1,800円以上の注文で送料無料

不連続の世界 の商品レビュー

3.5

146件のお客様レビュー

  1. 5つ

    12

  2. 4つ

    59

  3. 3つ

    51

  4. 2つ

    12

  5. 1つ

    0

レビューを投稿

2015/08/18

妻と別居中の多聞を、三人の友人が「夜行列車で怪談をやりながら、さぬきうどんを食べに行く旅」に誘う。車中、多聞の携帯に何度も無言電話が・・・・・。友人は言った。「俺さ、おまえの奥さん、もうこの世にいないと思う。おまえが殺したから」(「夜明けのガスパール」)他4篇、「月の裏側」の塚崎...

妻と別居中の多聞を、三人の友人が「夜行列車で怪談をやりながら、さぬきうどんを食べに行く旅」に誘う。車中、多聞の携帯に何度も無言電話が・・・・・。友人は言った。「俺さ、おまえの奥さん、もうこの世にいないと思う。おまえが殺したから」(「夜明けのガスパール」)他4篇、「月の裏側」の塚崎多聞、再登場。恩田陸のトラベルミステリー!

Posted byブクログ

2015/08/03

『月の裏側』は未読。 音楽プロデューサーである塚崎多聞の周りで起こる、ちょっと不思議な短編集。 たぶんクリスマスツリーのような多聞の性格からか、緊張せずすんなり読めるのだが、オチは結構壮大だった。個人的には『悪魔を憐れむ歌』が好み。ちょっとした謎から、深い闇を掘り下げていく様は...

『月の裏側』は未読。 音楽プロデューサーである塚崎多聞の周りで起こる、ちょっと不思議な短編集。 たぶんクリスマスツリーのような多聞の性格からか、緊張せずすんなり読めるのだが、オチは結構壮大だった。個人的には『悪魔を憐れむ歌』が好み。ちょっとした謎から、深い闇を掘り下げていく様は恩田さんらしいが、多聞という不思議な性格の男が緊張を和らげるのだ。 またとある人物が出て来たので、別作品の読み方も少し変わってほっとした。 最後の世界観が一変するのは油断していただけにおもしろかったが、なぜそこまで親しいわけではない彼らが?と少々疑問が残った。

Posted byブクログ

2015/05/18
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

『月の裏側』で登場した多聞さんが主人公の短編の寄せ集め。なんだか夢枕さんの陰陽師シリーズを思い出す風情。 『木守り男』 桜の季節、川べりを散歩する多聞は、売れっ子脚本家で豪邸と呼べる家があるにもかかわらずこの川のそばに今にも崩れそうな家を一つ持っていて、その家にいるとき男は過去の売れない脚本家だった時の自分を演じる田代に不思議な夢の話を聞かされる。田代によると、そのおんぼろな家にいるときにだけ見る夢なのだ。その夢の続きが気になった多聞に田代は答える 「コモリオトコにでもきくんだな」 (懐かしいは恐怖に似ている。) 『悪魔を憐れむ歌』 "聞くと死にたくなる歌"を歌う"セイレン"という女性シンガーの噂が気になり調べに来た多聞を、山の音が誘い込む。 "あたしは眠れないの 今夜もあの音が聞こえてくる" 『幻影キネマ』 メジャーデビューが決まったバンドのデビュー作のⅯⅤをメンバーの一人の故郷である映画などで有名なロケ地にもよくなるO市で撮影することになってから、その町出身の保は何かにおびえ始めていた。彼にその恐怖の理由を尋ねる多聞は、ある恐ろしい話を、そしてその話の意味するところの根っこを聞くことになる。 赤い犬が走り回り、窯を持った子供。犬の映画。 『砂丘ピクニック』 知り合いの翻訳家の仕事がらみの旅行に同行した多聞。彼女はある科学者がまとめたエッセイのような思想書のような奇妙な原書を訳している彼女は、その中の一節がどうにも納得できず、多聞の同行を依頼してT県の砂丘に来ていた。なんと砂丘が消えたというのだ。その消失の謎を追ううち、二人はもう一つの消失事件に遭遇する。 『夜明けのガスパール』 多聞は友人の誘いで夜行列車で怪談を話しながら香川まで行き讃岐うどんを食べに行くことになっていた。ガラスを叩く音がすると人が死ぬ。娘(だと信じている)の写真に写りこんだ母親らしき霊。患者の腹の中から出てきた拳大の髪の毛。話が続く中、多聞の心の中には一年前から失踪している妻ジャンヌのこと。その彼女から最近送られてくる写真の意味は。そして空が白む頃には…。 現実を見なさい。共有できるのは恐怖だけかもしれない。 怖い。こんなに文章で怖い思いをするとは。夏に読めばよかった。多聞さんの出ているもう一冊『月の裏側』の時も同じようなこと思ったけど。 恩田さんにしたら(失礼!)お話の着地点は見やすい。 おお、と思う描写もたくさんあった。 私はこれくらいのミステリーが好きだ。 飄々とした多聞さんの唯一人間味を剥き出しにした最後の章は胸が痛んだ。彼はこんなときまで静かに折れ曲がろうとするのか、と。 友人に貸すなら夏、月の裏側とセットで。どちらから読むの?と聞かれたらどうしようか・・・。

Posted byブクログ

2015/04/17

音楽プロドューサー、多聞の周りでは奇妙なことが起きる。  それが解決されるというわけでなく、「どうです、奇妙でしょう」といった形の話が5編。  その中で、「夜明けのガスパール」という1篇が特に面白い。  夜行列車で怪談話をしながら、四国に讃岐うどんを食べに行くという会に参...

音楽プロドューサー、多聞の周りでは奇妙なことが起きる。  それが解決されるというわけでなく、「どうです、奇妙でしょう」といった形の話が5編。  その中で、「夜明けのガスパール」という1篇が特に面白い。  夜行列車で怪談話をしながら、四国に讃岐うどんを食べに行くという会に参加した4人組の中で、多聞の心は、1年前に自分の前から姿を消したジャンヌのことが気になっている。  彼女からは時々写真の葉書が届き、この頃の無言電話は彼女ではないかと思っている。  仲間の一人が、ガラスを叩く音を聞くと人が死ぬ、という自身の体験話を語る。しかし、話していく中で、それは自分で叩いているのではないか、そうした形で納得しているのではないかということになってくる。  その無意識の捻れを自分で作り出しているという話を聞いている中で、また、電話がかかる。年をとった女性の声が「いい加減に現実を見なさい」という。  そして、多聞の現実が仲間の口から明らかになる。そのためにこの催しが計画されていたのだった。  人は、現実が過酷で信じたくないものやことは、きちんと見ようとしないものだ。そして、もっとすすむと、自分にとっての現実を捻じ曲げて、別の物語を作ってしまう。  多聞のひょうひょうとした生き方の中にも、そうした現実があること、それもとても強烈なそれがあり、これを読んだあとにまた、他の4編を読んでみるとまた違った味わいが出てくる。

Posted byブクログ

2015/02/03

やっぱり恩田陸ってこういうホラーテイストのミステリ書くのがうまいなぁ。ちょっと怖くて、本当にそれが解答なのかも分かんないんだけど、それっぽい解答が示されて、納得いくようないかないようなまま終わるんだけど、まあそれも含めてこの物語…と思えるような感じが好き。これを好めるかどうかが恩...

やっぱり恩田陸ってこういうホラーテイストのミステリ書くのがうまいなぁ。ちょっと怖くて、本当にそれが解答なのかも分かんないんだけど、それっぽい解答が示されて、納得いくようないかないようなまま終わるんだけど、まあそれも含めてこの物語…と思えるような感じが好き。これを好めるかどうかが恩田陸との相性を測る基準になるように思う。

Posted byブクログ

2014/10/19

さっぱりしているけど怪しげな雰囲気を醸し出す作品群。特に感動もしないのだが読み進めてしまう。世代間やグループ間の価値観の差異が顕著になってしまうと、共有できるのは恐怖のみという件はなるほどと思った。

Posted byブクログ

2013/11/05

多聞さんは、本当に好きなキャラクターですね。引き付けられます。多聞さんが出てる本がまだあるようなので、楽しみです。何気なく始まる謎解きが素敵です。 ラストは嗚咽が止まらなくて、家で良かった。

Posted byブクログ

2013/09/07

夏の終わりに鳥肌。昨日読み終わった本も世にも奇妙な物語系だったけど、これも負けじと死なないミステリー。さすが恩田陸、退屈しなかった!多聞さん、他の本にも出てくるらしい。読んでみよう。一冊の中でしっかり時間が進んでることがいい。

Posted byブクログ

2013/09/06

2話目までは『月の裏側』に関係があるのかなぁと思ったが、3話目からは雰囲気が違った。 作品の発表順じゃなくて最後に『夜明けのガスパール』を持ってきてくれて良かったと思う。もし、発表順に収録されてたら、1・2と3・4の印象の違いは埋まる気がするけど主人公が同じである意味は無くなって...

2話目までは『月の裏側』に関係があるのかなぁと思ったが、3話目からは雰囲気が違った。 作品の発表順じゃなくて最後に『夜明けのガスパール』を持ってきてくれて良かったと思う。もし、発表順に収録されてたら、1・2と3・4の印象の違いは埋まる気がするけど主人公が同じである意味は無くなってたと思う。それに『月の裏側』を含めた不思議な世界が否定された気がしてたと思う。 できれば最後までチョット謎残しモヤモヤ系で行って欲しかったなぁ・・・。 『ガスパール』の毛の話はゾッとした。

Posted byブクログ

2013/07/09
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

買うほどではないが、面白かった。恩田陸さんっぽい話。結構怖いというか不気味というか、なかなかホラー系だった。あと人物がパーフェクトすぎたりして、恩田さん夢見てるなぁ、という感じ。 最後の話は微妙。

Posted byブクログ