生きてるだけで、愛。 の商品レビュー
”あたしはもう一生、誰にわかられなくったっていいから、あんたにこの光景の五千分の一秒を覚えてもらいたい。” 再読
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頭のおかしさが半端なくて笑えてくる 寧子の行動はいちいち伝説だ それでも社会にどうにかして馴染もうとして 一方ではネットに鬱をぶちまけている もしかしたらこれは昔の私なのかも いや、今の私なのかもしれない(ここまでしないけど) それでもうんうんと受け止めてくれる津奈木がいるだけで...
頭のおかしさが半端なくて笑えてくる 寧子の行動はいちいち伝説だ それでも社会にどうにかして馴染もうとして 一方ではネットに鬱をぶちまけている もしかしたらこれは昔の私なのかも いや、今の私なのかもしれない(ここまでしないけど) それでもうんうんと受け止めてくれる津奈木がいるだけで生きてる意味がある たとえ社会に馴染めなくてもたった一人のかくこたる愛があれば生きていける
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鬱と躁をくり返す寧子。自分で制御出来ない心の不安定さが苦しい。味のない男、津奈木との関係は愛というのかな。五千分の一秒繋がった感覚ってどんなだろう。
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さすが本谷さん。軽快に残酷。笑えるところも、リアルすぎて笑えない。 オーナーのお母さんの、真綿で首を絞める優しさ残酷さが読んでいて苦しかった。 この人たちなら自分を認めてくれるかな?(結局、寧子としては錯覚なんだけど)と思いかけた直後の、自分の些細な不安を共有できない現実。寧子...
さすが本谷さん。軽快に残酷。笑えるところも、リアルすぎて笑えない。 オーナーのお母さんの、真綿で首を絞める優しさ残酷さが読んでいて苦しかった。 この人たちなら自分を認めてくれるかな?(結局、寧子としては錯覚なんだけど)と思いかけた直後の、自分の些細な不安を共有できない現実。寧子は全身で迎え入れてほしいんだよね。全部受け止めてほしいんだよね。だから最後は服を脱ぎ、全裸になってたのかな。 そういえば、津奈木と寧子、五千分の一で繋がるとき、高確率で寧子吐いてるよね。なんでだろう。 寧子が双極性障害だとしたら、津奈木なんか理想の相手だと思うなあ。スルースキル高いし。 寧子の名前も、彼女のキャラクターとは真逆で、小細工だとしたら本谷さん意地悪だなあ。
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受賞記念再読2016/01/20 一緒に疲れてほしいという主人公の恋愛欲求 付き合うとは、互いの願いをぶつけ、ぶつけずにいること?
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ときに自分に突き刺さるストレートな表現があるから本谷有希子の作品がすき。 わかりたい、わかってほしいという感情は厄介で、人も自分も100%わかることなんてできない。でもやはり私たちは誰かにわかってほしいし、つながっていたいんだろう。もう一度読みたい、自分の心と向き合うヒントにし...
ときに自分に突き刺さるストレートな表現があるから本谷有希子の作品がすき。 わかりたい、わかってほしいという感情は厄介で、人も自分も100%わかることなんてできない。でもやはり私たちは誰かにわかってほしいし、つながっていたいんだろう。もう一度読みたい、自分の心と向き合うヒントにしたい小説だ。
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誰かと繋がりたくて、誰かに自分を分かってもらいたくて、だけど自分ですら自分がよく分かっていなくて、どうしようもなくて奇行に走ってしまう寧子に胸が苦しくなった。一見とんでもない女・寧子の「いいなあ津奈木。あたしと別れられて、いいなあ」という心からの悲鳴に心揺さぶられ、こういった感...
誰かと繋がりたくて、誰かに自分を分かってもらいたくて、だけど自分ですら自分がよく分かっていなくて、どうしようもなくて奇行に走ってしまう寧子に胸が苦しくなった。一見とんでもない女・寧子の「いいなあ津奈木。あたしと別れられて、いいなあ」という心からの悲鳴に心揺さぶられ、こういった感情って多かれ少なかれたくさんの人が持っているのでは、と思う。ただその折り合いを上手くつけられるかどうか、その器用さの違いだけなのかなぁ、と。
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もっちんの持ち味であるクレイジーな女の子が、クレイジーさでもやもやに立ち向かうだけでなく、今回は迂回しながら恋愛をする! 笑って感動。 「死ねヤリマン」→「死ねマン」 妥協におっぱいがついて歩いてるみたいなところ 「もしあたしがあなただったらつまんなすぎて今すぐ死ねますよ」 エ...
もっちんの持ち味であるクレイジーな女の子が、クレイジーさでもやもやに立ち向かうだけでなく、今回は迂回しながら恋愛をする! 笑って感動。 「死ねヤリマン」→「死ねマン」 妥協におっぱいがついて歩いてるみたいなところ 「もしあたしがあなただったらつまんなすぎて今すぐ死ねますよ」 エキセントリック子(略してエキ子) 「それよりこういう時って思いっきり走りたくなるんですけど」 なんだよ、たよって。 「あんたの味のなさ、あたしにちょうだい」 馬鹿みたいだったけど、あれが恋愛じゃなかったらあたしは恋愛を知らない。 あんたが別れたかったら別れてもいいけど、あたしはさ、あたしとは別れられないんだよね一生。 パルコ死ねパルコ死ね 「あたしはもう一生、誰に分かられなくったっていいから、あんたにこの光景の五千分の一秒を覚えてもらいたい」 「でもお前のこと、本当はちゃんと分かりたかったよ」 笑って泣ける。
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おもしろい、と云うと少し違う。だが読み終えた後の読了感はなぜか清々しい。 躁鬱である寧子と同居人の津奈木の。だいたいが激情の寧子に対し、あくまでも淡白な津奈木。最初、津奈木は寧子の相手に疲れているのかと思ったが、津奈木とはそういう男だった。自分を出さずには居られない寧子とは真逆で...
おもしろい、と云うと少し違う。だが読み終えた後の読了感はなぜか清々しい。 躁鬱である寧子と同居人の津奈木の。だいたいが激情の寧子に対し、あくまでも淡白な津奈木。最初、津奈木は寧子の相手に疲れているのかと思ったが、津奈木とはそういう男だった。自分を出さずには居られない寧子とは真逆で、自分を押し込めて主張しないことでバランスを取っている。 津奈木の元彼女安藤の、執拗な悪意。 ネットで好き勝手書かれる好奇心。 料理屋さんの母の、悪意ない善意。 たった1つ否定されただけで、怖くなる恐怖。 そのどれもが痛いほどわかる。特にウォシュレット怖くない、の下りの、なんとも云えない這い上がってくるような恐怖は、寧子の激情を駆り立てるのに充分だ。 自分はなぜ人と違うのか、なぜみんなが当たり前のようにできることができないのか、自分はみんなとは違う生き物なのではないか。 そうした不安を一番真逆である津奈木が居ることでぶつけられる。その度に苛立ちながらも、ひたすら寧子はぶつけ続け、津奈木は受け止めて行くのだろう。 激情が歩いているような文体でぐんぐんと読み進めてしまった。
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読むのが2度目だと冒頭を読んでから思い出しました。あの頃の感想とは少し変わっていたので、私が変化したのでしょう。 落ちるところまで落ちて落ちて、どうしようもない主人公だけど、誰でも似ている部分があって、自分は死んだほうがましだって考えたことがある人は多いと思います。 これが書かれ...
読むのが2度目だと冒頭を読んでから思い出しました。あの頃の感想とは少し変わっていたので、私が変化したのでしょう。 落ちるところまで落ちて落ちて、どうしようもない主人公だけど、誰でも似ている部分があって、自分は死んだほうがましだって考えたことがある人は多いと思います。 これが書かれた時も今も、似たような主人公が日本にはたくさんいるんじゃないかと思いました。私も朝が弱くて、早く寝ても上手く起きられれない時、私はたくさん寝ないといけない体だなとか、人生のほとんど寝てなきゃいけないだなということがショックでした。 主人公が仕事を続けられるようになったり、過眠症が治るわけでもないけれど、タイトル通り、『生きてるだけで、愛。』なんだということを、自分を愛することを知らない人に、わかりやすく多くの共感を持って伝える力がある作品だと思います。
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