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芋虫 の商品レビュー

4

96件のお客様レビュー

  1. 5つ

    25

  2. 4つ

    42

  3. 3つ

    20

  4. 2つ

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2026/02/23

短編がこんなに入ってるとは思わなかった。 どれもはらはらどきどきの話だった! 読みたかった芋虫は文字なのにリアルに想像できてグロすぎた

Posted byブクログ

2026/02/08

芋虫 野中の一軒家にとじ籠められ、行末に何の望みも失った、殆ど無と云ってもよかった二人の男女にとっては、それが生活の凡てであった。動物園の檻の中で一生を暮らす、二匹のけだものの様に。 そんな風であったから、時子が彼女の夫を、彼女の思うがままに、自由自在に弄ぶ事の出来る、一個の大き...

芋虫 野中の一軒家にとじ籠められ、行末に何の望みも失った、殆ど無と云ってもよかった二人の男女にとっては、それが生活の凡てであった。動物園の檻の中で一生を暮らす、二匹のけだものの様に。 そんな風であったから、時子が彼女の夫を、彼女の思うがままに、自由自在に弄ぶ事の出来る、一個の大きな具と影像すに至ったのは、誠に当然であった。又、不具者の恥知らずな行為に感化された彼女が、常人に比べてさえ丈夫丈夫していた彼女が、今では不具者を困らせる程も、飽くなきものとなり果てたのも、至極当り前のことであった。 彼女は時々気狂いになるのではないかと思った。 物も云えないし、こちらの言葉も聞えない、自分では自由に動くことさえ出来ない、この奇しく哀れな一個の道具が、決して木や土で出来たものではなく、喜怒哀楽を持った生きものであるという点が、限りなき魅力となった。その上、たった一つの表情器官であるつぶらな両眼が、或時はさも悲しげに、或時はさも腹立たしげに物を云う。しかもいくら悲しくとも、涙を流す外には、それを拭うすべもなく、いくら腹立たしくとも、彼女を威嚇する腕力もなく、遂には彼女の圧倒的な誘惑に耐え兼ねて、彼も亦異常な病的昂奮に陥ってしまうのだが、この全く無力な生きものを、相手の意にさからって責めさいなむことが、彼女にとっては、もう此上もない愉悦とさえなっていたのである。 「ユルス」 時子はそれを「許す」と読み得た時、ハッと凡ての事情が分ってしまった様に思った。 不具者は、動かぬ身体を引ずって、机の上の鉛筆を口で探して、彼にしてはそれがどれ程の苦心であったか、僅かに片仮名三字の書置きを残すことが出来たのである。 「自殺をしたのかも知れませんわ」 あの柱には「許す」と書いてあった。あれは彼女が先に不具者の胸に「ユルシテ」と書いた言葉の返事に相違ない。彼は「私は死ぬ。けれど、お前の行為に立腹してではないのだよ。安心おし」と云っているのだ。 この寛大さが一層彼女の胸を痛くした。

Posted byブクログ

2026/01/27

ー芋虫ー 気持ち悪くて描写がリアルで 生々しくて、不穏。 でもそれだけじゃない、ちょっぴり切ない。 このキモさと切なさのバランスが絶妙かも。

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2025/12/16

私に新しい性癖を与えてくれた作品。芋虫を読んで以降、四肢欠損や白痴化、幼児退行、とにかく誰かの手を借りなければ物理的に生きていけない、もはや人間と呼ぶにはあまりにも哀れすぎる生き物と化してしまった人間が登場する作品が大好きになってしまった。誰にでも勧めようとは思わないが、できる限...

私に新しい性癖を与えてくれた作品。芋虫を読んで以降、四肢欠損や白痴化、幼児退行、とにかく誰かの手を借りなければ物理的に生きていけない、もはや人間と呼ぶにはあまりにも哀れすぎる生き物と化してしまった人間が登場する作品が大好きになってしまった。誰にでも勧めようとは思わないが、できる限り多くの人に読んでもらい、人のエゴの罪深さや、どうしても抱いてしまう優越感と嗜虐欲、罪悪感、全てを感じてもらいたい。新しい世界が開かれるので。

Posted byブクログ

2025/12/04

かなりグロテスクである。電車で読んでいる時に顔に出てしまうくらいうわっとなった。 しかし、人間味が感じられるというか、人間の闇でそれらへの期待・好奇心の部分を上手く描写していると感じた。 日常に刺激を求めている人に良い作品だと思う。 短編集が詰まった本で読みやすい。(最後の2作だ...

かなりグロテスクである。電車で読んでいる時に顔に出てしまうくらいうわっとなった。 しかし、人間味が感じられるというか、人間の闇でそれらへの期待・好奇心の部分を上手く描写していると感じた。 日常に刺激を求めている人に良い作品だと思う。 短編集が詰まった本で読みやすい。(最後の2作だけ少し長め)

Posted byブクログ

2025/11/10
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

芋虫。江戸川乱歩の作品は何も知らずに読み始めてはいけないとさえ思った衝撃。無論、読み進めてその惨さに気づく過程に興を覚えてしまっていることも事実なのだけど、とはいえあまりにも凄惨であった。 なんとか芋虫を読み切り、この物語の背景を調べて納得。一つの啓蒙でもあったのではないか。そんな推察をしつつ余韻に浸り、覚悟を決めて頁を捲る。するとほんの数ページで終わるじゃないか。あまりの呆気なさ、というよりは、その読み応えのバランスを考えた人に脱帽した。ずっとキリキリ胃が痛くなるような緊張感からふっと解放されたような読後感。この順番を決めた人に一本取られた……と思った。 その後の話もまぁ惨いけど、江戸川乱歩の語り口の面白さはシリーズ①からずっと感じていて好き。倫理観で保たれている部分を容赦なくぶち壊してくる思考と視点は私にとってあまりにも並外れていてそれもまた一興。 これらを構成する江戸川乱歩の発想力がどこからくるのか、、と感服していたら最後に全て解説してくれていた。感謝。

Posted byブクログ

2025/10/31
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

表題作『芋虫』はあまりにも凄惨を極めた内容で衝撃を受けました。評点は『芋虫』だけの評価。 外界からの(性的)刺激を受信する感覚器官の欠損という点で『人間椅子』に通ずる異常性愛の形であると読み取ることもできます。 『人でなしの恋』は性愛の異常さでいえば、『芋虫』には遠く及びません(我基準)が、両作ともに残された妻は生涯罪の意識に苛まれることでしょう。 探偵小説的趣向が強いのは『夢遊病者の死』とせいぜい『双生児』くらいで他はほぼ怪奇小説。 『芋虫』と『人でなしの恋』以外は正直微妙で、『踊る一寸法師』は結構よかったかな。元ネタのエドガー・アラン・ポー『ちんば蛙』も読まねばならん。 あと巻末の三津田先生の解説が良い。未収録の『陰獣』で解説を〆るほどお気に入りなのが面白い。

Posted byブクログ

2025/10/22

 両手両足を失った夫と献身的な妻の歪な夫婦関係、「自分は九十九人殺した」と宣う一人の男の体験談、どこか浮世離れした夫の異常な恋模様など怪奇幻想趣味とエログロが強烈な九編が収録された短編集で、どの作品も異常性に占められながらどこか美しさも感じられるものばかりで色褪せない面白さだった...

 両手両足を失った夫と献身的な妻の歪な夫婦関係、「自分は九十九人殺した」と宣う一人の男の体験談、どこか浮世離れした夫の異常な恋模様など怪奇幻想趣味とエログロが強烈な九編が収録された短編集で、どの作品も異常性に占められながらどこか美しさも感じられるものばかりで色褪せない面白さだった。

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2025/10/15
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

人間であるということは、理性を備えているということだけでなく、乱歩の描く様な異常な本能・欲望をも持っているということなのだろう。 赤い部屋の終盤では、読者の意表を突いてくるとともに、人間椅子のラストのように本当に創作だったのかという不安感も感じさせてくる。 火星の運河や踊る一寸法師では、乱歩の巧みな描写により底しれぬ恐怖と歪んだ性愛を感じることができる。火星の運河のラストの女性への隠喩は、特段と美しい文だった。

Posted byブクログ

2025/10/13
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

赤い部屋、人でなしの恋が面白かった。 表題作の芋虫は井戸までどうやって行ったんだろうと疑問。 確かにあの状態で何十年も生きるくらいなら…って思ってしまう。

Posted byブクログ