先生、シマリスがヘビの頭をかじっています! の商品レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
感想:とりあえずネズミはかわいい。かわいいったらありゃしない。 ☆気になったところ☆ 駅前広場にヤギを放しませんか? 街は人が作った加工品でおおわれている。そんな街の中に人々はわざわざお金をかけスペースを割いて(動かない)動物たちを生息させている。そしてそれらの動物たちのほとんどは草食動物である。これは人間がサバンナのような環境を好むこと水場や草原で休息している水鳥やシカなどの草食動物がいるほうが快さが増すことによる。人は草食動物を見ていたいのである。 また、リラックスする場所である美容店には植物が多く、アドレナリン濃度を上げて戦う場所であるパチンコ店には植物が全く見られなかった。 ところで肉食動物を生息させている場所もある。それは神社である。神社の中には、ライオン(獅子)やキツネ、ヘビ、竜、シャチ(鯱)といった肉食動物が目を光らせている。 人の祖先は、狩猟生活を送る中で危険な場所や動物をよく知っていた。そういう場所や対象に恐れを抱き警戒するように世代を超えて語り継いでいったと予想される。また同時に人々はそういった危険の対象を大きな力を持った存在として崇め、なだめ、逆に自分たちを守ってくれるような存在として味方につけるような努力もした。 神社とはそういった危険な場所や動物、その背後の大きな力(神)に注意し、敬い崇める心理が生み出した場所ではないかと筆者は考えている。 また、神社に祭られた動物は畏れの心理を解放させる働きもあるのかもしれない。 鳥居や石に刻まれた文字などに赤が用いられることが多いのも、赤が人にとって緊張の色だからである。 駅前に残された“ニオイづけ”はタヌキの溜め糞? 若い男性は大人社会に自分の存在を受け入れてもらい、異性に自分の魅力をアピールしなければならない時期である。駅前や人が多く集まる場所にある落書きは若者が自分の存在を誇示する競争心の表れである。 1万円札をプレゼントしてくれたアカネズミ 小さなアカネズミの子供がかごに穴をあけて脱走した。筆者はすぐに罠を仕掛けたが、体重が軽すぎて罠にはかからず餌だけを食べていた。せっせとおいしい餌を与えてネズミを太らせること半月、ネズミはとうとう罠にかかった。 数日後、筆者が糞や餌の破片を始末するために掃除機をかけていたところ、かじられた封筒が出てきて中には1万円が入っていた!その子供のネズミが引出しから引っ張り出して巣材にしようとしたのだろう。 自分で主人を選んだイヌとネコ ケンというイヌが出てくる。このケンは明らかに自分の意志で主人を選んだイヌである。集団性の強い犬のような動物にとって、大きな信頼感や幸福感を与えてくれる主人を選ぼうと必死になるのは十分考えられることである。 また、イヌは"芝居″をする。最近の研究によって人間の知能に類似した動物における認知や行動の存在が明らかになってきた。イヌが散歩に行きたくないときに足を引きずって足が痛いそぶりをしたり、カラスが餌を隠したところを見ないようにして仲間から餌を隠すこともある。 筆者の家にはレオというネコが居ついたことがあった。何日か筆者の家で過ごし、時々長期間の外出をするネコだった。だが、そのネコは野良ではなく、近くの家で飼われている飼い猫だった。レオの飼い主である家族が引っ越していったため、レオは戻ってこなかった。 これらのことは動物行動学の立場からはわかっている事実が少なすぎて解釈できない。動物学者たちはようやく追いつき始めているところなのだ。
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読書録「先生、シマリスがヘビの頭をかじっています!」4 著者 小林朋道 出版 築地書館 p104より引用 “野生動物は、できるだけ、彼ら本来の自然のなかで、人間とは 適度な距離を置いて生きてほしいという思いが強くなったからで ある。” 動物行動学者である著者による、人と自...
読書録「先生、シマリスがヘビの頭をかじっています!」4 著者 小林朋道 出版 築地書館 p104より引用 “野生動物は、できるだけ、彼ら本来の自然のなかで、人間とは 適度な距離を置いて生きてほしいという思いが強くなったからで ある。” 動物行動学者である著者による、人と自然の精神的つながりに ついて考え、その為の大学での研究や実習を記した一冊。 イノシシの捕獲から犬と猫の内面についてまで、実習風景の写 真などとともに書かれています。 上記の引用は、ヘビの頭を齧るシマリスの行動について書かれ た章での一文。動物に対しても人間に対しても、相手との適度な 距離を心がけるのが、良い関係を続けるコツのようです。 田んぼでコメを作ったりブラックバスを釣って食べたりと、何 とも楽しそうな実習のある学科です。 ーーーーー
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おもしろかった~ 動物好きには、たまりません! 作者は動物行動学を研究されている大学の先生。 難を一つだけ言えば、写真が白黒だったこと。 ここは頑張って カラー写真を載せていただきたかった!! 我が家のシマリス、「ころ」にも一度ヘビの抜け殻をプレゼントしてみたい。
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先生のこのシリーズの本を読むと、動物の意外な行動を知ることができてとても楽しいです。 ますます動物に対して興味を持つようになりました。
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タイトルから、大学生や院生の文章が綴られてると思ってたけど違ってた。 動物行動学研究者の小林朋道先生の著作。 動物への眼差しのやさしさと、そこからくる鋭い観察眼、ほんの少しの程よい自画自賛。 他作品も読みたい。
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著者は鳥取環境大学の人間動物行動学の先生です。 書名もユニークなら内容も実に面白い!! 人間も含めた動物の行動の不思議を楽しく読みながら、私たちを取り巻く自然環境の問題にまで及びます。 シリーズになっており、次々に楽しめます。 湘南OPAC : http://sopac.lib...
著者は鳥取環境大学の人間動物行動学の先生です。 書名もユニークなら内容も実に面白い!! 人間も含めた動物の行動の不思議を楽しく読みながら、私たちを取り巻く自然環境の問題にまで及びます。 シリーズになっており、次々に楽しめます。 湘南OPAC : http://sopac.lib.bunkyo.ac.jp/mylimedio/search/book.do?target=local&bibid=1606715
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鳥取環境大学の先生が書かれた生態調査などの為に実験室で飼育している動物にまつわるエピソード。学生への指導も懇切丁寧で心暖まる。入学すればよかった。
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まず、タイトルが秀逸で、ぐっと惹かれて手にした。 大学で動物の生態を研究している先生が描いた本で、文章の構成や書き方に難はあるものの、内容はとても興味深く面白い。 タイトルになっている「シマリスが、天敵であるヘビの頭をかじるのはなぜか」という疑問が、作者の目線と実験から解説されて...
まず、タイトルが秀逸で、ぐっと惹かれて手にした。 大学で動物の生態を研究している先生が描いた本で、文章の構成や書き方に難はあるものの、内容はとても興味深く面白い。 タイトルになっている「シマリスが、天敵であるヘビの頭をかじるのはなぜか」という疑問が、作者の目線と実験から解説されている。 ほかにも、タヌキの溜め糞やイモリについてなど、色々な生き物のアッと驚く生態が描かれている。面白い。
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小林先生本人が、本気で実験を楽しんでいる姿がすてきだ。良い先生って、自分が楽しむことが、一番の教育になることを知っている。それにしても、このタイトルが、新聞の広告欄に書かれているたび、笑ってしまう。
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ヘビを怖がるヤギ部のヤギコ 高山を歩くアカハライモリ 飼育箱を脱走したアオダイショウのアオ…… 大学キャンパスを舞台に起こる動物事件を 人間動物行動学の視点から描き、 人と自然との精神のかかわりを探る。 今、あなたのなかに眠る太古の記憶が目を覚ます!
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