光 の商品レビュー
夜半に読み終えて、隣で寝ている夫の顔をしばし見つめてしまった。この人のどれだけの部分を私は知っているのだろう。私のどれだけの部分をこの人は知っているのだろう。
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犯罪小説というのか… 牧歌的な島の暮らしから始まるが、津波に襲われて村が壊滅してしまう。 生き残ったわずかな大人と、3人の子供達の運命。 特異な設定でスタートし、けっこうありそうな人間の愚かさや弱さも交えつつ、構成はがっちり。キャラクターの造形もしっかりしています。 あまり感じの...
犯罪小説というのか… 牧歌的な島の暮らしから始まるが、津波に襲われて村が壊滅してしまう。 生き残ったわずかな大人と、3人の子供達の運命。 特異な設定でスタートし、けっこうありそうな人間の愚かさや弱さも交えつつ、構成はがっちり。キャラクターの造形もしっかりしています。 あまり感じのいい人物がいないのが文学的?
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2009/09/27 これまでの、三浦しをんのイメ−ジと違いました。 人が死んだり、心の闇を語っているので、思い話だったけど面白かったです。 みんな多分表に出さなくても、心に闇の部分はあるのかな。 読み終わった直後、熱海に行ったので、海を見ながら津波について思い出しました。
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暴力には暴力で対抗するしかないのか? 少しでも暴力にからみとられた人は、そこから逃れられないのか? そんな事はない、と否定する人は偽善者か、真実を見抜けぬ愚か者か? 理不尽な夜が島から全てを奪い、生き残ったのは信之、美花、輔(たすく)、輔の父の洋一、灯台に住むじいさんだけ。 壮...
暴力には暴力で対抗するしかないのか? 少しでも暴力にからみとられた人は、そこから逃れられないのか? そんな事はない、と否定する人は偽善者か、真実を見抜けぬ愚か者か? 理不尽な夜が島から全てを奪い、生き残ったのは信之、美花、輔(たすく)、輔の父の洋一、灯台に住むじいさんだけ。 壮絶な過去は生き残った人々に暗い影を落とし続ける。 これでもか、これでもかと負の連鎖にはまる人の横で、きっと何事もなく平凡だけど幸せな毎日を過ごす人もいる。 いや、それもかりそめか?一皮剥けば人間は皆残酷な生き物なのだろうか? それでもなるべく暴力から遠い場所で、慎ましくも平穏に生きたいと願う私は、やはり甘い考えしかできないのだろうか。
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「私が語りはじめた〜」と同テイストの話。 怖かった。 月魚、風が~、仏果~が好きな人は作家読みも注意が必要。
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美浜島の津波で生き残った恋人関係にあった2人と虐待されていた友人とその父親のその後を描いた。津波であっという間に人生がめちゃくちゃにされてしまうこと。。。女の子はアイドルになり、男は家庭を持つ。しかしその友達から、美浜島で恋人を犯したのを見ていて脅されていたことによっまた殺人に至...
美浜島の津波で生き残った恋人関係にあった2人と虐待されていた友人とその父親のその後を描いた。津波であっという間に人生がめちゃくちゃにされてしまうこと。。。女の子はアイドルになり、男は家庭を持つ。しかしその友達から、美浜島で恋人を犯したのを見ていて脅されていたことによっまた殺人に至る。。。その男は友としてそれ以上に慕い、妻とも不倫関係。。結末は殺人はまだ発覚されないもののもとの暮らしに戻るんだけど。。。「明日」ってわからない。人生も、人格も、変わっちゃう可能性ってあるんだって思う、重い話だった。
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美浜島がチリ地震のよる津波で壊滅。生き残ったのは、信之、美花、輔(たすく)、輔の父、カメラマンの中山、燈台守の爺 信之と美花は神社で待ち合わせSEX、それをいつも覗いていた輔。輔は父から虐待されている。父と山中は海に出ていた。 自衛隊が来て死体を掘り起こす。行き先が決まる。各自バ...
美浜島がチリ地震のよる津波で壊滅。生き残ったのは、信之、美花、輔(たすく)、輔の父、カメラマンの中山、燈台守の爺 信之と美花は神社で待ち合わせSEX、それをいつも覗いていた輔。輔は父から虐待されている。父と山中は海に出ていた。 自衛隊が来て死体を掘り起こす。行き先が決まる。各自バラバラ。美花がいないのに信之が気がつく。 実花が山中にからみあっている。強姦されている思う。美花「そいつを殺して」と信之に言う。 山中を殺し崖から死体を捨てる。輔はそれを見ていた。靴を脱がして、他の崖に置いた。輔が靴を見ていたのを燈台守が見ていた 信之は結婚して、娘が一人。美花は女優になっていた。高校卒業の時に会いに行く。「川崎市役所に就職が決まった」 「信之に会うのはつらい」事務所には毎年、年賀状を送った。 輔は信之を探し、川崎市役所にいるのをポスターから発見。娘のお受験塾通いの時にナンパ。娘の塾の間に輔の部屋にきてからだをむさぼる。 ある日、その間に娘が変質者に襲われ、輔を尋ねるのをやめる。 輔の父が輔を見つけて、たかられる。燈台守の爺の遺書から、輔が山中を殺したと思っている。 女優になった美花を脅せと言われ、手紙を送ると、美花から相談されていた部屋に信之がやってきた。「おやじを殺してやる」 美花からの300万円は引き出しにしまい、自分の貯金を使う。父親に毎週、10万円渡すと酒びたりに。燈台守の手紙を探すが見つからない。 心不全で父親が死ぬ。葬式もせずに火葬。骨と骨壷を不燃ごみとして捨てる。 信之を死体処理用に同じアパートの部屋の床下に大きな穴をほっていた。輔を殺して埋める。石灰をつめて臭いはでない。 美花のマネージャーから電話。九段下のホテルで黒川信之で予約してある。チェックインして待っていると美花が来る。金を返す。かわりに抱く。 美花が部屋に来るたびに抱いた。昔に戻った。美花がこない。マネージャーがやってきて「いつまでいるんですか?」「あなただけじゃなんですよ」 男をあやつるのが美花はうまい。美花が来る「まだいたの」「出て行って」 「山中から東京に戻ったら、芸能事務所に紹介するからだかせてやっただけよ。あんたとするのと同じでしょ」 美花の為に二人も殺した信之。 二週間たっていた。会社には有休。家には出張。職場から人が来る、「捜索願を出したほうがいい」 戸籍で。夫が美浜島出身であることを聞く。輔は彼女に自分が帰ってこない場合、山中殺しと島での事を手紙に書いて、山中のネガと120万円、妻に送っていた 輔のアパートに行くと女がいた。手紙を送った本人だった。 自分の浮気相手は主人の知り合いで、主人もそれを知っていた。二週間行方不明の夫が帰ってきた。 理由は、300万円を取り返してきた。復職し、川崎市役所に通っている 美浜島の近くをフェリーが通るようになったので、家族三人で見に行く。 夫は、妻が殺人の証拠を持っているのを知らない、
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音もなく大波がやってきて、すべてを飲みこみどこかへ去っていってしまった。これまでに俺がしたことを。俺のなかに少しだけ残され、なんとか俺を支えてきた希望や期待や愛を。 (P.261)
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閉ざされた美しい島で、津波に襲われ生き残った少年2人と少女。 なにもかも泥に埋まり、その澱んだ泥の中で、たくさんのものを失くした彼らは、二十年後再び交錯しあう。 どこまでも、救いも無く、温度も低いままで淡々と進んでいくダークな世界。 輔の唯一つの“光”は信之で、信之の光は...
閉ざされた美しい島で、津波に襲われ生き残った少年2人と少女。 なにもかも泥に埋まり、その澱んだ泥の中で、たくさんのものを失くした彼らは、二十年後再び交錯しあう。 どこまでも、救いも無く、温度も低いままで淡々と進んでいくダークな世界。 輔の唯一つの“光”は信之で、信之の光は“美花”だけ。 それぞれが過去から抜け出せず、救いを求める光も一つしか持てず、何もかも壊れたままに進む物語・・ 内面もうまく描かれているし、十分な力を感じられるんだけれど、何かが足りないのが惜しい
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三浦しをんさんのエッセイはほとんど読みつくしたのですが、小説はこれが初めてです。 う〜ん、なんというかあのエッセイからは想像もつかない雰囲気の小説でちょっとびっくり。(三浦さんってもっと明るい感じの小説書く人だと思ってたので…) あらすじ等いっさい知らずに読み始めたのですが、『光...
三浦しをんさんのエッセイはほとんど読みつくしたのですが、小説はこれが初めてです。 う〜ん、なんというかあのエッセイからは想像もつかない雰囲気の小説でちょっとびっくり。(三浦さんってもっと明るい感じの小説書く人だと思ってたので…) あらすじ等いっさい知らずに読み始めたのですが、『光』というタイトルから連想されることのない暗い雰囲気が漂う小説でした。 「大災害」という突如降りかかった「暴力」から奇跡的に生き残った者たちの生き様を描く物語です。 最初から最後まで救いがありません。こういうタイプの小説は好みではないのですが、なぜだかこの小説はすんなり読めました。 登場人物に誰一人として共感できる人物がいませんでした。しかしなぜだか嫌になりませんでした。そういうところにこの作品の魅力があるのだと思います。 暗い雰囲気を纏う作品だけに『光』というタイトルが際立ち、これって作品にぴったりのタイトルだったのだな、と読後に感じました。 まあ、しかし、読み終わって一番最初に抱いた感想は単純に「こんな家族はイヤだ!!」でしたが(笑) …あとからじわじわと考えさせられる作品です。
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