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ゆれる の商品レビュー

3.9

61件のお客様レビュー

  1. 5つ

    15

  2. 4つ

    23

  3. 3つ

    16

  4. 2つ

    3

  5. 1つ

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2012/06/17

【登場人物】 ・その人の悶々とした思考が文章に表れて,理解しにくい部分  が多い 【ストーリー】 ・それぞれの登場人物の目線で描かれている ・阪急電車に似ている ・結局,何がしたいのかいまいち伝わらなかった

Posted byブクログ

2012/06/13

感情表現が秀逸。兄弟の絆が事件をきっかけに揺れていくことを兄、弟、その周辺人物のそれぞれの心理描写を通じて浮き彫りにしていく。 映画も非常に再現度が高く本と共に楽しめる作品だった。

Posted byブクログ

2012/06/12

映画を観てから。 こちらの小説版は視点別に章が分かれています。そして映画の空気、世界観はそのまんま。 解説という名の香川さんの書き下ろし「ゆれる」もあります。

Posted byブクログ

2012/05/13
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

「この人は、私だ。大人しい驢馬のような顔をして、心に鬼を飼って居る。 この人が、私だったのだ。そう思いました。 足元のはるか下には、水の流れが煮え立つようにあぶくを湧かせていました。」 ――ミステリでは無い、謎は解かれる事は無い。 面白かったです。薄いのに、読み応えがありました。 惹かれて仕舞うのは、兄弟をテーマにして居るからだと思う。 親でも恋人でも無い、血の繋がった兄弟というもの。 其れを取り扱ったテーマは星の数ほど有る。 最近のもので例えるなら、『宇宙兄弟』。六太と日々人のような、劣等感と競争感。 ただ、本作は『宇宙兄弟』のように前向きで、澄んだ其れではない。どちらかといえば、『SIREN』の宮田と牧野のような、歪んだ羨望と嫉妬が存在していると思う。 殺したか、殺されたか。 本作の真髄は其処にはないように思われる。 稔と猛、心に鬼を飼っているのはどちらなのか、或いはどちらも、なのか。 一見すると、二人の関係は、成功した弟と、凡庸な兄に思える。 けれど違う。 「心の中で賭けをした。 あと五つ数える内に、兄が俺の方に気付き、俺に笑いかけてくれるなら。」 「あと十。あと二十。しかし兄には、俺が見えなかった」 十、九、八…と下がって往くなら分かるが、敢えて猛は数える数を増やして居る。兄に気付いて欲しかったからだろう。 優秀に見得た弟の脆さ、自分を生んだ親とはまた異なる血のつながりとは何なのか、考えさせられる興味深い作品でした。

Posted byブクログ

2012/04/03

子供を持つという事は素敵なことだろうけど、自分の人生に加えてまた別な人生を背負うということだ。僕は子宝に恵まれなかったが、我が子にまつわる他人のごたごたを客観的に見ていると、ほっとすることも多い。僕自身の因果は自分のことだからかろうじて受け止めて、対処していく以外ないとしても、そ...

子供を持つという事は素敵なことだろうけど、自分の人生に加えてまた別な人生を背負うということだ。僕は子宝に恵まれなかったが、我が子にまつわる他人のごたごたを客観的に見ていると、ほっとすることも多い。僕自身の因果は自分のことだからかろうじて受け止めて、対処していく以外ないとしても、それ以外にまた自分の業の遺伝子を引き継いだ個体が存在して、しかも僕の意思どおりには動いてくれない、海の親としての責任はある、ということを想像すると、やっぱり子供を持つということは自分の手には負えない大仕事だな、と思うのだ。

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2011/12/27
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

オダギリジョーと香川照之の映画の小説。 吊り橋で起こった幼なじみの智恵子の転落死。 一緒に遊びにきていた兄・稔と弟・猛が見ていた真実とは? 事故で一件落着かと思いきや稔が急に殺害を自供…、というお話。 映画を先に見ていたので、どうしてもオダギリさんと香川さんがちらちらと。 でも映画の空気感はそのままで、それはとても素敵なんだけど、少し重い感じもそのままだったから、読んだ後も救われなかった。 「勇は今たった一人で、一体どんな宇宙に生きているんだろう」 それぞれの宇宙に生きてるって、確かに。

Posted byブクログ

2011/12/13

http://john615hkt.blog.fc2.com/blog-entry-31.html ゆれる 西川美和 ポプラ文庫 233頁  映画として高い評価を得ている『ゆれる』を西川美和監督が執筆したノベライズ本。映画の内容に関しては以前このブログで述べた通り素晴らしい作品...

http://john615hkt.blog.fc2.com/blog-entry-31.html ゆれる 西川美和 ポプラ文庫 233頁  映画として高い評価を得ている『ゆれる』を西川美和監督が執筆したノベライズ本。映画の内容に関しては以前このブログで述べた通り素晴らしい作品である。本書は2007年会の第二十回三島由紀夫賞の候補作品となっている(受賞作品は「1000の小説とバックベアード」。基本的に原作を読んで映画というパターンがスタンダードだが、本書は映画の後に発売された本。順番は果たしてどっちがいいのか?  故郷を離れ、東京で売れっ子のカメラマンとして活躍している早川猛。母親の法事のために久々に帰省し、兄の稔が切り盛りする実家のガソリンスタンドで働く幼なじみの智恵子と再会する。猛と智恵子は一夜を共にし、翌日兄弟と彼女の3人で懐かしの渓谷へと遊びに行く。猛が渓谷で写真を撮っているとき、智恵子が渓流にかかる吊り橋から落下する。吊り橋にその時いたのは稔ただ一人。落下は事故だったのか、事件だったのか?裁判が進むにつれ兄をかばう猛の心はゆれる。そしてついに証言台に立ち猛が選択した行為とは……  最初に結論から言うと、映画を観た後にこの本を読んだ方がいい。あと映画を観たから、本を読まなくてもいいとか思わないでいただきたい。最大のポイントはやはり監督自身が執筆していることである。  映画というのは基本的に時間に縛られている芸術作品だ。映画館のビジネスは観客単価×観客数×上映回数で決定する。基本的に2時間前後という暗黙の制約が監督につきつけられる。もちろん中には園子温監督による『愛のむきだし』のような4時間にも及ぶ大作もあるが。本という作品にすることによって、映像では表現しきれなかった、したくてもカットせざるを得なかった描写を惜しむことなく表現することができる。  この本を読んで初めて、このシーンでこういう顔をしていたのはそういうことだったのか、という箇所がある。映像を使って表現していても、音声をゼロにすることによって想像力を掻き立てることが西川監督は上手い。情報を過不足なく私たちに伝えてくれる。  もう一つ本書を読んで欲しい理由がある。本書の解説を映画に出演した香川照之さんが執筆している。映画の最後のシーンで香川照之演じる早川稔が弟の猛に「兄ちゃん、うちに帰ろうよ!」と叫ばれる中、通りをはさんで猛と稔の間を遮るようにバスが止まり映画が終わる。映画の中でバスに乗ったのかわからないが、解説ではバスに乗った・乗ってない両方のパターンで独自の視点で描いている。これだけでも読む価値は十分ある。最後に本稿は、映画『ゆれる』で早川稔を演じた香川照之氏が独自の視点から書いており、西川美和氏の意向と関係はありませんと書かれているところがまた良い。

Posted byブクログ

2011/12/01

表現する、というのはこういうことなんだと思い知らされる。それは持って生まれたセンス。言葉のセレクトが絶妙です。

Posted byブクログ

2011/10/21

初めての西川美和。 作家さんかと思ったら、映画監督さんらしい。 タイトルの付け方が絶妙だなあと思った。 本当に「ゆれる」心がたくさん出てくる。 兄弟でもこういう気持ちになるものなのかなあ。。。 映画をもとにした小説なので 心理描写もたくさん出てきて、楽しめた。 映画のほうもお...

初めての西川美和。 作家さんかと思ったら、映画監督さんらしい。 タイトルの付け方が絶妙だなあと思った。 本当に「ゆれる」心がたくさん出てくる。 兄弟でもこういう気持ちになるものなのかなあ。。。 映画をもとにした小説なので 心理描写もたくさん出てきて、楽しめた。 映画のほうもおもしろそう。

Posted byブクログ

2011/08/21

これは再読。最初読んだ時のような感動は無かった。 映画を見たからイメージがすっかり映画のキャストになってしまっている。 なんとなくもう一度映画を見たくなった。

Posted byブクログ