マイナス・ゼロ 改訂新版 の商品レビュー
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まさにタイムトラベルものの秀作。 主人公が過去に行き、戻れないとなった時点で大よその展開は予想できるが、それ以上にその時代での生活描写が 面白くてどんどん読めるのが素晴らしい。 クライマックスの怒涛の展開もハラドキ胸熱で、古臭さもなんのその、大勢の人に読んで貰いたいと心底思った。
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タイムマシンものの古典。 ロジックも美しく、正統派だと思いますが、うーん、今読むと古臭さがぬぐえません。
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昭和2年から昭和38年までの東京を舞台に、未来人によってもたらされたタイムマシンによって人生を翻弄された男女の物語。 結末は、ありがちじゃん、と一瞬思うも、よく考えたらこの小説は1970年に書かれた物、ということはむしろこの作者のアイデアも今のSFの元になっているということだろう。 タイムトラベルする男が、実はタイムマシンに出会う家主その人、また女は妊娠したまま自分が生まれるより少し前の時代に行き、そこで産み落とした娘が実は自分であり、娘は母同様妊娠して過去に行き再び娘を産むという、男女共に永遠の循環に陥ったがためのパラドックスが面白い。 この作者も1972年に47歳と言う若さで亡くなったそう、伊藤計劃もそうだが、これから有望と言われる作家の夭折は残念でならない。
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とてもおもしろかった。タイムマシンの話。過去にいっても普通に生活していく様子と最後の謎の解決がとてもよかった。
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面白かった。 タイムマシンものやけど、タイムマシンに何回も乗ってぐっちゃぐっちゃにならんところが良い。読み終わってから濱中伊小及ってメモのページに戻るとストンと理解出来るのも気持ちいい。 しかし啓子の出自が怖すぎる。あと警官どうなったんや。
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日本のタイムマシン小説の元祖的な作品だと思いますが、いかんせん古臭い感じがしてしまうのと、今となっては科学的な緻密さに欠ける感じがしてしまって、今ひとつのめり込めませんでした。
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日本のタイムトラベル小説の最高傑作や金字塔と謳われている本書。 評価されている所以でもある「生活」描写の丁寧さは、作者の広瀬正が建築学科出身であることと少なからず関係はあるんだろうね。
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宮部みゆきの「蒲生邸事件」のあとにこれを読んだ。舞台は同年代だけれど、受ける印象が違うように感じた。身分の違いのせいか。「蒲生邸事件」の方は(雰囲気が)大正浪漫の延長という感じ。「マイナス・ゼロ」は戦前だけれどどこか近い過去に感じる。庶民の暮らしはあまり変わらないものだと思った。...
宮部みゆきの「蒲生邸事件」のあとにこれを読んだ。舞台は同年代だけれど、受ける印象が違うように感じた。身分の違いのせいか。「蒲生邸事件」の方は(雰囲気が)大正浪漫の延長という感じ。「マイナス・ゼロ」は戦前だけれどどこか近い過去に感じる。庶民の暮らしはあまり変わらないものだと思った。 パラドックスはよくできていてややこしいくらいなので、もう一度整理しながら読みたい。
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〝タイムトラベルもの〟と一言でくくってしまうには、あまりにもたくさんの仕掛けと色彩をもつ〝びっくり箱〟のような小説。 空襲のさなか、少年だった主人公に、18年後の同じ日、同じ時間にここに来るようにと言い残し絶命した隣家の〝先生〟。18年後、言いつけどおりその場所を訪れた主人公を...
〝タイムトラベルもの〟と一言でくくってしまうには、あまりにもたくさんの仕掛けと色彩をもつ〝びっくり箱〟のような小説。 空襲のさなか、少年だった主人公に、18年後の同じ日、同じ時間にここに来るようにと言い残し絶命した隣家の〝先生〟。18年後、言いつけどおりその場所を訪れた主人公を待ち受けていたのは、人と人との不思議な縁(えにし)をめぐる時間を越えた旅であった……。 たとえどんな道を選ぼうとも、最後に辿り着く場所はひとつ。それが運命の赤い糸ならば、けっして途中でプツンと切れたりはしないものなのだ。 ちなみに、文中に登場するエピソードで個人的にいちばん好きなのは、自分に自分でごちそうを奢って少年時代の密かな思いを果たすところ。ちょっと乾いた洒脱な〝笑い〟もまた、この小説の魅力のひとつである。あとは、文字通り「現代っ子」らしい最後の娘の言葉。タイムマシンがあろうとなかろうと、けっきょく一番たいせつなのは「いま」なんだよね。
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タイムトラベルSF純愛ミステリ。 昭和と人情。 面白かったー。 タイムマシン自体のディティールはさほど凝られていないんだけれど、 パラドクス的な部分は練られているなーと感心しきり。 ある程度は(ボクにしては珍しく)予測の範囲だったけれど、 結末はそれをはるかに凌駕する。 ボ...
タイムトラベルSF純愛ミステリ。 昭和と人情。 面白かったー。 タイムマシン自体のディティールはさほど凝られていないんだけれど、 パラドクス的な部分は練られているなーと感心しきり。 ある程度は(ボクにしては珍しく)予測の範囲だったけれど、 結末はそれをはるかに凌駕する。 ボクなりに一言で表すならば、「びっくり仰天」かな(笑)。 この時代に書かれたタイムトラベルSF物としては間違いなく金字塔だと思う。 作者のユニークな持論と実験的な取り組みが相まって、思考が刺激された。 ボクもあれこれ考えたくなった。
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