七つの海を照らす星 の商品レビュー
独立した6つのエピソード+最終章という構成。 少しずつ読んだのだが、最終章でAha体験を味わうには一気に読んだ方がよかったかもしれない。 よくも悪くもデビュー作らしさがある。作品の出来としては続編の『アルバトロスは羽ばたかない』の方がいいと思う。
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連作短編ミステリ。 本格に分類されるミステリかな。 物語の舞台は、「七海学園」という児童養護施設。家庭では暮らせない、様々な事情を持った子どもたちが共同生活を送っている。学園では「七不思議」と称される怪異が生徒たちの間で囁かれている。七不思議は、一本の糸によって?がっている!?...
連作短編ミステリ。 本格に分類されるミステリかな。 物語の舞台は、「七海学園」という児童養護施設。家庭では暮らせない、様々な事情を持った子どもたちが共同生活を送っている。学園では「七不思議」と称される怪異が生徒たちの間で囁かれている。七不思議は、一本の糸によって?がっている!? 七不思議の謎が一話ごとに一つずつ解明されていく。 ただ、解明しきれない謎もあり、それはそのまま残されていく。そして、エンディングを迎える最後の一話。それまで残されてきた全ての謎が解明される。一つに繫がり、希望の光を放つ。 それぞれの短編はそれ自体で完結する形になっているが、一つの謎が残る。そして、各編に残された謎は、最後の一編ですべて明らかになるというのは、私が大好きなパターン。 考えるのが相当大変だっただろうなと思わずにいられない凝った仕掛けだ。 壊れやすい繊細な子供たちを巧みに描きながら、ミステリとしての技巧も見事な連作短編だ。 ミステリ部分は設計図を書くことから始めたのではないかと思えるほど。丁寧に丹念に練りあげられている。 ただし、マイナス面もある。一編ごとのミステリはあまり良い出来ではない。平均的。それ以下かもしれない。 だから、各短編が繫がって大きな一つの物語になるパターンでなかったなら、この作品には平均以下の評価をしていただろう。 第十八回鮎川哲也賞受賞作。 ちなみに、私が一番好きな連作短編ミステリは連城 三紀彦 著『戻り川心中』。
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くくりとしては、日常の謎を解き明かすハートフルミステリ。 よく考えられて、お上手に描かれていると思います。 登場してくる少女たちが、すべてよりよい方向に進んでいく話ばかりなので、都合よすぎ?な感じも受けますが・・・、それはそれでいいのかなぁと思ったり。 ただ上手に描かれてい...
くくりとしては、日常の謎を解き明かすハートフルミステリ。 よく考えられて、お上手に描かれていると思います。 登場してくる少女たちが、すべてよりよい方向に進んでいく話ばかりなので、都合よすぎ?な感じも受けますが・・・、それはそれでいいのかなぁと思ったり。 ただ上手に描かれているなぁという感想を持っても、飛びぬけて面白い!と思わせられるものはなかったです。 そこここに、若竹さんや北村さんの影響を受けられた箇所が見受けられましたが、単なる真似ごとみたいに思えてしまい・・・。 正直後に残るようなエピソードはなかったです。 もしこれがミステリ小説だったら・・・云々の流れもわざとらしいかなぁ(あと回文ってそんなに必要だった??) こんなにいろいろ考えてるんですよーっていう意図が透けて見えて(辛口ですみません!)、読んでいてあんまりいい気もちにはならなかったかも。 ラストはもちょっとストレートに描いてもよかったような気がします(あくまで一個人の感想ですが)。 あ、でも主人公の春菜やその周りの人物たちのキャラクターは好みでした。子供たち、それぞれ個性的でかわいいなぁ。 いい子ばっかりじゃないんだけど、そこがまたかわいいんですよ。 (私は明と加奈子の関係に胸がキュンとしました!) ただホームズ役の海王さんだけがちょっと中途半端? お仕事的に難しいのかもしれないけれど、もうちょっと七海学園と関わらせた方がよかったような・・・。 毎回春菜から話を聞いて謎を解き明かすだけってのは、ややインパクトに欠けますね。 児童養護施設、という今まで書かれなかったフィールドをうまく描きだしたところにはただならぬ才能を感じますので、もし次回作を書かれるならば、これを超える作品にしていただきたいですね♪
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B++ 感動系の本を読みたかったから。衝動買い。 タイトルと表紙のイメージから、切なさ系の感動ものかと思いきや、読むとガチなミステリーだった。児童養護施設で織りなされる少し不思議な事件を解いていく日常系ミステリー。7つの連作。 当初の予想と違うせいで、最初は肩透かしを食らっ...
B++ 感動系の本を読みたかったから。衝動買い。 タイトルと表紙のイメージから、切なさ系の感動ものかと思いきや、読むとガチなミステリーだった。児童養護施設で織りなされる少し不思議な事件を解いていく日常系ミステリー。7つの連作。 当初の予想と違うせいで、最初は肩透かしを食らったが、程よい謎で、また養護施設という状況下での日常がよく描けていてて、初期の辻村を彷彿させる(全然違うけど)良い日常系だった。次回作以降も手を出してみたい。良い出来。 ただ、作者のPNは空回りしていると思うんですが・・・。
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様々な事情から、家庭では暮らせない子どもたちが生活する児童養護施設「七海学園」。 ここでは「学園七不思議」と称される怪異が生徒たちの間で言い伝えられ、今でも学園で起きる新たな事件に不可思議な謎を投げかけていた。 七人の少女をめぐるそれぞれの謎は、“真実”の糸によってつながり、美し...
様々な事情から、家庭では暮らせない子どもたちが生活する児童養護施設「七海学園」。 ここでは「学園七不思議」と称される怪異が生徒たちの間で言い伝えられ、今でも学園で起きる新たな事件に不可思議な謎を投げかけていた。 七人の少女をめぐるそれぞれの謎は、“真実”の糸によってつながり、美しい円弧を描いて、希望の物語となる。 第18回鮎川哲也賞受賞作品。 連作短編の形式で、最後に真実があきらかになっています。 どの章でも不思議が解明されているのですが、そこはかとない違和感を感じていました。 それが最終章で「そういうことだったのか」と納得。 なのですが、その真実というものがうまく隠されすぎていて、明らかになってもそこまで驚けなかったのが残念。 そこが一番の大きな謎であったと気がつかなかったのですよね。 でもとても巧い構成だと思います。 学園といっても学校ではなく、児童たちが暮らしている施設であるということ。 児童養護施設の児童指導員と児童相談所の児童福祉士とが違うことや、子供たちを保護するしくみなどなど、そのあたりがすんなり理解できました。 とてもよく取材をされて描かれているんだろうなぁ。 好感がもてました。
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おもしろかった。短編を読むつもりが一気に一冊読んでしまった。 最後の一話ですべてがつながっててすべてがすっきり治まったって感じました。 回文も含めて よくできた物語だなあと感動です。 次の話も読みたいです。
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だめだ・・・。 話の盛り上がりがわからない。 個々の6つの話が7つ目の話で「えっ!そうだったんだ!!」で纏まるんですが、それが無かったら・・・。
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第18回鮎川哲也賞受賞作。児童擁護施設七海学園で起きる七不思議に纏わる謎を描いた「日常の謎」系連作短編集。児童擁護施設を舞台とし、重いテーマを扱いながらも、謎解きが希望や救いとなり、過去や境遇に負けることなく立ち向かっていく登場人物たちの姿が描かれる。各エピソードの伏線がひとつと...
第18回鮎川哲也賞受賞作。児童擁護施設七海学園で起きる七不思議に纏わる謎を描いた「日常の謎」系連作短編集。児童擁護施設を舞台とし、重いテーマを扱いながらも、謎解きが希望や救いとなり、過去や境遇に負けることなく立ち向かっていく登場人物たちの姿が描かれる。各エピソードの伏線がひとつとなり、ラストで明かされる真相も希望へと繋がるものであったのも良かった。お気に入りは「滅びの指輪」。
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鮎川哲也賞(2008/18回) (収録作品)今は亡き星の光も/滅びの指輪/血文字の短冊/夏期転住/裏庭/暗闇の天使/七つの海を照らす星
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児童養護施設を舞台にした、日常の謎連作ミステリ。テーマの「七不思議」に惹かれました。ややファンタジックで爽やかでほんわかしているのだけれど、現実の難しさや厳しさもきっちり織り込まれ、バランスの良い作品だと思います。現実は厳しいものだと分かるけれど、児童養護施設にいる子が必ずしも不...
児童養護施設を舞台にした、日常の謎連作ミステリ。テーマの「七不思議」に惹かれました。ややファンタジックで爽やかでほんわかしているのだけれど、現実の難しさや厳しさもきっちり織り込まれ、バランスの良い作品だと思います。現実は厳しいものだと分かるけれど、児童養護施設にいる子が必ずしも不幸ってわけじゃないものね。少なくともこの七海学園の雰囲気は抜群に良いです。 もちろん謎解きもしっかり。お気に入りは「滅びの指輪」。少しぞくりとするこのラストが大好きです。怖いなあ……。そして、全体を通してラストへと繋がる、連作としての部分も見事でした。伏線はあったけど、気づきませんでした。
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