魔王 の商品レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
結局誰が「魔王」なのか判然とせず、一切合財こちらに投げられた感があるのが良かった。 気持ち悪く終わらせたのがとても成功していると思える。 「おい、お前はどうなの?」とでも言われているようで、勝手にプレッシャーを感じている仕様もない自分だ。 漫画を読んでいるかのように読みやすく感じるのは、もう伊坂作品のひとつの特徴だと思うようになったが、 使われている”魔王”や”宮沢賢治”がざわざわした感覚(上手く言えん)を連れてきてくれていて、 じっとりとした何かで皮膚を触られるような、不気味な緊張が深みを出していたように思った。 もう、なんというか追い立てられるように一気に読んだ。 あとは、兄弟の対照的な感じを表すのに使われた全てに、自分と感覚が合って気に入りました。 (仕事や、選択の仕方など) これは『モダンタイムス』に期待! 50年後、一体どんな日本になっているのか、非常に興味がある。 あと余談だが、詩織ちゃんがしっかり「○」をつけて投票しているところが好きだ。
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落とし穴に落ちそうになったけど、何とか踏みこたえた、そんな気分。 相変わらずの読ませ方なんだけど、押しが弱いような・・「魔王」が長い前振りで「呼吸」が本編の印象。
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少年サンデー連載中の「魔王」を読んでいたので、 文庫化と聞いて買ってみました。 漫画のほうはグラスホッパーとか他の要素も色々混ざってるみたいなので展開は半分知ってる、くらいでしたが 話のほうは重すぎないのに何か考えさせられる、不思議な感覚でした。 いつも好んで読んでいるタイプとは...
少年サンデー連載中の「魔王」を読んでいたので、 文庫化と聞いて買ってみました。 漫画のほうはグラスホッパーとか他の要素も色々混ざってるみたいなので展開は半分知ってる、くらいでしたが 話のほうは重すぎないのに何か考えさせられる、不思議な感覚でした。 いつも好んで読んでいるタイプとは違う系統なのでどうかな、と思いましたが、割とすんなり入ってきて良かったです。
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これまでの作品とはずいぶん違うテイストだが、伊坂幸太郎の中で一番引き込まれた作品のような気がする。 集団の恐ろしさ、それはファシズムに限らず様々な場面にある。極端に言えば、この間の米大統領選挙もある種の集団の恐ろしさを示していると言えるだろう。このような時代において私たちに求めら...
これまでの作品とはずいぶん違うテイストだが、伊坂幸太郎の中で一番引き込まれた作品のような気がする。 集団の恐ろしさ、それはファシズムに限らず様々な場面にある。極端に言えば、この間の米大統領選挙もある種の集団の恐ろしさを示していると言えるだろう。このような時代において私たちに求められるのは、本編でも言われている「洪水に流されないこと」。集団がすごい勢いで流されていく中、自分だけは一つの意思を持ってじっと立っていられるのか。そして、現代人のどれほどが流されないだけの確たる意思を持っているのか。簡単な話なのかもしれないが、それだけに作者の提示している問題は重く、そして厳しいものである。
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「団結」とは善か悪か? 群衆を煽り崇拝させることのできるカリスマ性を持つ人物が現れたとき、主体性を無くしていく群衆をどうにかしたいと考えた彼のように自分は果してなれるのかというと自信がない。 シューベルトの「魔王」に出てくる父親のように、迫ってくる魔王やその娘たちたちに気づく...
「団結」とは善か悪か? 群衆を煽り崇拝させることのできるカリスマ性を持つ人物が現れたとき、主体性を無くしていく群衆をどうにかしたいと考えた彼のように自分は果してなれるのかというと自信がない。 シューベルトの「魔王」に出てくる父親のように、迫ってくる魔王やその娘たちたちに気づくことさえもできないのではないか、とも思う。 とても身近で重要な問題を投げかけられているようで、作品にのめり込んでしまった。 さらに伊坂さんが大好きになったみたい。 今年の秋に続編が出るようなので、それも必ず読もう。
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ああ・・・こんな事で世界は変わってしまうのか。 集団の怖さを感じる。 流される事は簡単。 アンダーソンさんが気の毒でならない。
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正直期待外れな感じは否めない… 謎は謎のままでいいって時もあるけど、 いまいちすっきりしないです。 主役の兄弟には好感が持てたので、そこそこ楽しんで読めました。
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人間、何事も考えなきゃいけないのだなぁ と思った本。 政治家に心酔してゆく人々に対して、どんどん冷静になってゆく主人公。 この主人公のように常に危機感を持って、考えて、人生を生きられるかなあ・・・ なんて、何度も思ってしまった。 さすが伊坂さんで、どんどん読んでしまう本です。 ...
人間、何事も考えなきゃいけないのだなぁ と思った本。 政治家に心酔してゆく人々に対して、どんどん冷静になってゆく主人公。 この主人公のように常に危機感を持って、考えて、人生を生きられるかなあ・・・ なんて、何度も思ってしまった。 さすが伊坂さんで、どんどん読んでしまう本です。 これの続きがモダンタイムスとのことですが、なんだろ、あまり読もうと思わないんだよね。 ううむ。
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http://blog.livedoor.jp/masahino123/archives/65175634.html
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読了。大分前から読みたかったのですが、買ったその日に新宿のBarに置き忘れたりとなかなかツキの無い本で(そういう本ってありますよね、巡りあわせっていうのかな)、今回海外出張の移動時間でようやく読みました。伊坂幸太郎らしいすっきりしたりしなかったりする微妙な感じで、読後感もそういう...
読了。大分前から読みたかったのですが、買ったその日に新宿のBarに置き忘れたりとなかなかツキの無い本で(そういう本ってありますよね、巡りあわせっていうのかな)、今回海外出張の移動時間でようやく読みました。伊坂幸太郎らしいすっきりしたりしなかったりする微妙な感じで、読後感もそういう微妙な感じでしたね。少なくとも犬養首相の言っていることは、やり方等はともかくとして100%正しいと思ってしまう自分はやっぱり迎合するタイプの一般大衆なのでしょうか。犬養がどう日本を変えていくのか、『モダンタイムス』も気になるところです。
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