお母さんが良い人。 「野ばら」 せつない。なんてことなく進んでいく話だと思ったら。谷川俊太郎の詩から数行ラストまで、なぜか読んでて涙が出た。ほんとにせつない。 詩をさがして読みました。良かった。

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2018/12/23

薄暗い色の恋愛短編集。恋人が事故死してしまった大学生の物語は、どうにもならないと分かっていてもこんな未来があったはずなのにという気持ちと現実との差を、それでも時間が過ぎて気持ちが変わっていく様子が描かれている。

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2018/09/07

それぞれの主人公がいまいち好きになれないんだけど、 どこか自分に似ている気がして複雑。 個人的にふわっと気持ちよくなったのが、 タイトルを見て、なんだかきれいだと思い、 開いて1文目を読んだとき。 文自体は普通だけど、タイトルからのつながりがすごくいい。 「降ちゃんはその日、...

それぞれの主人公がいまいち好きになれないんだけど、 どこか自分に似ている気がして複雑。 個人的にふわっと気持ちよくなったのが、 タイトルを見て、なんだかきれいだと思い、 開いて1文目を読んだとき。 文自体は普通だけど、タイトルからのつながりがすごくいい。 「降ちゃんはその日、大学の友人で一歳年上の五十嵐さんとレンタカーで千葉の海へ向かっていた」

Posted byブクログ

2018/06/23
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

「君が降る日」は、美しい表現に心打たれた。 人を想うことの哀しさがたくさん詰まっていて 時に苦しくなるような気もしたけれど、 そこは、表現の透明感、うつくしさに すーっとひっぱられて小さな灯りを 見つけたような読後感。 「野ばら」は秀逸。 まっすぐで、不器用な、若い感性が 静かに輝いている。 ものごとは、静かに、流れ落ちるように 時を運んでいく哀しみ。 作品のなかで紹介されている 谷川俊太郎さんの詩も とてもよかった。

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2017/09/18

表題作の「君が降る日」も良いけれど、「野ばら」が好き。そしてその中で一部引用されている谷川俊太郎さんの「あなたはそこに」がとても素敵で思わず探してその詩を読んだ。そしてこの詩に出会わせてくれてありがとうと思った。

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2017/04/05

好きだった人を思い続けている時間。 立ち直って成長したっていう話じゃなくて、思い続けながら変化していく感情を繊細に書いた作品。 島本さんのとても優しくて、心に寄り添う文章が胸にジンときます。

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2017/01/29
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

『ナラタージュ』の作家だけど、むっちゃそれっぽい! なんでこの人の書く物語は、「好きで好きでしょうがないのに、どうにもならない」ものが多いんだろう。表題作といい、「野ばら」といい。(ちなみに「野ばら」のメインは主人公を想う男の子の気持ちだと思う) そういうのが確かにうまいんだけど、個人的には「冬の動物園」が好き。失恋して年下の男の子につきまとわれる(?)のが可愛らしいじゃないさ。

Posted byブクログ