1,800円以上の注文で送料無料

さよなら渓谷 の商品レビュー

3.5

193件のお客様レビュー

  1. 5つ

    16

  2. 4つ

    70

  3. 3つ

    75

  4. 2つ

    15

  5. 1つ

    1

レビューを投稿

2017/11/09
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

読んでる間ずっと、肌にべっとりとまとわりつく湿気というか、夏のあの独特の蒸し暑さを感じた。 過去の事件も現在も夏にあることで、あの夏から逃れられない感がより際立つ。 登場人物の心理描写の距離感もよかった。 加害者と被害者の心の底なんて、分からない。 かなこが、夫婦の仲なんて一言で言えないだしょう?みたいなことを言っていたのが、この物語の全てなのかなと。 ラスト、俊介は幸福なのか、いや不幸だからこそ彼は幸福なのかとも。

Posted byブクログ

2017/03/20

大学の名門野球部で起きた集団レイプ事件の被害者と加害者の間の他人には理解しがたい憎しみとシンパシーの感情を描いています。とても重いテーマです。 後半で、息子も娘ももつ父親の発言として、娘が被害にあったら「犯人を殺してやりたい」と思うけど、息子が加害者だったら「そんな小さなことで...

大学の名門野球部で起きた集団レイプ事件の被害者と加害者の間の他人には理解しがたい憎しみとシンパシーの感情を描いています。とても重いテーマです。 後半で、息子も娘ももつ父親の発言として、娘が被害にあったら「犯人を殺してやりたい」と思うけど、息子が加害者だったら「そんな小さなことで将来を棒に振るな」と思う、というくだりにショックを受けました。 「怒り」「悪人」の吉田修一さんは、犯罪当事者の心情を掘り下げる専門家の趣きです。 ただ、あえて不満を挙げれば、加害者も主人公にしているせいか、実際のレイプのシーンがあいまいで、本当の犯罪の卑劣さが描き切れていないのではないかと思ったこと、本筋ではない里美の息子の事件の真相がはっきりせずもの足りない感じがすることですかね。

Posted byブクログ

2017/02/07

これはあの事件を・・・、と思ったら、物語の本筋は、違うところ。嫌な事件が扱われている。幸せになることを許されない、切ない話。

Posted byブクログ

2016/12/25

うーむ、評価が難しい作品。3時間以内で一気に読めてしまった。登場人物の心情に共感できないが、それは仕方ないのだろう。

Posted byブクログ

2016/11/13

集団レイプを起した犯人と被害者のその後を描く作品。 二人とも幸せになれずにいる。ネット社会では過去は消せない。 それが若者の無難な生き方に通じていっているのかもしれない。

Posted byブクログ

2016/10/09

隣家で起こった事件から、夫婦の過去が明らかになったいく。 言葉では言い表せない深い作品。傑作だと思う。 扱っている題材が重くて、読んでて辛かった。 (図書館)

Posted byブクログ

2016/07/26
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

隣人の子供が殺された事件から、夫婦の過去が明らかになっていく。 夫である尾崎俊介は、昔ある事件を起こしていた。 加害者である尾崎はずっと後悔をしていたのか? それとも忘れて過ごしていたのか。 きっと悔いながら生きていたのだろう。 被害者から許されることはないと思いながら。 妻のかなこは謎の多い女だったが、ある記者が気づいたことで、二人の関係性も明らかになった。 ストックホルム症候群というものだろうか? 理解しがたいが実際にこういうことはあるらしい。 途中新聞社の記者が娘が同じことをされたら?と問われ「やったやつをぶっ殺す」と答えていたけど、親の気持ちとしてはそうだろう。 最後の場面、俊介は今後どうするのだろうか。

Posted byブクログ

2016/05/29

最近私の中で吉田修一ブーム。読んだ後必ずしも清々しい気持ちになるわけではないんだけどまた読みたくなる。ふたりの過去がわかった瞬間のなんとも言えないあのざわつき。ふたりでいることでしか生きてこられなかった二人の話。

Posted byブクログ

2016/05/01
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

題名からは想像もつかない内容でした。 憎しみから始まった「尾崎」と「かなこ」の関係。 憎しみなんか無縁だったはずの「渡部」と「詩織」。 渡部が尾崎に、事件を起こさなかった人生とかなこさんと出会った人生のどちらを選ぶか問うシーン。 ずしっと心に響きました。 今朝、新聞記事で読んだ「憎しみゆえに許す」という言葉が頭から離れません。

Posted byブクログ

2015/10/06

映画化されてたので読んでみた作品 内容が内容なだけに暗い気持ちになります どんなに時間が経とうと加害者も被害者も 決してその事件からは逃れられない… と言いたい所だけど 被害者の苦しみは死ぬまで続くのに 加害者は刑期を終えれば何も無かったかのように 社会に溶け込んでるんじゃない...

映画化されてたので読んでみた作品 内容が内容なだけに暗い気持ちになります どんなに時間が経とうと加害者も被害者も 決してその事件からは逃れられない… と言いたい所だけど 被害者の苦しみは死ぬまで続くのに 加害者は刑期を終えれば何も無かったかのように 社会に溶け込んでるんじゃないか?と思わせる加害者が出てきました 俊介とかなこの気持ちが適度に書かれていないので こうであって欲しいとか、こうなって欲しいとか想像が膨らみます

Posted byブクログ