ハーモニー の商品レビュー
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虐殺器官のその後。 人々はシステムによって常に健康であるよう管理されていた。 健康を害するからという理由で酒も煙草も禁制品になっていて、それを結構苦労しながら主人公が手に入れてこっそり楽しんでいたりするのがおもしろい。 そのシステムを逆手に取って主人公の友人ミァハが目指す、だれも意識をもたない世界。調和と恍惚の世界。 その計画は食い止められないけれど「だけどそれをあなたには、与えない」っていう主人公の台詞がとても好き。 でも生活に疲れていたり、人が由来の暗いニュースを見聞きすると意識なんて無いほうが幸せなんじゃないかとも思えて、ミァハの思想を否定できなかった。
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SFでオススメは、と検索すると、必ず出てくる作品。 信じられないくらい、わたしの大好きなところを突いている。 残念なのは、これが遺作ということ。 デビュー作はまだ予約が回ってこないので読めていないが、この作品がこれほどど真ん中に来るのだから、間違いなく楽しめるものだろう。 思考を制御するという発想は、『ターミナル・エクスペリメント』を思い出させ、双曲線は『逆転世界』を思い出させた。 やっぱり好きだな、SF。大好きだ。
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文中のタグ表記の意味を理解してしんみりします。 〈null〉わたし〈/null〉 と書かれた一頁を見て、自分でも予期せず嗚咽が漏れ出してしまいました。 「ユートピアの臨界点」。
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〈優しさは、対価としての優しさを要求する〉 定められた目標が極端で融通が利かないほど、弱い人間はそれを守りやすい。 だって、正しいことっていうのはいつだって凡庸で、曖昧で、繰り返し検証に耐えうる、つまらないことなんだから。 財布が使いこなせれば、貯金箱はいらないはずなのに...
〈優しさは、対価としての優しさを要求する〉 定められた目標が極端で融通が利かないほど、弱い人間はそれを守りやすい。 だって、正しいことっていうのはいつだって凡庸で、曖昧で、繰り返し検証に耐えうる、つまらないことなんだから。 財布が使いこなせれば、貯金箱はいらないはずなのにね
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はっきり言って面白くない。テーマはちょっとは気をひくものだが、ストーリーテーリングがひどすぎる。しかし、世間がもてはやすため読んでみたが、この作家はこの世にはいない、もう読まなくても済む、日本人は死者を持ち上げすぎではないのか。
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#哲学的ゾンビ問題への、ひとつの問いと回答。英語圏全滅、ぐらいのテンションだった前作の〈大災禍〉で意外なほど人類が生き残っていたように、ハーモニー世界が到来してもまだ、WatchMeに依存していない人類が世界人口の2割はいたはずで。そこに対立は生まれないのか。また、子供が将来WatchMeをインストールしてハーモニー世界に参加するとき、その怯えはどのように扱われるのか(イーガンの「ぼくになることを」のように?/SFマガジン追悼特集で飛浩隆が問うたのはこのことか?/そしてその怯えはもちろん、ぼくの怯えだ)。 (2009/06/26)
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「虐殺器官」の伊藤計劃の2冊目。やはりこの人は凄い。若くして故人となってしまったことが非常に悔やまれる作家である。
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ぼくは手始めに「ハーモニー」を読んだ。その文体はラノベのようだが、その中身は重厚なSFだった。ラノベのようだから一気読みしてしまった。攻殻機動隊の素子など押井守が描きそうな女性戦士を主人公に、ハードボイルドなSFかとおもいきやラストはなぜかスピルバーグ×キューブリックの「AI」を...
ぼくは手始めに「ハーモニー」を読んだ。その文体はラノベのようだが、その中身は重厚なSFだった。ラノベのようだから一気読みしてしまった。攻殻機動隊の素子など押井守が描きそうな女性戦士を主人公に、ハードボイルドなSFかとおもいきやラストはなぜかスピルバーグ×キューブリックの「AI」を想起してしまった。
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舞台は近未来、「WatchMe」と呼ばれる医療分子を体内に入れることで、人類は病気をほぼ完全に消滅させることに成功した。そして、健康を第一として互いを思いやるユートピアが誕生した。 そのユートピア内で、優しさを強要する社会に刃向かおうとして自殺を試みた女子高生3人のうちの1人、トァン視点で話が進む。自殺が失敗に終わり、彼女等が尊敬していたミァハを失い、プロトタイプとしてミァハを意識しながら生きているトァンに、突然世界を揺るがす事件が襲いかかる。 ミァハとは何者か、ユートピアの世界の歪み、トァンの選んだ決断を通して、自我とは、私とは何であるかを問いかけている。 文章内にはhtmlのようなもので感情や回想などの指定がなされているが、最後まで読むとわかるように、自我(意思)をなくした未来の人類が読んでいるという設定である。
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虐殺器官後の世界。 極端に振っているが、ありそうで怖い。 最後に求めるものハーモニクス、きこえはいいのだが、実際のところこんあ世の中は恐ろしい。
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