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日本語が亡びるとき の商品レビュー

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106件のお客様レビュー

  1. 5つ

    33

  2. 4つ

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  3. 3つ

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2011/10/16

「水村美苗さんの本は難しすぎて無理」と思う日本の若者は多いのではないでしょうか? 水村美苗さんは10歳でNYに行き、「英語」を拒否しつつsも、その後20年もNYで過ごした人。 「日本語」と「英語」を母国語と同様に使いながらも、あえて「日本語」を母語としてコダワリぬく偏執狂的かつ鋭...

「水村美苗さんの本は難しすぎて無理」と思う日本の若者は多いのではないでしょうか? 水村美苗さんは10歳でNYに行き、「英語」を拒否しつつsも、その後20年もNYで過ごした人。 「日本語」と「英語」を母国語と同様に使いながらも、あえて「日本語」を母語としてコダワリぬく偏執狂的かつ鋭敏な感性はスゴイです。 この本はそんな水村さんの「日本語」をめぐる体験を綴ったもの。意外と読みやすい。特に1章の、世界の小説家が集まるキャンプに参加したときの、他の国々の作家さんとの交流のところは面白いですよ。 英語が公用語化する時代、この本、日本人として一度は読んでおいたらよいかも、と思いました。 小林秀雄賞受賞しています。

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2011/10/14

英語の時代ですよ、という単純な話でなく歴史を交えた「ことば」論。叡知を求める人がみな英語でものを考え、発信する時代になりつつある。学問できることばでなくなったら日本語は終わる。英語教育はもちろん重視(ただしエリート養成、自分で)国語教育こそしっかりと、という主張。最後の提案はとも...

英語の時代ですよ、という単純な話でなく歴史を交えた「ことば」論。叡知を求める人がみな英語でものを考え、発信する時代になりつつある。学問できることばでなくなったら日本語は終わる。英語教育はもちろん重視(ただしエリート養成、自分で)国語教育こそしっかりと、という主張。最後の提案はともかく、はじめの個人的体験と「ことば」論へのくだりはとても面白く読めた。さあどういう教育を子どもにしようか…

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2012/05/29

そういえば個人的には、今の現代日本文学(そんなもんあるのかな)は殆ど読む気がしなくて、今でも読みたいのは近代日本文学(なんとなく戦前まで)ばかりであるのだった。果たして読む価値がある日本語の作品とはどうやって決まるのか。 著者の持つ情報と体験と感情が、愛する日本語を護ろうとする焦...

そういえば個人的には、今の現代日本文学(そんなもんあるのかな)は殆ど読む気がしなくて、今でも読みたいのは近代日本文学(なんとなく戦前まで)ばかりであるのだった。果たして読む価値がある日本語の作品とはどうやって決まるのか。 著者の持つ情報と体験と感情が、愛する日本語を護ろうとする焦燥感で包まれた一冊。章によって内容の重みにムラがあるかもしれない。「お煎餅を食べながら小説を読む怠惰な日本人」という言い回しが3回くらいでてきた。わたくしはそんなことしません。

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2011/09/17

このままでは日本語は亡んでゆく、 でも今ならまだ間に合うかもしれない、と筆者は主張している。 この流れは数年単位で起こるものではなくで、もっと永い期間での話なので、実感をすることは難しいが、過去の100年の流れをみると、確かに日本語が改造され、挙げ句の果てに淘汰され亡びるという...

このままでは日本語は亡んでゆく、 でも今ならまだ間に合うかもしれない、と筆者は主張している。 この流れは数年単位で起こるものではなくで、もっと永い期間での話なので、実感をすることは難しいが、過去の100年の流れをみると、確かに日本語が改造され、挙げ句の果てに淘汰され亡びるというのも大袈裟なことではないと思った。 同じ日本で100年前に書かれたもの読むことができない現実、その意味。近代文学で使われる旧仮名遣いの文章にどこか温かみがあり情景を想起させてくれるように感じるのは何故か。 「日本語で読み書きする」ということがどういう意味をもつのか、考えざるを得ない作品だった。 日本近代文学と分類される「すばらしい」作品たちをきちんと読んでおきたいという気持ちをもった。

Posted byブクログ

2011/09/25

仕事柄、英語の必要性・重要性は身に染みて感じている。 だからこそ母語である日本語で「考える」ことを大事にしたい。あらためて、そう感じさせてくれる一冊である。

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2011/08/18

前半の、小説家らしい実体験に基づく日本語への考察がすごく面白い。後半ではかなり主観的でヒステリック的な日本語擁護論になってしまって、残念。

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2011/07/03

グローバル化が、日本語を亡ぼす要因になるか。13歳以降、アメリカに渡った、著者自身の体験談から語られる言語論。本書では、日本語を「普遍語」、「国語」、「現地語」の三種類に位置づけ、「国民国家」と「言語」の関係性について論を展開する。とりわけ日本語の基礎は、日本近代文学にあるという...

グローバル化が、日本語を亡ぼす要因になるか。13歳以降、アメリカに渡った、著者自身の体験談から語られる言語論。本書では、日本語を「普遍語」、「国語」、「現地語」の三種類に位置づけ、「国民国家」と「言語」の関係性について論を展開する。とりわけ日本語の基礎は、日本近代文学にあるという著者の分析は読み応えがあり、夏目漱石を始め本書で語られる近代文学の評論は秀逸である。英語が普遍していく中、日本の小説家が日本語ではなく、英語を使って小説を書く時代が来るのかと、日本語の持つ意味が新たに問われている時代が迫っていることが非常に興味深く読めた。インターネットも浸透し、英語が「普遍語」になりつつあることも事実である。著者の英語教育に対する提言に加え、「書き言葉」と「読み言葉」としての日本語が抱える根本的な問題を含んでいる本書は、これからの言語論を語る上で欠かせない一冊と言えよう。

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2011/06/22

日本語の評価はステレオタイプなものが多い中でこの本は、言語のもつ意味合いをよく分析している。著者の水村さんは、著名な小説家であるが、流石に物書きの日本語が持つ魅力分析は素晴らしい。グローバル化の中で英語圏以外の全てが持つ自国言語の取り扱いはこれからの最大の課題であろう。今後、英語...

日本語の評価はステレオタイプなものが多い中でこの本は、言語のもつ意味合いをよく分析している。著者の水村さんは、著名な小説家であるが、流石に物書きの日本語が持つ魅力分析は素晴らしい。グローバル化の中で英語圏以外の全てが持つ自国言語の取り扱いはこれからの最大の課題であろう。今後、英語教育をどうするかを考える上では大切な問題提起である。ただ最後の英語は、エリートだけが徹底して使えるようにするべきで生半可に一般人に教えるべきではないという結論だけは賛成しかねる。人の力は、コミュニケーションから生まれるのであってある程度の英語力は個人の可能性を大きく広げるものであると思うからである。

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2011/09/03

ふうん。っていう感じですかね。良くも悪くもなく。ふうん。現代文の問題に使えそう。と、思わず思ってしまう。日本語が亡びるというか、英語に他の言語が押しやられていく中で、「日本」は日本語のために何もしていないのではないかといったような。英語に抵抗するのはもはや不可能でその中でどうして...

ふうん。っていう感じですかね。良くも悪くもなく。ふうん。現代文の問題に使えそう。と、思わず思ってしまう。日本語が亡びるというか、英語に他の言語が押しやられていく中で、「日本」は日本語のために何もしていないのではないかといったような。英語に抵抗するのはもはや不可能でその中でどうして行くのかを考えなきゃという感じかもしれません。文学。。。。

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2013/08/20

「日本語」をきちんとらえ、 情におぼれることなく、心の底からに考えきちんとした評論 読み手にも、それだけの(快い)緊張感を強いられる。 今、われわれは どれほど 日本文化のことを気にかけているだろう。 能、狂言、端唄、小唄、清元、浄瑠璃、歌舞伎、琵琶曲、 猿楽、祝詞、落語、文芸...

「日本語」をきちんとらえ、 情におぼれることなく、心の底からに考えきちんとした評論 読み手にも、それだけの(快い)緊張感を強いられる。 今、われわれは どれほど 日本文化のことを気にかけているだろう。 能、狂言、端唄、小唄、清元、浄瑠璃、歌舞伎、琵琶曲、 猿楽、祝詞、落語、文芸……… 今、われわれは どれほど 自分の耳で、目で、頭で 直接 「日本語」をとらえているだろう 「言葉」の背後に横たわる 連綿とした「文化」を改めて意識させられます

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