七つの海を照らす星 の商品レビュー
「・・・少しだけ不思議を残しておいた方が、全てを明らかにしてしまうより落ち着ける、そんな時もあるのかもしれません」 ほんとはね、主人公のキャラがどうしても好きになれなくて。 それは、かなり好みの問題。 それでも、物語の日常の謎っぷりだとか、 養護施設をバーンと脚光に浴びせさせ...
「・・・少しだけ不思議を残しておいた方が、全てを明らかにしてしまうより落ち着ける、そんな時もあるのかもしれません」 ほんとはね、主人公のキャラがどうしても好きになれなくて。 それは、かなり好みの問題。 それでも、物語の日常の謎っぷりだとか、 養護施設をバーンと脚光に浴びせさせたりだとか、 そういうのは、ホント凄いと思う!! そして何よりも、第7章の存在。 あそこで、まさか、全て綺麗にまとまってくるとは、、、 驚きました。 そして、そこまで来る、伏線など、お上手です。 七不思議と絡めて、ここまで来るのかーと。 海王さんの存在も素晴らしかったです。 こういう人がいたらいいな、もしかするといるのかもな。 と思わせてくれるのは、タイトルにもあるよう、星なのかもと思いました。 しかし、何が怖いって、七不思議とか、 そういうぞーーーっとするものなんかじゃなくって、 最後の選評ほど怖いものは、他にないって思えてしまうぐらい、 エラそうな選評です。大先生って凄いのねー。 【2/6読了・初読・市立図書館】
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児童養護施設が舞台と言う異色の日常の謎連作集。養護施設の説明など、すこし間延びする部分に目をつぶって読めば、ミステリーは十分練られたものなので楽しむことができた。最後の短編で題名の意味とやわらかい感じの読後感を味わえる。探偵役のキャラクターが固定しない理由がそこにあったのかいう...
児童養護施設が舞台と言う異色の日常の謎連作集。養護施設の説明など、すこし間延びする部分に目をつぶって読めば、ミステリーは十分練られたものなので楽しむことができた。最後の短編で題名の意味とやわらかい感じの読後感を味わえる。探偵役のキャラクターが固定しない理由がそこにあったのかいうのも合わせて理解。ただちょっと乱暴かもと言う感もなくはなかった。ただそれを補ってなお余る面白さは十分感じることができる。
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児童養護施設での不思議な謎を解く日常ミステリ いまいち登場人物に魅力が感じられないこととオチの納得感などが評価を下げるけど児童養護施設や児童虐待などを暗い視点だけでなく一般の観点から見ることが出来て興味深かった(主人公が児童養護施設の職員という設定)
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第十八回鮎川哲也賞受賞作。 続編の『アルバトロスは羽ばたかない』がよかったので読んでみた。 児童養護施設を舞台とした日常の謎系連作短編集で、ラストの表題作でそれまでの伏線を回収するという構成。 ミステリとしては小粒な印象だし、ちょっと偶然そろい過ぎのような感じがするが、文章がうま...
第十八回鮎川哲也賞受賞作。 続編の『アルバトロスは羽ばたかない』がよかったので読んでみた。 児童養護施設を舞台とした日常の謎系連作短編集で、ラストの表題作でそれまでの伏線を回収するという構成。 ミステリとしては小粒な印象だし、ちょっと偶然そろい過ぎのような感じがするが、文章がうまいし、それぞれ傷ついた子どもたちが謎が解けることによって希望を持って未来に向かっていくという読後感がいい。 やはりこの作者は好きです。
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児童養護施設「七海学園」で暮らす子供たちの悩みや学園に言い伝えられている不思議な謎に新人職員が向き合って行く。 なかなか面白かったけど、ちょっとオチには無理があるかな。 あと、主人公が子供たちや友人を「あんた」と呼ぶのがちょっと好きじゃなかったな
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児童養護施設・七海学園を舞台にした連作短編集。 個々の物語は、施設で暮らす子供たちの生活の中での日常の謎が描かれていているんだけれど、ミステリー云々というよりは、シビアになりすぎない優しい視点が好印象だった。 最後のびっくりもありだと思うし、回文は素直によくできてるなあ、と感心し...
児童養護施設・七海学園を舞台にした連作短編集。 個々の物語は、施設で暮らす子供たちの生活の中での日常の謎が描かれていているんだけれど、ミステリー云々というよりは、シビアになりすぎない優しい視点が好印象だった。 最後のびっくりもありだと思うし、回文は素直によくできてるなあ、と感心してしまった。
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児童養護施設が舞台なので、登場人物一人ひとりにドラマがあります。 それは重く厳しいものではありますが、全体に優しさが溢れており、読後感も良いものでした。 ミステリーの要素は薄味な印象ですが、どれもロジカルですし、小説としてのおもしろさと相成って楽しめました。
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新たな事件に不可思議な謎を投げかけていた。孤独な少女の心を支える“死から蘇った先輩”。非常階段の行き止まりから、夏の幻のように消えた新入生。女の子が六人揃うと、いるはずのない“七人目”が囁く暗闇のトンネル…七人の少女をめぐるそれぞれの謎は、“真実”の糸によってつながり、美しい円環...
新たな事件に不可思議な謎を投げかけていた。孤独な少女の心を支える“死から蘇った先輩”。非常階段の行き止まりから、夏の幻のように消えた新入生。女の子が六人揃うと、いるはずのない“七人目”が囁く暗闇のトンネル…七人の少女をめぐるそれぞれの謎は、“真実”の糸によってつながり、美しい円環を描いて、希望の物語となる。繊細な技巧が紡ぐ短編群が「大きな物語」を創り上げる、第十八回鮎川哲也賞受賞作。 《2010年12月25日 読了》
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七海学園は家庭の事情で家では暮らせない 子供たちが集まった児童養護施設。 ここで働く北沢春菜は子供たちに親しまれながら 七不思議を耳にするようになった。 「玲弥先輩の蘇り」「捕まえられない廃屋の幽霊」 「血文字の文子」「非常階段で消えた幻の新入生」 「開かずの門の浮き姫」「トンネ...
七海学園は家庭の事情で家では暮らせない 子供たちが集まった児童養護施設。 ここで働く北沢春菜は子供たちに親しまれながら 七不思議を耳にするようになった。 「玲弥先輩の蘇り」「捕まえられない廃屋の幽霊」 「血文字の文子」「非常階段で消えた幻の新入生」 「開かずの門の浮き姫」「トンネルで囁く暗闇の天使」 そして誰も知らない「七番目の不思議」。 実際にこうした現象が起きて子供たちが騒ぎ出すが 児童相談所の海王さんが鮮やかに解決してくれる。 装画:ヨシツギ 装丁:緒方修一 施設で繰り広げられる不思議、という謳い文句から 恩田陸みたいな話を想像していましたが もっと親しみやすい日常の謎の話でした。 施設ならではの問題や子供たちの力関係も織り込んだ上で 最終章で全ての伏線をきちんと回収しているのが凄い。 「もしミステリ小説だったら」という春菜の想像は そのまま読者への挑戦だと思います。 バカな女と思われているのか…
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児童養護施設「七海学園」で語られる「学園の七不思議」を6編の物語の中で紐解いてゆくお話し。 さまざまな事情から、養護施設で生活する少年少女の複雑な問題を絡め、養護施設の職員春菜と児童福祉司の海王さん、春菜の友人佳音の3人が、子どもたちの周りでおこる不思議な出来事を解決してゆく。 ...
児童養護施設「七海学園」で語られる「学園の七不思議」を6編の物語の中で紐解いてゆくお話し。 さまざまな事情から、養護施設で生活する少年少女の複雑な問題を絡め、養護施設の職員春菜と児童福祉司の海王さん、春菜の友人佳音の3人が、子どもたちの周りでおこる不思議な出来事を解決してゆく。 「今は亡き星の光も」玲弥先輩の蘇り 「滅びの指輪」捕まえられない廃屋の幽霊 「血文字の短冊」七夕飾りにあった「助けて」の文子の短冊 「夏期転住」非常階段で消えた幻の新入生 「裏庭」開かずの門の浮姫 「暗闇の天使」トンネルでささやく7人目の少女 「七つの海を照らす星」NONAKA KANONの秘密 ほんのり暖かくキレイに纏まって終わっているけれど、現実はもっと厳しいのかな…と少し切なくもなる。 「よかったね。」なんて軽々しく言えないけれど、みんなが当たり前の幸せを掴むことができますようにと祈らずにはいられない。 お名前を見たときに「あ、回文だ。」と思ったのだえけど、そこがそう繋がるとは…。なかなかやるなぁと思い、別の作品も読みたくなりました。
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