マイナス・ゼロ 改訂新版 の商品レビュー
『マイナス・ゼロ』のタイムマシンの行く先が「昭和7年」!大工のカシラの家に間借りするシチュエーションがユーモア溢れてますよ。 「あり合わせですみません」とおかみさんが出したのが、クサヤの干物。ゴールデンバットで一服、いやあ、いいですね。 主人公が巡る自分史の旅に同行するようなリ...
『マイナス・ゼロ』のタイムマシンの行く先が「昭和7年」!大工のカシラの家に間借りするシチュエーションがユーモア溢れてますよ。 「あり合わせですみません」とおかみさんが出したのが、クサヤの干物。ゴールデンバットで一服、いやあ、いいですね。 主人公が巡る自分史の旅に同行するようなリアリティ溢れる描写がいい。驚くほど詳細な銀座の風景が甦ります。ゲーリー・クーパーとマレーネ・デートリッヒの映画「モロッコ」もも登場!ダットサンが無免許で運転出来たこと、ジョニ黒が1本9円、外国タバコはゲルベゾルテ、慶応の選手・水原、ヨーヨーに白木屋・・・ 和田誠のカバーイラストと解説の星新一もいいですね。傑作SF小説!!
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始まりが戦争時。 またえらい所から始まってる…と読み始めれば面白い! 妙な申し出をそのまま受け取る家主に 久しぶりに会ったとなりのお姉さん。 そして出会った人々。 始まりは最初に。 最初は始まりに。 ぐるぐると回るメビウスの輪、です。 3分の2くらい読んで、展開が分かってきま...
始まりが戦争時。 またえらい所から始まってる…と読み始めれば面白い! 妙な申し出をそのまま受け取る家主に 久しぶりに会ったとなりのお姉さん。 そして出会った人々。 始まりは最初に。 最初は始まりに。 ぐるぐると回るメビウスの輪、です。 3分の2くらい読んで、展開が分かってきます。 が、それでも面白い。 かなり続きが気になって仕方がないです。 そして最後までいきついて、あれ? と。 そして奥付を見てびっくりでした。 そこでやっと『今』がどこなのかが分かって なるほど、と1人納得でしたw
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うわー、すごいタイムパラドックス。こういう終わり方をするとは思わなかった。かなり意欲的な作品。電気や真空管の話など、著者の傾倒するものへのコダワリが面白い。
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祝・復刊。 SF苦手という方にもすすめたい。 理系っぽいSF的想像力はもちろんだが、具体的な町の描写にリアリティがある。 特に、銀座が生まれた町で、思い入れがあるようで、2作とも主要な舞台として扱われている。 解説によると、広瀬正は工学部出身で、建築を先行していたらしい。 立体...
祝・復刊。 SF苦手という方にもすすめたい。 理系っぽいSF的想像力はもちろんだが、具体的な町の描写にリアリティがある。 特に、銀座が生まれた町で、思い入れがあるようで、2作とも主要な舞台として扱われている。 解説によると、広瀬正は工学部出身で、建築を先行していたらしい。 立体的に町を捉える視点を持っていたんだろう。
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名作の誉れ高い本作を今頃読んで言うのもなんなんですが…。やっぱり古い。「夏への扉」は「文化女中器」なんて名称が出てくるのに古くさく感じないのだけど。 どうしても納得いかないのがヒロインをはじめとした女性の描き方。顔がきれいだという以外なーんにも書いてなくって全然魅力的じゃない。...
名作の誉れ高い本作を今頃読んで言うのもなんなんですが…。やっぱり古い。「夏への扉」は「文化女中器」なんて名称が出てくるのに古くさく感じないのだけど。 どうしても納得いかないのがヒロインをはじめとした女性の描き方。顔がきれいだという以外なーんにも書いてなくって全然魅力的じゃない。「運命の恋」ともとれるお話なのにそういうムードは全く漂わない。ただただタイムトラベルというこの上なく魅惑的なテーマに全体が奉仕している感じ…。 でも、それもわかる気がする。タイムトラベル!それだけでもう三つ星だ!「七瀬」も「タイムトラベラー」もここを源流として生まれてきたんだろうな。(なぜかどれも若い女性が出てくる。好意的に考えれば「取り返しのつかないもの」を強く意識させるせいだからだろう。意地悪く見れば多くのSFは「大人の女性」が苦手だからだ。←これは本当にしばしば感じる) それにしても、失礼を顧みず言えば、このストーリーをもっと小説のうまい作家で読みたい。伊坂幸太郎が書いたら大傑作ができそうだ。
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タイムパラドックスものとして日本SF最高の作品と讃えられるのが広瀬正の「マイナス・ゼロ」です。 広瀬正は残念ながら若くして亡くなってしまいましたので残された作品の数は少ないのですが、どの作品も第一級の作品に仕上がっていると思います。 その珠玉の作品でのなかで最高峰の作品がこの「マ...
タイムパラドックスものとして日本SF最高の作品と讃えられるのが広瀬正の「マイナス・ゼロ」です。 広瀬正は残念ながら若くして亡くなってしまいましたので残された作品の数は少ないのですが、どの作品も第一級の作品に仕上がっていると思います。 その珠玉の作品でのなかで最高峰の作品がこの「マイナス・ゼロ」でしょう。ず~~っと昔に、NHKのラジオドラマ、日曜夜9時の「日曜名作座」でも森繁久弥さん、加藤道子さんの名演で本当によかったと思います。 日本のSFにこんな作品があるのか、目から鱗とはこんなことかと思ってしまうこと請け合いです。 長い間絶版みたいな状態で、古本を地道に探すしかなかったのが再版されて入手しやすくなったのはよいことだと思います。
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私の時間モノのバイブルという作品。時間ものを作ろうとする人は、まずこれを読んでからにして欲しい。酷い時間ものが多すぎる。
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浜田少年は、戦時中に空襲に巻き込まれた隣人との約束を守り、18年後約束の場所へ。そこに現れたのは・・・・ずっと会いたかった、懐かしい人物であった。タイムマシーンが登場する、読んでいる側の読者もタイムスリップしたような感覚になれる、読み応えのあるSF小説。(2009.7.3)
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張り巡らされた伏線の回収の仕方、緻密な描写が本当にすごい小説。 浜田俊夫本人の手で、浜田俊夫自身の人生が形成されていく様。 昭和7年の銀座の通りをあれだけ緻密に再現できるのはすごい。 あえて、突っ込むならレイ子の扱いがやや弱いぐらいか。 本当に美しい小説です。 作者は自分の...
張り巡らされた伏線の回収の仕方、緻密な描写が本当にすごい小説。 浜田俊夫本人の手で、浜田俊夫自身の人生が形成されていく様。 昭和7年の銀座の通りをあれだけ緻密に再現できるのはすごい。 あえて、突っ込むならレイ子の扱いがやや弱いぐらいか。 本当に美しい小説です。 作者は自分の力の及ばないところで決まることが多い人生も そんなに悪くはないもんだというメッセージを込めたんではないかと、 個人的には思った。
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タイムマシンで時代を超えて過去から来た少女と、タイムマシンで過去へ行き、過去を変えなかったことで今に至った男。まっすぐ進んでいたようで交差し、循環する道。 読み始めてすぐにオチが想像できてしまうネタもあるが、早とちりをしたネタもあって「そうきたか」と最後まで一気に読んだ。 ただ、...
タイムマシンで時代を超えて過去から来た少女と、タイムマシンで過去へ行き、過去を変えなかったことで今に至った男。まっすぐ進んでいたようで交差し、循環する道。 読み始めてすぐにオチが想像できてしまうネタもあるが、早とちりをしたネタもあって「そうきたか」と最後まで一気に読んだ。 ただ、一つ二つ、先生のことやレイ子さんの数字等 未消化の(説明を省いた)ネタもあるんじゃないかなぁと思うのは、読み込みがたりなかったからか。 読者の解釈の余地を残しているのか。 あれがここにつながるか、というものが 途中、端々にあったとしても 小さなピースが大きな幹へつながっていく 最終的な速度は圧巻
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