日本語が亡びるとき の商品レビュー
幼少期、アメリカでずっと過ごしながらも、アメリカに馴染めずにいた筆者が、日本語とは何かということについて考えた一書。 なかなか要点をまとめて論理的に展開されてないので、ぐだぐだ感が否めないが、日本人が所謂national languageである日本語について考えるのにいい。 近頃...
幼少期、アメリカでずっと過ごしながらも、アメリカに馴染めずにいた筆者が、日本語とは何かということについて考えた一書。 なかなか要点をまとめて論理的に展開されてないので、ぐだぐだ感が否めないが、日本人が所謂national languageである日本語について考えるのにいい。 近頃、活字離れなどが進んでいるといわれているが、筆者の主張である書き言葉の本質は読むという行為にあり、人類の叡智を蓄積しつつそれを広めることであるということに則せば、活字離れとは人々が人類の叡智を蓄積することから遠のいていくことであると言える。 また、ばらばらな言葉で学問をすることが学問の本質に反しているとすれば、漱石などの知識人が苦労して翻訳などをして、今日苦労なく日本語でいろいろな学問をできることは実に皮肉なことである。 日本語だけを使い、日本語で考えるということは脳の思考停止なのである。 とすれば、普遍語である英語を使って学問をすることはやはり避けて通れないものなのかもしれない・・・。
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水村美苗『日本語が亡びるとき 英語の世紀の中で』を読む。 ソウル滞在二日目の夜、うまく寝つけなくて ネットで梅田望夫のブログ "My Life Between Silicon Valley and Japan"を読んでいて この著作が発表されたことを知った。...
水村美苗『日本語が亡びるとき 英語の世紀の中で』を読む。 ソウル滞在二日目の夜、うまく寝つけなくて ネットで梅田望夫のブログ "My Life Between Silicon Valley and Japan"を読んでいて この著作が発表されたことを知った。 真夜中だったが、その場でアマゾンに注文し、 東京に帰ってほどなく届けられた本を このところ少しずつ読んでいたのだ。 言語と社会と人間のあり方について 骨太な論が展開されていて読みごたえがある。 僕自身、認識を新たにした箇所がいくつもあった。 インターネットの出現により 英語の世紀に生きることになった私たちに 〈読まれるべき言葉〉としての日本語の 過去・現在・未来を考えさせる書である。 日本語は亡びる運命なのか。 それとも、生き延びることが可能か。 そして言語にとって真に生き延びるとは、 どんな条件を満たすことなのか。 水村の考えは明快かつ論理的である。 僕自身「二重言語者」として ときには他人より優位な立場に立つことを経験したり、 反対に日本と西洋のはざまで 言いようのない気持ちにとらわれることがある。 そして英語の世紀であるからこそ、 日本語をもう一度学び直す必要があると 危機を感じているひとりである。 それだけに水村が5年の歳月をかけて完成したこの著作は 感銘を覚えるだけでなく、 これまでとは異なる角度から 言語の問題の本質に迫る知的武器ともなった。 「日本の国語教育はまずは日本近代文学を読み継がせるのに 主眼を置くべきである」 「具体的には、翻訳や詩歌も含めた日本近代文学の古典を 次々と読ませる。 しかも、最初の一頁から最後の一頁まで読ませる」 水村の提案を、英語の世紀に逆行するものだと 早とちりしてはいけない。 梅田が自身のブログで提案したように、 水村の著作を議論の出発点とすることに僕も賛成である。 きょうは第一印象を記すにとどめるが、 この問題について本格的に考えてみることにする。 (文中敬称略)
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久々に、一気に近い感じで読んだ。思いのこもった力作であります。英語教育についての見解については、禿同。さらに日本文学の古典を読みたくなる。
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アンダーソンの『想像の共同体』の乱暴な誤読など、ことばを編むことを仕事にしている人とは思われない杜撰な文章です。
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昨年?かな話題になった本。その時に読みました。 違う言語に触れることで、日本語や日本がよく見えることは、海外駐在時にわかりました。 日本の教育への警鐘の一冊。 もう一回読んだら、レビューをきちんと書きます。 僕にとってはビジネス書なのですが、実は熱い本なので「志士のための本...
昨年?かな話題になった本。その時に読みました。 違う言語に触れることで、日本語や日本がよく見えることは、海外駐在時にわかりました。 日本の教育への警鐘の一冊。 もう一回読んだら、レビューをきちんと書きます。 僕にとってはビジネス書なのですが、実は熱い本なので「志士のための本」に分類。
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著者の主張には若干論理性の乏しさを感じたが、著者の経歴や実績がそれを補って、結果説得力のある意見としてまとまっている印象だった。 文学的知識がない自分には、読み切るのが割とキツかった。 今まで文学にあまり興味がなかったのだが、とりあえず夏目漱石くらいは呼んでおこうかなという気...
著者の主張には若干論理性の乏しさを感じたが、著者の経歴や実績がそれを補って、結果説得力のある意見としてまとまっている印象だった。 文学的知識がない自分には、読み切るのが割とキツかった。 今まで文学にあまり興味がなかったのだが、とりあえず夏目漱石くらいは呼んでおこうかなという気になった。
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・英語は既にデファクト. ・英語が大事.だからこそ日本語がとても大事. ・何かを考えるにはベースとなる言語をしっかり扱えないと知的生産性があがらない.
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外から日本語を見、そして様々な語学を学ぶ機会のあった人間の憂国語論になるのだろうか。まさしく「文豪」の描いた文学の真髄を見極めようと日本語を愛し、滅び行く美しい日本語を憂いているのだろうが…すみません、凡人にはイマイチ理解しきれない…っていうか、私は「文豪の文学」をいったいいくつ...
外から日本語を見、そして様々な語学を学ぶ機会のあった人間の憂国語論になるのだろうか。まさしく「文豪」の描いた文学の真髄を見極めようと日本語を愛し、滅び行く美しい日本語を憂いているのだろうが…すみません、凡人にはイマイチ理解しきれない…っていうか、私は「文豪の文学」をいったいいくつ読んだことがあるんだろう??まずそこから始めないとな〜orz
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日経新聞文化面で話題になっていたので読んでみたが、なかなかの力作であった。文芸作品の軽んじられ方は確かに宜なるかなと思った。 小説家の言語論という所も非常に興味深い。
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筆者のどうでもいい個人的な体験談がダラダラと全体の3分の1から半分くらいまで延々と続き、その後も個人的な感想や憶測を並べて、主張したいことを結論付ける。筆者の感覚に頼った、ほとんど論理的ではない話の展開と主張には、どうにもついていけませんでした。最後の教育に関する話は、確かに憂慮...
筆者のどうでもいい個人的な体験談がダラダラと全体の3分の1から半分くらいまで延々と続き、その後も個人的な感想や憶測を並べて、主張したいことを結論付ける。筆者の感覚に頼った、ほとんど論理的ではない話の展開と主張には、どうにもついていけませんでした。最後の教育に関する話は、確かに憂慮すべき現実の問題ではありますが、その対策方法は現実には実現不可能な単なる極論。 筆者の言いたいことを書くためには、必ず論理的に話を展開して主張せよ、とは私も思いませんが、ネガティブな話が多くて共感できる部分が非常に少なかった本です。 ただし、本書にもある通り、世の中、日本語で書かれた情報よりも、英語で書かれた情報の方が圧倒的に多いという事実と、グローバル化が進むことで地域性が消滅してしまう事実が言語にもあてはまることの2点に気づいておくことは重要だと思います。 この事実を知った上で、今後どう行動すると良いか、みんな考えましょう、ということが筆者の本当の趣旨?であれば、賛同しますが。。。
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