ピース の商品レビュー

樋口有介【著】

2011/09/01

表紙に味がある。話のほうも語り口には味があるが、ミステリーとしては消化不良気味。ダミーの伏線に説明をつけないのはあえてだろうが、それを許容できるかは個人の資質による。帯には大層なことが書いてあるが”どんでん返し”らしきラストも肩透かし。
しかし事件の展開を追う描写（特に地理的な条件）については、個人的なことだが舞台が地元なので思いの外楽しく読めた。

2011/09/01

借りた本。「表紙をみてから読んでみて」とのアドバイスがあり、よく装丁を見てから読んでみた。連続猟奇殺人＆「ピース」と聞くとどうしても「模倣犯」を思い出してしまうが当然違います（笑）怪しい雰囲気を醸し出す主人公の若い男は「当然犯人じゃないだろう？」と思い読み進めましたが。。。ラストは「ん～。微妙だな。」という感想。ストーリーは、「なるほど！」と思わせるところもあるのですが、いかんせん動機と犯行の残虐さがマッチしないような気がして、ちょっと納得できない。あと主人公の過去とか女性記者との性交描写とか必要なのかなあ。それなら、ラストをもう少し説明入れた方がいいような気がするけど。これは好みかな。

2011/08/28

個人的には消化不良・・・

テーマにはなんとなく共感できる
登場人物の一人一人の存在感もある
構成も悪くない

でも
ひとつひとつが浅い・・・かな
あとは読み手が考えろというには
ひとつふたつ足りない気がする・・・

2011/10/17

・・・・。

マインドコントロール落ち。

謎がとてもたくさん散りばめられていて、「いつ回収するんだろ？」と思いながら、ぐいぐい読み進めていくわけです。読み落としが無いように集中が必要なので、文体悪くないしもなかだるみも無い割に体力がいります。それでも技術的にも、展開的にも良作だと思います。ただ、好みじゃないだけで。

動機の子供たちの「ピース」も、当時の記憶がない個人的にはピンとこないからかな。事件の動機としてよく分かりませんでした、、、、

2011/08/27

POPにつられて購入。
結果、近頃の本はPOPや帯であおり過ぎだとおもいます…。
つられるほうが悪いんだろうけど！

全体に、たんたんとした文章だなあとおもいました。
ミステリーはクライマックスに向かうにつれ、物語にぐいぐい引き込まれていくあの盛り上がる感覚がすきなんですが、
なんだかさらっと流れてしまった感じです。

食べ物の描写がすてきです。野菜の匂いが伝わってきそう。

2011/08/27

たまたま８月の前半に読んだけど、内容的にちょうど旬の時期だった。埼玉の群馬県境近くの田舎町の実在の地名が出てきます。
文体も含めて、昭和で時が止まっている田舎町の感じが伝わってくる書き方なので、今時の文章に馴れてると少し読みにくいかも。
でも問題は、真相が完全に明らかにならないで終わってしまうところ。
想像はつくけど、最後中途半端にしてしまったのは、ちょっとなぁ…
例の少年の過去のダークサイドへの掘り下げ方も中途半端。

この本の別の楽しみ方としては、スナック「ラザロ」でちょくちょく登場するジュークボックスの選曲が、その場面場面で狙った選曲なんだろうか？微妙に面白かった。

2011/08/23

ちょっと人を殺す動機としては弱いかなと思ってしまう
青年の過去も案外あっさりだったし
ベテラン刑事のキャラは良かったんだけどね

2011/08/22

文庫化にあたり、書籍帯に記載された「意外な犯人、ラストのどんでん返し」の言葉。十分に注意して読んでいたのに、やっぱりその通りとなった。「ミスリードを誘われている」というのは分かるのに、それでも知らず知らずミスリードされる。この気持よさがこの作品の醍醐味なのかも。
個人的にしっくりきていない点もなくはないけれど、こういった仕掛けを楽しむのもミステリーの楽しさだとすると、この本は十分に楽しかったと思う。

2011/08/20

リアルタイムで日航機事故を知らないと、犯人の強い意図が理解できないかも。ミステリーの基本のような展開です。大人も子どもも悪ふざけは命取りになりますよ。

2011/08/19

なまりが面白かった。
最近の文庫の売り方の戦略として、何でもかんでも「どんでん返しもの」みたいなアオリをつけるやり方がちょっと節操がないかな、と思う。そういう風に書いとけば売れるんだろうけど、でもこの本の魅力は衝撃の結末とか不気味な意外な動機とかだけではないと自分は思った。