ゆれる の商品レビュー
窓の外は大雨という状況で静かに読んだせいだか、本全体に流れる陰鬱な雰囲気とマッチして、集中して読めた。 登場人物各々の独白によって語られるストーリー。 軸となっているのは、兄弟同士の秘めた確執だ。私自身も妹との二人姉妹で、互いに中身も外見も全く正反対に育ったので、作中の兄弟のあ...
窓の外は大雨という状況で静かに読んだせいだか、本全体に流れる陰鬱な雰囲気とマッチして、集中して読めた。 登場人物各々の独白によって語られるストーリー。 軸となっているのは、兄弟同士の秘めた確執だ。私自身も妹との二人姉妹で、互いに中身も外見も全く正反対に育ったので、作中の兄弟のあいだに流れる微妙な空気感は何となく理解できる気がした。多かれ少なかれ、どこの兄弟(姉妹)にも同じような思いはあると思う。そんな仲の良いはずの兄弟のあいだに、ある女性の死をきっかけとして決定的な亀裂が入ってしまう。 淡々とした語り口で物語は進む。難しい表現は何もないのに、とても鮮明に情景が浮かんでくる。 少しずつ壊れていく良心のようなもの。それを放棄してしまった人の怖さ。弟の迷いと葛藤。周囲の人間たちの人生・・・───。 ぜひ、映画の方も見てみたいと思った。読書感想文にもいいかもしれません。
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早川稔が殺人を犯したかどうか、本人を始め、父や弟、叔父、死んでしまった当人などの視点で描かれている。
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つまらない人生から逃げ出し華やかな生活をする弟。 つまらない人生を受入れる実直な兄。 ずっと心の奥底に閉まっていた闇が、1つの事件をきっかけに明らかになっていく。 兄弟で近い存在だからこそ感じる嫉妬や怒り、、、あるんだろうな~と怖くなります。
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映画のノベライズ本。 香川照之さんが好きなので 映画は見ていました。 ノベライズだけど、映画の公開より ほんの発売の方が早かったみたい?ですね。 登場人物それぞれのかたりから構成されています。 映画を観る前は、ゆれるってつり橋だからと(笑) 思ってましたが、人の...
映画のノベライズ本。 香川照之さんが好きなので 映画は見ていました。 ノベライズだけど、映画の公開より ほんの発売の方が早かったみたい?ですね。 登場人物それぞれのかたりから構成されています。 映画を観る前は、ゆれるってつり橋だからと(笑) 思ってましたが、人の心情や事実の揺れのことかなぁと。 見る人の視点によって、正しい事が何かが変わる。 心理描写がとても上手ですね。 家族って、兄弟って。 なんだか怖かった。
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淡々とした崩壊の様相がこわい。入れ替わり立ち代わりする語り部の中で二転三転としてゆく何か、その掴みきれない根源の不気味さ、もどかしさが、どうしようもなくこわいと思った。 映像化されたものや、逆にノベライズ化されたものでも、相手の細かな感情の触れ様が全く読み取れないという極めて個人...
淡々とした崩壊の様相がこわい。入れ替わり立ち代わりする語り部の中で二転三転としてゆく何か、その掴みきれない根源の不気味さ、もどかしさが、どうしようもなくこわいと思った。 映像化されたものや、逆にノベライズ化されたものでも、相手の細かな感情の触れ様が全く読み取れないという極めて個人的な理由で紙媒体を贔屓するのが常ではあるのだけれども、この監督さんの映像はいっぺん見てみたいかも。こういうものを書く人の見る世界ってどんなんなんだろう。案外自分の見ているものと近かったら、それもそれでちょっと怖い。
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映画を観終わって少し説明が欲しくなって即買って読んだもの。どのように活字化するのかと思えば、色んな登場人物の視点で描かれていました。語り口調で書かれているのでさらりと読めます。映画を見てもうちょっと詳しく知りたいって方は、登場人物の心情や映画で描かれなかったことが細かく書かれてい...
映画を観終わって少し説明が欲しくなって即買って読んだもの。どのように活字化するのかと思えば、色んな登場人物の視点で描かれていました。語り口調で書かれているのでさらりと読めます。映画を見てもうちょっと詳しく知りたいって方は、登場人物の心情や映画で描かれなかったことが細かく書かれているので良いかも。けど読み終わった後は映画を見た後と同じ感覚だった。
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なんといっても全体を流れる緊迫感が秀逸だった。映像の世界の人間だからだろうか、どことなく映像が浮かぶ。しかし映像を文体で表現するのは並みではないはず。文体も淡々としており、とても無駄がない、それでいて緊張感を随所に織り交ぜるあまり類似の作家はいないかもしれない。小説に没頭、それで...
なんといっても全体を流れる緊迫感が秀逸だった。映像の世界の人間だからだろうか、どことなく映像が浮かぶ。しかし映像を文体で表現するのは並みではないはず。文体も淡々としており、とても無駄がない、それでいて緊張感を随所に織り交ぜるあまり類似の作家はいないかもしれない。小説に没頭、それでも香川てるゆきの顔が随所にちらつくのは彼の俳優性の勝利といえる。
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ゆれる この映画で何がゆれているのか…。 弟の心情、兄の葛藤、父の思い、幼馴染の現状から抜け出したい気持ち、殺された娘を持つ母の葛藤、従業員の想い。 相反する2人の心情をかなりリアルに描き出している。 息抜きがてら観たのに、かなり考えさせられる映画でした。 なんど見ても面...
ゆれる この映画で何がゆれているのか…。 弟の心情、兄の葛藤、父の思い、幼馴染の現状から抜け出したい気持ち、殺された娘を持つ母の葛藤、従業員の想い。 相反する2人の心情をかなりリアルに描き出している。 息抜きがてら観たのに、かなり考えさせられる映画でした。 なんど見ても面白いと思うが、息抜きにはお勧めしないです。 人生の正解ってなんなんやろうなー。
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そもそも、映画で観まして もーんとした空気が良かったので、本買いましたw 香川照之が、こわいくらいゾクゾクしたなぁ。 映画もオススメです、重い空気が苦手ならば 止めた方がいいかもしれません。
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表現がしっくりくる文章で、軽すぎず硬すぎず丁度良い。 ある事件を通して、家族の関係が赤裸々に語られている。綺麗事なしの家族関係がすごくリアルだった。 ラストは感動しました。読後、もっと早く読んでいれば良かったと後悔したくらい。
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