天の光はすべて星 の商品レビュー
1953年の作品なのに、主人公の心の葛藤はまるで現代小説のようで、SFというよりは人生を語る小説かなと感じました。
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タイトルがロマンチックで買った、いわゆるタイトル買いした一冊。 宇宙に魅入られた男の話で、語りに熱が籠っている部分がよくあって”星屑”具合がよく伝わってきた。自分が星に行くために、最悪まではいかないが、そこそこ悪いこともしてて”星屑”の熱量に畏怖を覚えた。でもこういった既存ルー...
タイトルがロマンチックで買った、いわゆるタイトル買いした一冊。 宇宙に魅入られた男の話で、語りに熱が籠っている部分がよくあって”星屑”具合がよく伝わってきた。自分が星に行くために、最悪まではいかないが、そこそこ悪いこともしてて”星屑”の熱量に畏怖を覚えた。でもこういった既存ルールさえも恐れない人たちが世界を進めるんだろうなとも思う。 宇宙に魅入られているから、他の周りのことに一切興味がないかというと、そういうわけではなく、エレンと出会って愛に燃えるし、考えの方向性が全く異なるエムバッシとも友好を結んだりしていて、世界が広がっていたのが印象的だった。(一人ではできるはずがないプロジェクトだから、当たり前と言えばそうかも) 最終的に、男本人は行けなかったわけだが、”倅”が同じように”星屑”となって同じ夢を見る……というラストで、この本は「意思の継承」が一つのテーマでもあったのかなと。 本編には関係ないけど、「グレンラガン」の中島さんのエッセイが付録でついていた。 「天の光はすべて星」というタイトル自体は「グレンラガン」で知ったので、付録も興味深く読ませてもらった。「グレンラガン」も最後に見たのが結構前だったので、読んでる最中は全然気づかなかったが、振り返ってみると確かに近しいものがあった。「グレンラガン」もまた見たくなった!
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主人公が鼻につく感じがして、ロケットのごとくこのまま突き進んで行ってしまうのにモヤモヤしたかと思いきや‥ ラスト前とラストの独白がたまらなくセンチメンタル。嗚呼泣いてしまった。 この本の題名と表紙を60歳で見たらどう感じるだろう。
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木星絶対行きたいマンの主人公が宇宙に行くためにバリバリ行動しまくる小説。 宇宙に焦がれて焦がれて、でも結局行けない…のは、月に着陸してからずっと他の星に飛び出せていない現在の宇宙開発の状況に似ているかも。これが書かれた当時は、きっと2023年なんて太陽系を飛び出してたと思われてただろうな。でも実際は冷戦時代に逆戻り。SF小説にあるようにきちんと歴史が進めばいいのに!
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素晴らしいタイトル! ハヤカワSF文庫! ということで読んだけれど うーん ちょっと期待が大きすぎたというか もうちょっと「SFしてる」かと思ったんだけどなー 最初のほうからなんだか事がうまく運び過ぎなきらいがあってちょっと都合良すぎかなあと思ってたら 主人公マックスを取り巻く人物も何やかやみんないい人でトントン拍子に話が進んでいくのもちょっと…… もっと悪戦苦闘の末 みたいなストーリーかと思ってたので エレンが志半ばで亡くなってしまうのがストーリー上の一番のフックなのだが それとてなんというかもっと大きな悲しみとそれをなんとか乗り越えるみたいな感じでもなく マサイ族の生き残りエムバッシのエピソードはちょっとよかった 物質ではなく精神として宇宙の果てを目指すというのは「2001夜物語」第一巻でも出てきて まさにここで書かれているようにロケットモ宇宙船も必要ないというようなことだった(この作品が元ネタなのかも) そのエムバッシの最期はどう捉えたらいいのだろうか 肉体を捨てることで精神的に自由になり宇宙の果てを目指してどこまでも飛翔していくとすればそれは「2001年宇宙の旅」にも通ずるところがあるのだが この作品が1953年 2001年宇宙の旅が1968年だからかなり先駆的であるとも言えるが…… エムバッシが笑みを浮かべたままというのがひとつの救いと言えるか ストーリーにおいてエレンの死と並んでもうひとつのフックがマックスが実は宇宙に出たことがないという事実が明らかになることなのだが そもそもマックスの一人称で語られる作品においてこのどんでん返しは小説としてどうなのだろう? と思ってしまった(このあたりからかなり速読モードで読んでしまった) なんといっても邦題が素晴らしくこの本を手にする人のほとんどがそれをきっかけにしているのではないか と思ったらグレンラガンの最終話タイトルらしいのでそちら経由の人も多かろうけれど 「The Lights in the Sky Are Stars」を「すべて星」と訳すのがうまいなあ 言葉のリズム要素もあるんだろうけれどこの「すべて」が入ることでぐっと叙情的になる フレドリック・ブラウンはもともとショート・ショートで有名で長編は5本だけとのこと ユーモラスな短編が多いらしい https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%83%AC%E3%83%89%E3%83%AA%E3%83%83%E3%82%AF%E3%83%BB%E3%83%96%E3%83%A9%E3%82%A6%E3%83%B3 その意味ではハードSFとはいかないまでもシリアスな長編を期待するほうが間違ってたのかもしれん どちらかというとSF的テーマを題材にしたハートウォーミング・ストーリーといったところか https://amzn.to/45HVvQo アマゾンレビューでは40人で4.3とめちゃめちゃ高評価なのでたまたま相性が悪かったということだろう 誰ひとりエムバッシについて言及していないあたりも好みのポイントが違うんだなと感じた
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すべての人は地球という星にとらわれている。 息苦しさを感じながら、無様に地面を這いつくばり、死んでいく。 ロケットとはこの狭い世界を脱出し、無限に広がる天の光へ自由に飛んで行く手段なのだ。 心躍るような目新しいSF設定は無しで、ごく普通のキャラクターが織り成す人間ドラマで宇宙開...
すべての人は地球という星にとらわれている。 息苦しさを感じながら、無様に地面を這いつくばり、死んでいく。 ロケットとはこの狭い世界を脱出し、無限に広がる天の光へ自由に飛んで行く手段なのだ。 心躍るような目新しいSF設定は無しで、ごく普通のキャラクターが織り成す人間ドラマで宇宙開発のロマンを表現した名作。
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元宇宙飛行士の老人が木星探査計画を成功させるために奔走する。 手が届かないからこそ足掻く者達の物語で、ロマンチックなタイトルとは裏腹にかなり渋い話。 グレンラガン最終話サブタイトルで興味を持った身としては巻末に収録された中島かずきの解説が嬉しい。
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天の光はすべて星(ハヤカワ文庫SFフ1-4) 著作者:フレドリック・ブラウン 発行者:早川書房 タイムライン http://booklog.jp/timeline/users/collabo39698 年老いた宇宙飛行士と共に宇宙への憧れを追いかける。
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ブラウンの作品を読んだのは初めて。タイトルも素敵ですね。SFの古典的名作とのことですが、SFというよりちょっと切ない人間ドラマでした。
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天元突破グレンラガン最終話「天の光は全て星」にタイトルを引用された、元ネタ作品。宇宙の星々にロマンを馳せる「星屑」と呼ばれる人たちの、夢を追う物語。若き日の事故で挫折感を抱えていた57歳の元宇宙飛行士が、ある女性議員候補が掲げる木星探査計画の公約を聞いて、再び立ち上がる。 中年か...
天元突破グレンラガン最終話「天の光は全て星」にタイトルを引用された、元ネタ作品。宇宙の星々にロマンを馳せる「星屑」と呼ばれる人たちの、夢を追う物語。若き日の事故で挫折感を抱えていた57歳の元宇宙飛行士が、ある女性議員候補が掲げる木星探査計画の公約を聞いて、再び立ち上がる。 中年から老年にいたる年代で再び夢を追うということについて考えさせられる。さらに人生の秋における、新たな友人と最も愛する人との出会い、そこには夢と現実の双方を直視させられる必然があり、そのリアルさと切なさに心を打たれた。しかし果てしなく燃やされる宇宙と星々への情熱は神々しくすらあり、勇気も湧いた。星への想いは、人類とその未来、そして神へと広がっていく。美しいタイトルに一ミリでも惹かれるものを感じたら読むべし。心に残る作品です。
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