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ハーモニー の商品レビュー

4

172件のお客様レビュー

  1. 5つ

    47

  2. 4つ

    68

  3. 3つ

    31

  4. 2つ

    6

  5. 1つ

    1

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2024/04/14
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

近未来、体内にナノマシン的なものをインストールし寿命以外で死ぬことが無くなった世界。 そんな究極の幸福に包まれた世界でも自殺は絶えない。精神的な幸せとはなんだろう? ナノマシン的なものの作用で同一性が保たれているため、幸せなんて人それぞれじゃない?といった相対主義に逃げることもできない世界。 世界が選んだ幸福の形とは? もし般若心経をSF小説にしたら?的な作品で、幸福について考えさせられる作品です。

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2024/03/06

分からなかったよー難しかったよー。哲学的すぎるよー。これが哲学的なのかどうかも実の所分かってないよー。 21世紀後半、いまから約50年後のお話。 喜怒哀楽の意識を消失させるらしい。 消失させるとどうなるの?どうやって消失させるの?それって幸せなの? そして所々に挟み込まれるHTM...

分からなかったよー難しかったよー。哲学的すぎるよー。これが哲学的なのかどうかも実の所分かってないよー。 21世紀後半、いまから約50年後のお話。 喜怒哀楽の意識を消失させるらしい。 消失させるとどうなるの?どうやって消失させるの?それって幸せなの? そして所々に挟み込まれるHTMLのプログラム言語。 感情を失った21世紀後半の人達が、過去の人間の喜怒哀楽感情を理解できるように、特定のアプリを体内にインストールして読むと、この本の登場人物の感情を追体験しながら読めるということらしい。 難しくてほとんど理解できなかったけど、再読してみたい。もしかしたら次はもう少し理解できることがあるかもしれない。 分からないと放り投げるには勿体ないような気がしてる。

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2024/01/02

初めて読んだSF作品。 SFを読むにはまだまだ自分の創造力が低いので ハーモニーの映像作品も2回観て補完しながら 読みました。 伊藤計劃さんの他の作品も読みたいし、 もっともっといろいろな作品に触れてから また再読したいと思いました。

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2023/08/15

普段SFものはあまり読まないのですが、カリスマ的存在の「ミァハ」の思想や、古代文明として語られる近代史のうんちくが面白くて、序盤から中盤まで読み進めていきました。半分ぐらい行ったところでだんだん冗長してきたと感じましたが、結末を知りたくて、何とか読了しました。 昨今の死を恐れすぎ...

普段SFものはあまり読まないのですが、カリスマ的存在の「ミァハ」の思想や、古代文明として語られる近代史のうんちくが面白くて、序盤から中盤まで読み進めていきました。半分ぐらい行ったところでだんだん冗長してきたと感じましたが、結末を知りたくて、何とか読了しました。 昨今の死を恐れすぎる社会、極端に清潔を求める社会と本作を照会しながら読むことで非常に考えさせられました。貴重な“資源”として扱われる生命。この世にヒトとして生まれることとは。意識とは。生命の尊厳とは。。全人類が考えるべき時代だと感じました。 (蛇足ですが、あと6分の1位内容をカットしてくれたら助かりました笑)

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2023/08/05

御冷ミァハという名前の女子高生が出てくるような小説をおじさんが読むのはしんどい。同じテーマでおっさん主人公で読みたかった。

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2023/07/13

私という意識がなくなった世界はどんな風なのだろう?いくら考えてみてもわからない。それは私に私という欲があるから。自分という存在が何より大切だから。 でもきっと意識がない世界はそんな欲にとらわれず皆が均一な平和な世界なのかもしれないなぁ~なんてことをこの欲にまみれた世界を眺めながら...

私という意識がなくなった世界はどんな風なのだろう?いくら考えてみてもわからない。それは私に私という欲があるから。自分という存在が何より大切だから。 でもきっと意識がない世界はそんな欲にとらわれず皆が均一な平和な世界なのかもしれないなぁ~なんてことをこの欲にまみれた世界を眺めながら思ってしまう。

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2023/04/08

内容さておきマークアップの構成っていうのが画期的だった。 全部この方式で良いんじゃないかな?って思うぐらい

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2023/01/23

ユートピアは実はディストピアでした系SFってそんな系統があるか知らんけども なかなか面白かったです(そしてたぶん読んだことあるな) まあやっぱり日本のSFを語りたかったら(まだ語りたいのか!)伊藤計劃さんは押さえておきたいよね それにしても知らん間に「SFは取っつきにくくない...

ユートピアは実はディストピアでした系SFってそんな系統があるか知らんけども なかなか面白かったです(そしてたぶん読んだことあるな) まあやっぱり日本のSFを語りたかったら(まだ語りたいのか!)伊藤計劃さんは押さえておきたいよね それにしても知らん間に「SFは取っつきにくくないとダメ」という閣議決定でもされてたんか!と思ってしまうほどの書き出し 世界の成り立ちを理解するのに物語の半分くらいかかってしまった 社会や文化、そこに住む人たちの常識みたいなんが腑に落ちて、やっと面白味が生まれてきて時間が流れ始まる感じ そこまでは我慢が必要です、そして我慢には信頼が必要で考えてみるとSF好きってドMなのかも 痛みが喜びに変わるのは信頼関係だと何かで読んだ気がする SFを読むって行為は作者と読者の高度な信頼関係の上に成り立つSMプレイなのかも (どうしてもSM言いたかっただけのレビューやな)

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2023/01/05
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

【結末のネタバレあり】 巻末インタビューで著者が「敗北宣言」と述べているように、結論部分については、正直物足りなさが残るラストとなった。 個人的に一番気になったのが、ミァハという人物が、本当にこのような結論にいたるのだろうかという疑問である。 ストーリーではミァハは、生まれつき「意識」を持たない民族だったと明かされる。 そのため、全人類がミァハの民族のようになるだけと考えれば納得はできるのであろう。 しかし本当にそうと言えるのだろうか。 父のヌァザは、「社会と完璧なハーモニーを描くように価値体系が設定されている」と述べている。 つまり多様性の失われた、ひとつに価値観が統一された上での、意識の喪失ということになる。 このようなプログラムをミァハは肯定するのだろうか? 例えば、ミァハの一族がこの都市に住むか?と問われたとする。 はたして、全ての一族がここに住むことを選択するだろうか。 中には合理的な思考を経て、住まないという選択をする者が出る可能性も否めないはずだ。 人々から「迷い」を取り除いても、正解はひとつではないのだから。 他の例で考えると、無我の境地に達し、悟りを開いた僧侶たちが、この世界に訪れたとして、仏界(浄土)に辿り着いたと感じるのだろうか。 その場合も、ただロボットのようにプログラミングされた人々が暮らす都市を見て、憐れみとともに静かに通り過ぎるだけではないかと私は思う。 意識を失うということは、生き続ける意味も失うともいえるはずだ。 本来であれば(価値体系の設計がなければ)、食事を摂る意志を無くしそのまま餓死するものが現れる可能性だってあるのだ。 (WatcMeに感知されるだけだろうが) そのような観点から、この結末はミァハがたどり着くべき結論ではなかったような気がしてならない。 インターポールのヴァシロフは死の間際にこう言う「こいつが痛みってヤツなんだな。WatcMeとメディケアめ、人間の体にこんな感覚があるなんて、よく隠しおおせたもんだ。腹の立つ話だとは思えんかね。」 このような発想を持つ集団が、このような結末を望むのだろうか。 恐らく、もし著者に時間があれば、もっと時間をかけて結論を探すことができたのであろう。 しかし残念ながら著者に時間は残されていなかった。 著者による「敗北宣言」という言葉を聞くと、どうしても他の結末というものを考えてみたくなってしまう。 大変身勝手なこととは思いながらも、僭越ながら異なる結末というものを私なりに考えてみた。 以下が私個人としての結論案である。 ---------------------------------------------------------- ミァハは、自ら書いたプログラムにある細工を施していた。 プログラムが歌い出した瞬間、全ての人類に選択肢が示される。 社会とひとつになれば、全ての苦しみや恐怖から解放されます。 あなたは、あなたという意識を捨て、生命主義社会とひとつになって、生き続けていくことを承認しますか? Yes/No 生府の老人たちや、螺旋監察官たちは、想定していなかった事態に一瞬戸惑いはしたが、迷いなくYesを選択した。 (ウーヴェのようなものたちを除いて) 今回の事態に怖れを抱いていた者を中心に、医療社会に生きる多くの人類も、同様の選択をした。 そして、Noを選択した人類には、ミァハからのメッセージが示された。 「さあ生きて自由にハーモニーを奏でよう」 その後の社会では、紛争もまだ続いている、自殺だってその存在を消してはいない。 しかし、『空気』と呼ばれていたものは、もうそこには存在しない。 この社会では、お酒を飲んでいる者を見ても、誰も見向きもしない。 もちろん、司法は存在している。 殺人を犯せば罪に問われるように、飲酒が違法な地域や年齢では罪を償わされることになる。 しかし、空気という形で人々から自由を奪うことは、できなくなってしまった。 偏狭な生命主義者も、それを他者に押し付けるために必要な「意識」を失ってしまったのだから。

Posted byブクログ

2022/05/14

2008年頃に予測して描いたものと聞き驚いた。 戦争と細菌、ウィルス、正にその通りの世の中 コロナとロシアによるウクライナ侵攻 大災禍が現実にならないことを望みます。 作者の伊藤計劃さんが亡くなられていることを解説で知り、さらに驚き 他の作品も読みたい。

Posted byブクログ