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戦略の本質 の商品レビュー

3.8

49件のお客様レビュー

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2024/02/22

「失敗の本質」が負けには負ける理由があり、日本の太平洋戦争の6つの失敗が失敗たる理由を示した本だったのに対し、この本は第二次世界大戦以降の6つの戦闘において、戦略がしっかりしていたからこそ勝利を得られたケースを上手く分析、紹介している。何をもって勝利とするか、自分達の資源の制約・...

「失敗の本質」が負けには負ける理由があり、日本の太平洋戦争の6つの失敗が失敗たる理由を示した本だったのに対し、この本は第二次世界大戦以降の6つの戦闘において、戦略がしっかりしていたからこそ勝利を得られたケースを上手く分析、紹介している。何をもって勝利とするか、自分達の資源の制約・条件下で、どこでどう戦うことによって勝利に結びつけるか、自軍にどのように徹底させるか、ということを中枢にいる人達が考え抜くこと、これが戦略だと思った。 具体的事例の中では第四次中東戦争が最も印象深い。エジプト・イスラエル両者の動きを結果として分析している我々はもっともらしいことを言えるが、当事者は相手をどう読み、どれくらいの勝算を持っていたのか、非常に興味深い。 勝者が勝者たり得た背景を分析した本なのだが、敗者側には敗ける理由がある訳で、そのことは忘れてはならない。

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2022/01/20

締め括りの最終章の「戦略とは」の命題策定の部分で混乱した。途中のケーススタディから結論部への論理展開が難解だった。

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2020/10/31

心に残った一文として「戦略とは、コンテクストに応じて場を創造することである。」があります。 その時々、無数の変数で構成される環境下に置いて、目的達成可能性を高めるシチュエーションを創り出すこと。これを説明するケーススタディが読み応えたっぷりに展開されます。 戦争における戦略がテー...

心に残った一文として「戦略とは、コンテクストに応じて場を創造することである。」があります。 その時々、無数の変数で構成される環境下に置いて、目的達成可能性を高めるシチュエーションを創り出すこと。これを説明するケーススタディが読み応えたっぷりに展開されます。 戦争における戦略がテーマなので、人によってはケースが読みづらく感じるかもしれません。その場合、各章のアナリシスの項や8章以降のまとめだけ目を通しても良いかもしれません。

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2020/09/12

非常に興味深く読めた。 本書は旧日本軍の第二次世界大戦での失敗の原因を考察した名著『失敗の本質』の続編。 本書は『失敗の本質』とは異なり、リーダーシップや戦略によって圧倒的不利な状況から逆転した過去の戦争を考察している。 考察されているのは、毛沢東の反包囲網討伐、バトルオブブリ...

非常に興味深く読めた。 本書は旧日本軍の第二次世界大戦での失敗の原因を考察した名著『失敗の本質』の続編。 本書は『失敗の本質』とは異なり、リーダーシップや戦略によって圧倒的不利な状況から逆転した過去の戦争を考察している。 考察されているのは、毛沢東の反包囲網討伐、バトルオブブリテン(イギリス空軍によるドイツ軍爆撃作戦への対抗法)、スターリングラード攻防戦、朝鮮戦争の仁川上陸作戦、第四次中東戦争、ベトナム戦争の6つの戦場である。 特に興味深かったのはバトルオブブリテン、スターリングラード攻防戦、ベトナム戦争だった。 前記の2つは第二次世界大戦であるが、もっとも重要な要素は戦争を指揮した人間のリーダーシップだった。イギリスのチャーチル首相。ドイツのヒトラー。そしてソビエトのスターリン。 いずれも長所短所のある指揮官であったが、最終的に戦争の勝敗を決する判断を下した者が勝者となったのだ。 特にヒトラーとスターリンとの対比は面白い。 いずれも完全な独裁者であり、自分に敵対するものをことごとく粛清していったのであるが、ヒトラーはそれを貫き、自滅した。しかしスターリンは最後に有能な軍の将軍の言葉を信じて、彼らに指揮を取らせた。ここでドイツとソビエトの差がでたのだ。 また、ベトナム戦争の考察も興味深い。 圧倒的な軍事力をもつアメリカはベトナムでも今までと同じような戦略(つまり第二次世界大戦のヨーロッパ戦線や沖縄戦)をもってベトナムで戦おうとした。しかし、北ベトナム軍は相手の長所をつぶし、完全なゲリラ戦でじわじわとアメリカ軍の兵士を殺していった。北ベトナム軍はアメリカ軍との戦争に勝とうとはしていなかったのだ、ただ負けないように戦い、世界中の世論やアメリカ国内での厭戦ムードが高まってくるのを待っていたのだ。 プロイセンの鉄血宰相ビスマルクの言葉が思い出される。 『賢者は歴史に学び、愚者は経験に学ぶ』 まさに至言である。

Posted byブクログ

2020/03/01
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

中国国民党と闘う毛沢東、チャーチルのドイツとの戦い、朝鮮戦争、第四次中東戦争、ベトナム戦争、と、ひと固まりの戦争ごとに戦略を分析した書。 いろいろな形のリーダーシップがある。 ベトナム戦争のように、戦力の差は圧倒的なのに負けた米国は、一重に大義名分と責任をもったリーダーが不在だった、ということか。戦果=「ベトナム人の死体の数」も、ろくに確認もせず水増しして報告していた、そして、その水増し報告を元に、最新鋭のコンピュータが戦況を分析し、戦略を練っていた、というのも…。 戦略には構造がある。もっと違う言い方ができるのかもしれないけど (カッコ内は自分の理解) ・ 大戦略―介入の正当性(大義名分、大目的(軍隊のみならず、国民にも訴えかける、説得材料)) ・ 軍事戦略-制空権の維持、マッカーサーによる一元的指揮(組織・指揮系統づくり、権限の付与) ・ 作戦戦略―釜山の維持(クリティカルポイントの見極め、それをどう有利に持ってくるか) ・ 戦術 -奇襲(個々の場面での動き方) こう考えると、プロジェクト進めるにあたっても、失敗したものは、大戦略がうまくいってなかったり、軍事戦略がうまくいってなかったり、構造の上の方がダメな例も多いかも。。 というか、戦術とかは、個々の失敗は挽回できるからなぁ。。 以下は、抜粋。 命題1 戦略は「弁証法」である 正反のダイナミックな相互作戦略の把握をし、大戦略、軍事戦略…の十三関係の矛盾を総合するのが戦略 「戦争は彼我双方の活動の不断の交互作用」 命題2 戦略は真の「目的」の明確化 命題3 戦略は時間・空間・パワーの「場」の創造 命題4 戦略は「人」である 命題5 戦略は「信頼」である 命題6 戦略は「言葉ーレトリック」 命題7 戦略は「本質的洞察」 命題8 戦略は「社会的に創造される」 命題9 戦略は「義―justice」 命題10 戦略は「賢慮」  1他者とコンテクストを共有して共通感覚を醸成する能力  2コンテクストの特質を察知する能力  3コンテクストを言語・概念で再構成する能力  4概念を公共善(判断基準)に向かってあらゆる手段を巧みに使って実現する能力  5賢慮を育成する能力 チャーチルは、ルーズベルトと個人的な書簡を2000に渡ってやり取りするなど他のリーダーともよくコミュニケーションをとっていた。 チャーチル自身も軍事的戦略には通じている自負はあったが、任せるべきところ(実戦)は任せていた。現場にもよく行っていた(対してヒトラーは任せられない、現場にあまり行かない、などの特徴もあったらしい) 後付け的な面もあり、全てが正しいと言えるかわからないけど、参考になる。 オムニバス形式でもあり、若干、一つ一つが浅く難しくてしまっている気もするけど…

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2019/07/24

確か、なんかの雑誌で、ローソンの新浪社長が勧めてた『失敗の本質』。その続編。 前作は、主に日本軍の失敗を分析していたが、今度は日本軍に限らず、第二次世界大戦以降の戦いで、不利と言われていながらも逆転を成し得た戦いをピックアップし分析した本。 単に歴史の勉強にもなるし、それ...

確か、なんかの雑誌で、ローソンの新浪社長が勧めてた『失敗の本質』。その続編。 前作は、主に日本軍の失敗を分析していたが、今度は日本軍に限らず、第二次世界大戦以降の戦いで、不利と言われていながらも逆転を成し得た戦いをピックアップし分析した本。 単に歴史の勉強にもなるし、それ以上に軍隊を越えた組織論に展開しているので、とても示唆に富む内容。 また最後に纏めている戦略論も面白い。昔読んだ『孫子』に通ずるものがあると思う。 第4時中東戦争と朝鮮戦争の分析が印象的だった。何と無く教科書やテレビで話は知ってるけど、そういうものからは表面的な部分しか見れないが、その裏には色んな事情や思惑があるわけで、同じ人間と同じ人間から成る組織が辿った道程からは時代が変わっても学べるモノが多分にあると思う。 歴史を学ぶ意義を感じられる良い本だと思う。 まぁ、同じとカテゴライズするのもおこがましいけどね。苦笑

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2018/10/29

是非知っておくべき、現在に影響を多大な与えている近現代の著名な戦争(逆転劇ケース)について、詳細に学ぶことができます。,防衛大の先生が共著されており、戦史マニアにはたまらない内容ではないでしょうか。,これだけでも、かなりおなか一杯になりますが、さらに、各ケーススタディから、実生活...

是非知っておくべき、現在に影響を多大な与えている近現代の著名な戦争(逆転劇ケース)について、詳細に学ぶことができます。,防衛大の先生が共著されており、戦史マニアにはたまらない内容ではないでしょうか。,これだけでも、かなりおなか一杯になりますが、さらに、各ケーススタディから、実生活・ビジネスに活用可能なマクロ的、ミクロ的な多くの教訓を読み取ることも可能です。,,過剰なまでの修辞にあふれた文体がやや読みにくくさせていたり、戦略を体系的に集約しようとしている力の入った終章もやや発散している感じは少々あります。,,◆印象に残ったケーススタディ,「スターリングラード攻防戦」,軍事的合理性を次第に一方が失っていき、一方が取り戻していく。泥沼の市街戦の果てに、露軍逆包囲による独軍の全滅…。,映画の元ネタが、やっと理解できました。,,「第4次中東戦争」,政治的レベルから技術レベルまでの全てに渡って、仕掛け工夫を凝らしたエジプトの限定戦争戦略。,サダトは、その後暗殺されてしまうのです…。,,「バトルオブブリテン」,チャーチルvsヒトラー。チャーチルの政治ビジョンがなければ、歴史は変わっていたかもしれません。,,「仁川上陸作戦」,2chのFlashで、この作戦はよく知っていました。,マッカーサーは、上陸作戦実行まで内部説得に相当苦労していたことが、意外でしたね。しかし、その成功のあとに歯止めがはずれた彼は、朝鮮半島逆制覇、中国軍参戦、核兵器使用進言、失脚と転げ落ちていきます…。,,◆印象的なワード,「大戦略」「縦深性」「多層性」etc.,,,小宮さんの読書力養成講座の通読レベル2の推薦本です。読了まで、時間がかかりました…。

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2018/10/28

結局戦略にはリーダーシップが必要であり誰がリーダーとなりどのような思考を持っているのか、目的を明確化しないと戦略は上手くいかない。

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2018/08/07

6つの近代戦争を事例として取り上げながら、戦略論、戦略の重要性とリーダーシップについて論じた書籍。戦争局面における個別具体的な話は理解が難しいが、戦略に昇華して論じる内容は、インサイトフルで、シンプルかつパワフルである。

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2018/03/26

序章なぜいま戦略なのか 第1章戦略論の系譜 第2章毛沢東の反「包囲討伐」戦 第3章バトル・オブ・ブリテン 第4章スターリングラードの戦い 第5章朝鮮戦争 第6章第四次中東戦争 第7章ベトナム戦争 第8章逆転を可能にした戦略 終章戦略の本質とは何か

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