21世紀の歴史 の商品レビュー
本書は、38億年前の生命の誕生、16万年前の最初の現生人類が出現、紀元前12世紀の市場民主主義の誕生と壮大な歴史観から導かれた21世紀の歴史だ。 そこでは、資本主義が資本主義以外の全てを破壊し尽くした後に成立する超帝国や、国家が弱体化したことによる地域紛争の勃発と宗教原理主...
本書は、38億年前の生命の誕生、16万年前の最初の現生人類が出現、紀元前12世紀の市場民主主義の誕生と壮大な歴史観から導かれた21世紀の歴史だ。 そこでは、資本主義が資本主義以外の全てを破壊し尽くした後に成立する超帝国や、国家が弱体化したことによる地域紛争の勃発と宗教原理主義や海賊による暴力の拡大する暗い未来予想図と、愛他主義者であり世界市民としてのトランスヒューマンが、各人のゆとりのある暮らしのための財や共通資本を発展させていく明るい未来予想図が呈示されている。 トランスヒューマンと彼らが運営する調和重視企業は市場と民主主義を少しずつ地球規模でバランスさせていくとして、これを超民衆主義の出現としている。 先日発生したロンドンの暴動はソーシャルメディアの普及が暴動の急速な拡大につながったとの言説も多々あります。世界がどのような方向に進んでいくのかはソーシャルメディアのコード(アーキテクチャー)の影響も大きいのではないかと思う今日この頃です。
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ジャック・アタリの博覧強記ぶりにはいつも驚かされる。彼の膨大なストックに基づく歴史認識とこれからの未来予測は一読の価値アリ。
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前半部は金融の歴史、後半部が未来の歴史と二部構成。 前半部はとてもよく考えられている割に、後半部の論理破綻…。 未来が予測できないものであることは確かですから、曖昧であるのは仕方ないとしても、せめて自分の発言との矛盾は避けて欲しかった。 未来の歴史に根拠がないので...
前半部は金融の歴史、後半部が未来の歴史と二部構成。 前半部はとてもよく考えられている割に、後半部の論理破綻…。 未来が予測できないものであることは確かですから、曖昧であるのは仕方ないとしても、せめて自分の発言との矛盾は避けて欲しかった。 未来の歴史に根拠がないのではなく、著者が未来を予測するために設定した状況の説明と、未来がそうなった説明の間に齟齬が発生しているところがいくつかありました。 もっとも、そんなことは細かな点として、大ざっぱに一人の人間が予想する未来のビジョンとして読めば楽しめると思います。 前半部はとても良かったです。その部分だけでも読む価値があると思います。もっとも、同様の内容は「国家債務危機」等でも書かれていますから、そちらを読むことをおすすめします。
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流行になったノマドワーカーの記述はフロリダの『クリエイティブクラスの世紀』のクラス・クリエイティブに通ずる。突き詰めると似たような結論にたどり着くということか?
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未来を知るには過去を知ること。その時代背景の事柄を知ることにより、未 来を予測出来る。 過去の歴史を見ると、ひとつの帝国が存続する期間が短くなっている傾向があり、国際情勢を読み解く説得力がある。
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未来に対する面白い考察が並ぶ。でも根拠を提示しないので納得感は今一つ。ノマド化する社会への考察は納得度が高かった。
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詳しくは覚えていないし、前半は飛ばしたりだがよくこんな具体的に予測するな。というのが感想。 たしか内容は歴史を振り返りその中にルールを見いだしそれを未来に適応することで詳細な予測をする。またその未来は悲観的なモノであり、別の道を歩まなければと警鐘を鳴らす。 冒頭にも言った通り詳し...
詳しくは覚えていないし、前半は飛ばしたりだがよくこんな具体的に予測するな。というのが感想。 たしか内容は歴史を振り返りその中にルールを見いだしそれを未来に適応することで詳細な予測をする。またその未来は悲観的なモノであり、別の道を歩まなければと警鐘を鳴らす。 冒頭にも言った通り詳しくは覚えていないが歴史から見出だす法則は果たして恣意性を乗り越えているのかというとそこまで説得的な論説はなかったように思う。 また予想する未来に対しても、こう予想はするがこれは著者の望む未来ではない。さらに現在、希望に満ちた未来への萌芽はあると保険をかけているところに小ささを感じてしまう。 勉強にもなるし読み物としても面白いが論拠を捨てているところがマイナスで評価は3。
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日本にも、アタリ氏のように、大局観、日本の危機を示してくれる人材が欲しい。 本書前半の、人類文明の過去を振り返るところは、いつかゆっくり再読したい。
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民主主義の競争、労働に疲弊し、無理が生じる(アメリカの崩壊という形)のは21世紀において確実であり、その後、超帝国・超紛争・超民主主義のいずれかが訪れるというのがアタリの見解。 その中でアタリが推奨するのは超民主主義。この世界観は利他主義で他人を思いやる、利益よりも公益を重んじる...
民主主義の競争、労働に疲弊し、無理が生じる(アメリカの崩壊という形)のは21世紀において確実であり、その後、超帝国・超紛争・超民主主義のいずれかが訪れるというのがアタリの見解。 その中でアタリが推奨するのは超民主主義。この世界観は利他主義で他人を思いやる、利益よりも公益を重んじる世界だと言う。 感覚としては伊藤計劃の「ハーモニー」の世界に似ている。 個人的に重要なのはこれからの産業として保険と娯楽が大事であるという見解。特に娯楽は複製出来るものは全て無料にし、ライブでお金を取るという考えで、もしこれが本当なら21世紀のクリエイティブ産業のヒント、というかひとつの答えとしてこれからの行動の指針となると思う。
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再読の必要あり。歴史は物語であるから注意が必要だが、これからの社会がどういった方向に向かっていくのかというひとつに指針にはなりえると感じた。ノマドという概念を使って解説。
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