芋虫 の商品レビュー
四肢を戦争で損傷した者を「芋虫」として喩える。そしてその芋虫を弄び、挙句の果てに…。とまぁ、乱歩ワールド前回の表題作から人間が人間を殺すストーリーの短編も収録されており、ホラー好き、乱歩好きの人間には至高の一冊。 私は、赤い部屋というお話が実に面白かったです。今の世にも、親し...
四肢を戦争で損傷した者を「芋虫」として喩える。そしてその芋虫を弄び、挙句の果てに…。とまぁ、乱歩ワールド前回の表題作から人間が人間を殺すストーリーの短編も収録されており、ホラー好き、乱歩好きの人間には至高の一冊。 私は、赤い部屋というお話が実に面白かったです。今の世にも、親しみ易い物語を書いてくれた乱歩氏に敬意を評します。
Posted by
2024/10/22読了 すらすらと読みやすく、気づけば夢中になって読み進めていた。描写が鮮明な故に、生々しい描写が苦しい。怖かった。 偉大な愛の話だと思った。
Posted by
「ユルシテ」 「ユルス」 目も耳も聞こえず手足もない須永。身振り手振りや仕草だけで相手のことを判断するしかない彼にとって最後の『ユルシテ』という時子からのメッセージは別れの言葉と捉えても仕方がないと思う
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
【踊る一寸法師】や、【指】などのはなしは読んだあとも不気味さを残して終わっていったりオチがなかったり、読んでいる時以外もその話のことで頭がいっぱいになりました✨
Posted by
初めての乱歩。名前だけでミステリー推理小説ばかりを書く人だと思い込んでいて、推理小説はエドガー・アラン・ポーやコナン・ドイルで満足していたからこれまで読んでいなかった。ある人が「芋虫」を薦めていたのでたまたま書籍のタイトルになっていた本書を購入して読んでみたらすごく良かった。「芋...
初めての乱歩。名前だけでミステリー推理小説ばかりを書く人だと思い込んでいて、推理小説はエドガー・アラン・ポーやコナン・ドイルで満足していたからこれまで読んでいなかった。ある人が「芋虫」を薦めていたのでたまたま書籍のタイトルになっていた本書を購入して読んでみたらすごく良かった。「芋虫」以外は...。 本書は角川ホラー文庫が編纂しただけあって奇怪もの・幻想ものの短編が収録されていて、その世界観が自分にものすごくマッチしていた。村上春樹の幻想ものも好きだが、彼の作品にはない、人間の根幹にあるホラー性に引き込まれる。乱歩の描く人間のホラー性は村上春樹の小説や映画「キャタピラー」で描かれているエロスや暴力性よりももっと心の深いところにあるものである。実際、エロスや暴力性を描くところで終わってしまっている最近の村上春樹の小説や「先進的」邦画には辟易するものがあるが、乱歩の作品では「人間の根幹に存在するホラー性」と今まで考えたこともなかったテーマについてすんなりと入って行くことができた。 さて「芋虫」であるが、本書に収録されているものは伏せ字だらけでせっかくの乱歩の世界観が台無し。途中で読むのをやめてしまって他社の文庫本を購入して読み直してしまった。作品自体はものすごくいい。もう乱歩の虜になってしまったかもしれない。 乱歩の作品は各社文庫本を出していて編纂の仕方も異なるから最初から一通り読んでみようという意気込みがない限り、最初にどれに当たるかでその後の明暗というか好きずきを分けてしまうかもしれない。自分はたまたま最初に読んだ文庫本が(「芋虫」を除いては)「当たり」だったので、もっと他の幻想・奇怪ものを読んでみたいし、推理ものも読んでみたくなって、ちくま文庫の短編全集を購入した。
Posted by
中学生の頃に読んで今なお覚えている作品。たぶん読んだら忘れられないやっぱり江戸川乱歩はこれをシラフで描いているのだから変態
Posted by
乱歩作品の中からホラー色の強いものを選んだ短編集。表題作は戦争で四肢も聴覚も声帯も失った夫と、その妻との"異常"で、二人にしかわからない"親密"な生活を描く。 怖気が走るほど描写が生々しく、読み終わった今でも脳から離れない。同時に怖さを超え...
乱歩作品の中からホラー色の強いものを選んだ短編集。表題作は戦争で四肢も聴覚も声帯も失った夫と、その妻との"異常"で、二人にしかわからない"親密"な生活を描く。 怖気が走るほど描写が生々しく、読み終わった今でも脳から離れない。同時に怖さを超えた愛を垣間見る。
Posted by
『江戸川乱歩異人館』って漫画から江戸川乱歩に入りました(漫画も狂ってて最高)芋虫。タイトル見た時から嫌な予感はしてたけど大当たりしてしまった。絶対みちゃダメよ!って言われてるものを覗き見している気分で読んだ。時子のきもちはわからんでもない。あんな閉塞感のある生活してたらああなる可...
『江戸川乱歩異人館』って漫画から江戸川乱歩に入りました(漫画も狂ってて最高)芋虫。タイトル見た時から嫌な予感はしてたけど大当たりしてしまった。絶対みちゃダメよ!って言われてるものを覗き見している気分で読んだ。時子のきもちはわからんでもない。あんな閉塞感のある生活してたらああなる可能性は誰にだってある。短編なのに強烈な読後感。たまらんです。
Posted by
芋虫、本当に気持ち悪いなと思ったけど時子の気持ちというか癖わかる〜と思ってしまって自分でもちょっと引く
Posted by
同期に借りた。芋虫は名前だけ聞いたことあったし内容もぼんやりは知っていたけれど期待を裏切らないキモさだった。時子は内なる残虐性を満たすために肉独楽化した夫の世話をしていた…というか飼っていたんだろうな。愛もあったから世話をし続けられたのかもしれないけれど夫のためというかは自分のた...
同期に借りた。芋虫は名前だけ聞いたことあったし内容もぼんやりは知っていたけれど期待を裏切らないキモさだった。時子は内なる残虐性を満たすために肉独楽化した夫の世話をしていた…というか飼っていたんだろうな。愛もあったから世話をし続けられたのかもしれないけれど夫のためというかは自分のため。白昼夢も狂気的な愛の話っぽかった。夢遊病者の死は以前読んだ『儚い羊たちの祝宴』に出てきたし双生児は後に読んだ『死体を買う男』にもオマージュされている感じがあった。(乱歩作品には一人二役トリックが多く用いられているらしい。)どの作品も残虐。印象に残ったのは踊る一寸法師。いじめられっ子がキレて手を付けられなるってこういうことなんだろうな。あと人でなしの恋はこの時代にも人形嗜好ってあったんだ…と思った。エドガー・アラン・ポーは読んだことないけれど乱歩の作品と比べてみたい。
Posted by