マイナス・ゼロ 改訂新版 の商品レビュー
タイムマシンに翻弄された人生。 考えさせられるなぁ。 頭ん中がこんがらがるけど、おもしろい。 ラストの真相はちょっと予想外。
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1972年、48歳で急死したSF小説家、広瀬正による傑作タイムトラベル小説。 昭和38年、主人公の前に突然、現れたタイムマシンを発端に、主人公は時系列の渦に巻き込まれる。 タイムトラベルによるパラドックスをこれでもかと張り巡らし、数々の複線が最後には気持ちよくまとまっていく。...
1972年、48歳で急死したSF小説家、広瀬正による傑作タイムトラベル小説。 昭和38年、主人公の前に突然、現れたタイムマシンを発端に、主人公は時系列の渦に巻き込まれる。 タイムトラベルによるパラドックスをこれでもかと張り巡らし、数々の複線が最後には気持ちよくまとまっていく。 実はコノ人はアレで、アノ人はコレだった・・・。そんな展開を繰り返し、「あー、こういうことだったのか」と、主人公も読者も納得の大団円、ハッピーエンド。 「近親相姦」なんてコトバが浮かびそうな気がしないでもないラストではあるけど、壮大で練りに練り込まれたストーリーに感動してしまった。
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タイムトラベルものSF。優しい視点でノスタルジックかつ緻密に描写される昭和初期の生活が良かった。随所に仕込まれた伏線が終盤で一気に回収されていくのも爽快。面白かった!!。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
鮮やかだ。ジグソーパズルのピースが一枚一枚あわさっていって、そして最後の一枚がパチリと音を立ててはまる瞬間の、あの鮮かさだ。ラストが近付くにつれて震えが止まらなくなり、読み終わったときにはしばし茫然とした。 タイム・マシンに憑りつかれ、夭折した広瀬正の代表作。全体を貫くテーマは、「存在の環のパラドクス」だが、アイデア一発ではなく、的確な肉付けによって血が通い、活き活きと躍動する一遍の小説に仕上がっている。とくに戦後間もない銀座の描写は、解説の星新一ならずとも、感銘を受けるところだろう。そして、ずっと暗示されていた大きな環(ネタバレするので、詳細略)の存在が示されたとき、すべてのピースがおさまるべき場所におさまり、一枚の、しかし無限に続く絵が浮かび上がる。小さな環(ライター)が好対照を成しているのも素晴しい。
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とっても物語に引き込まれました。 引き込まれすぎて電車を乗り過ごしたり、「ここは過去だ」と錯覚したり。
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長編タイムトラベルものの楽しさは、タイムパラドックスをいかにしてうまく丸め込んで最後にパズルのピースをぴったりあわせるか、だと思う。「マイナス・ゼロ」も順調にパズルのピースが埋まっていくのがまさに快感。だがしかし先の見え透いた予定調和ではなく、予想外の事柄も起こりつつきっちり落ち...
長編タイムトラベルものの楽しさは、タイムパラドックスをいかにしてうまく丸め込んで最後にパズルのピースをぴったりあわせるか、だと思う。「マイナス・ゼロ」も順調にパズルのピースが埋まっていくのがまさに快感。だがしかし先の見え透いた予定調和ではなく、予想外の事柄も起こりつつきっちり落ち着くところにまとまるのには参ったというしかない。特に終盤の展開は、まさかの連続。矛盾がないといえば嘘になるが、そんな重箱の隅をほじくるのが野暮に思えるほど全体構成の完成度が高い。 タイムマシンが跳んだ昭和初期を舞台に戦前日本の人々の暮らしが蘇って、昭和をあまり知らない私にとっては、二重の意味でタイムトラベルしたみたいだった。日本人として、読んでおきたいSFと言われている(?)のも素直に肯ける。
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途中の展開はある程度読めましたが、最後の最後で裏をかかれ、いい意味で筆者に一杯食わされた感じがします。司馬遼太郎氏が絶賛したのにも頷けます。
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●十分な準備もせずタイムマシンを動かしたり、しどろもどろな話しから 不審がられタイムマシンのことを話してしまったりと、場当たり的な 俊夫の行動に辟易しながら読んでいたが、何をやっても歴史が辻褄を あわせてしまう、むしろ歴史の通りになるようにことを運ばなければ ならない、と...
●十分な準備もせずタイムマシンを動かしたり、しどろもどろな話しから 不審がられタイムマシンのことを話してしまったりと、場当たり的な 俊夫の行動に辟易しながら読んでいたが、何をやっても歴史が辻褄を あわせてしまう、むしろ歴史の通りになるようにことを運ばなければ ならない、と俊夫が考えていることは興味深い。俊夫の行動は論理的な ものではなく、本能的なものに思える。歴史の通りに事を運ばなければ、 自分の生存が脅かされると感じているのかもしれない。 ☆きっかけは『SFはこれを読め』を見たことと、病院の本屋でみつけたこと。 読了日:2010/06/23
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タイムトラベル物であるが、 非常に優れた作品に仕上がっている。 各ピースが、パチリパチリと狙った所に上手く収まって、 最終的に上手く 1 本の線となっていく。 作者のテクニックに脱帽する。 戦前の東京の描写も秀逸。
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タイムトラベルものとして、よく練られていて、目に付くパラドックスもなく、しかも最後にはどんでん返しがある。 タイムトラベルものでは、因果関係の遊びが色々されてる良作がたまにあるけど、この作品もそういった遊びがあり、しかも破綻が無くよくできていた。 だが、昭和に行ってからの描写では...
タイムトラベルものとして、よく練られていて、目に付くパラドックスもなく、しかも最後にはどんでん返しがある。 タイムトラベルものでは、因果関係の遊びが色々されてる良作がたまにあるけど、この作品もそういった遊びがあり、しかも破綻が無くよくできていた。 だが、昭和に行ってからの描写では、特に何か事件が起こるわけでもなく、日々の生活が長々と展開していくので、ちょっと読むのがつらかった。
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