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ひなた の商品レビュー

3.4

121件のお客様レビュー

  1. 5つ

    6

  2. 4つ

    44

  3. 3つ

    48

  4. 2つ

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2016/06/26

一組の夫婦と一組のカップル(その夫婦とカップルの男は兄弟)の春夏秋冬。 それぞれの関係、それぞれの家族との関係、それぞれの仕事仲間との関係、そして少しの秘密。 日々生きていて、ものすごく大きな事件や出来事というのは、滅多に起こるものではない。どちらかというと淡々と過ぎることが多...

一組の夫婦と一組のカップル(その夫婦とカップルの男は兄弟)の春夏秋冬。 それぞれの関係、それぞれの家族との関係、それぞれの仕事仲間との関係、そして少しの秘密。 日々生きていて、ものすごく大きな事件や出来事というのは、滅多に起こるものではない。どちらかというと淡々と過ぎることが多く、その中に嬉しかったり悲しかったりする出来事がある。 でも、1年ってけっこう色んなことがあるんだよね、ということをしみじみ思う小説だった。 それぞれの春夏秋冬を4人の視点で順番に描いていて、ある者は就職して新しい生活がスタートし、ある者は仕事を辞めることを決め、ある者は親友の借金の肩代わりをし、ある者は自分の出生に関わる人物に会いに行く。 4人それぞれの比較的大きな出来事を羅列するとそういうことになるけれど、それ以外にも日々様々な出来事があって、その積み重ねでまた季節が一巡りする。 1年って早いなって毎年思う。時々戦慄する。何もしていない、何も変わっていないような気がする。 でも振り返ってみるとけっこう色んなことが起きている。 引っ越したり、旅行に行ったり、家族が病気になったり、プラスからマイナスまで、人から見たらとるに足らないような出来事の連続だったりする。 読んでいて、みんなすごく普通なんだけど、普通の人生なんてない、ということも思わされたりして、基本的に暖かくゆっくりした流れなのだけど、その時どきをきちんと生きるって大事だな、と思った。 「ひなた」っていう題名、とても合ってる。

Posted byブクログ

2016/06/25

吉田修一の原作でつくられた 映画をみた事があった。 この本『ひなた』を読んでみると、 あまりにも、どろっ としているので ちょっと、意外な感じをした。 意識、感情、行動 というのが ふんわりと一体化している。 尚純が ダラットして、なぜか 目的意識と言うか そういうものもなく...

吉田修一の原作でつくられた 映画をみた事があった。 この本『ひなた』を読んでみると、 あまりにも、どろっ としているので ちょっと、意外な感じをした。 意識、感情、行動 というのが ふんわりと一体化している。 尚純が ダラットして、なぜか 目的意識と言うか そういうものもなく、ふわふわして生きている。 そんな尚純に なぜ レイが 好かれるのかが よくわからないけど、つきあっている。 兄夫婦が 兄は銀行つとめ。 妻は 雑誌の編集者で やり手なのだが なぜか 落ちぶれたオトコにも 未練がたちがたい。 この女性は 仕事ができすぎるので、 どこか、日常生活が 破綻するのかもしれない。 田辺と兄のつきあいも よくわからない。 ふわっとしているんだよね。 田辺の 好き嫌いがはっきりした性格だと思うが うまく 世渡りできなそうな。 そして、尚純の母親が いちばん 沢山のものを抱え はっきりした 意識を持っている。 このお母さんは 強いよ。

Posted byブクログ

2016/05/20
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

嫌いじゃない。 こういうの嫌いじゃない。 ーーー 新堂レイは有名ブランドHに就職したばかりの新人広報。彼女は、海で偶然再会した同級生の大路尚純と昨年夏から付き合っている。尚純は大学生。彼が両親と暮らす文京区小日向の家で、兄夫婦が同居をし始めたーー。それぞれが関わり合って淡々とした日常を紡ぎだす。お互いに踏みことのできない「聖跡」を抱えながらもーー。四人の視点で「春夏秋冬」を描き出す。

Posted byブクログ

2016/04/29

いっつも後味の悪い吉田修一だけど、今回のはあっさり。いやでも何もかもが途中のままか。誰もかれもがこのままどこに向かうのかわからんもんなぁ。読み終えた後に読者に考えさせるという意味では他の本と一緒かも。

Posted byブクログ

2016/05/08

何かぼんやりとした印象です。 夫婦とその長男夫婦、次男と恋人、それぞれが何らかの秘密を抱えているのですが、それが淡々と描かれます。 ただ、あまりに淡々としており、何か印象に残らないのです。 実は読んでいる途中で、あれっと思ったのですが、読了後に改めて調べてみたら再読でした。...

何かぼんやりとした印象です。 夫婦とその長男夫婦、次男と恋人、それぞれが何らかの秘密を抱えているのですが、それが淡々と描かれます。 ただ、あまりに淡々としており、何か印象に残らないのです。 実は読んでいる途中で、あれっと思ったのですが、読了後に改めて調べてみたら再読でした。前回は2007年。9年ほど前とは言いながら、記憶は極めて曖昧で、最後まで確信が持てませんでした。 逆に言えば、前回もそのくらい印象に残らなかったという事で。。 ================ 08-054  2008/06/23  ☆☆☆ 悪くは無いのですがね、何となくピンと来なかった。 人と人との間に色んな関係があって、それぞれがどこか不安定で。そんな事が描かれていると思うのですが、だから何なのだって。 それは描かれ方にあるのでしょう。肯定的でもなく否定的でもなく、ただ描かれている感じなのです。余り作者の意見を押し付けられるのもイヤですが、それにしてももう少し「作者の視点」と言ったものがあったも良いのじゃないかと思ってしまいます。

Posted byブクログ

2015/11/27

4人の中では兄貴の嫁が一番腹が立つ。なのに彼女の感情の動きが一番心に刺さった。この家族いろいろ問題ありすぎで、弟の彼女が清々しくまとも。結構余韻を残した一冊。

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2015/10/19

就職したての彼女とその彼。そして彼の兄とその奥さん。 四人の春夏秋冬が描かれる。 それぞれが関わっているんだけど、誰にも言えない秘密を各々が抱えている。 妙に淡々とした関係でありながら、不思議な状況を作り出している。 2015.10.19

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2015/05/17

結論が出ないままだらだらと話が進んでいく。 良い意味でだらだらと悩みながら生きていく主人公たちが素敵でした。 話的には何の結論も出ないけれども、 きっと、この先も悩みながら、だらだらと生きていく登場人物たちの生き様が想像できる一冊でした。

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2015/02/08

大路家の兄弟、浩一と尚純。浩一の妻桂子と、尚純の彼女の新堂レイの、それぞれの日常がそれぞれの視点で描かれている。 人との関わり。少しずつ動いていく家族関係。 この人の書く人間模様は淡々としているけれど、どこか温かくて好きです。 自分の居場所について、しあわせについて、ゆっくり考え...

大路家の兄弟、浩一と尚純。浩一の妻桂子と、尚純の彼女の新堂レイの、それぞれの日常がそれぞれの視点で描かれている。 人との関わり。少しずつ動いていく家族関係。 この人の書く人間模様は淡々としているけれど、どこか温かくて好きです。 自分の居場所について、しあわせについて、ゆっくり考えたくなった。

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2014/12/28

いつもながらの安定感のある自然としたつかみでスウ~っと惹きこまれる。 兄嫁が雑誌編集者、兄は信金勤務、弟はフツーの大学生弟の彼女は族上がりで有名ブランドの会社員。 4人の視点によって、大路家周辺の家族関係、夫婦関係、友人関係の表層と深層を描き、一見、賑やかで和やかで安らかな日...

いつもながらの安定感のある自然としたつかみでスウ~っと惹きこまれる。 兄嫁が雑誌編集者、兄は信金勤務、弟はフツーの大学生弟の彼女は族上がりで有名ブランドの会社員。 4人の視点によって、大路家周辺の家族関係、夫婦関係、友人関係の表層と深層を描き、一見、賑やかで和やかで安らかな日常が、不倫や同性愛や出生の秘密・・・ と リアルにありそうで何気に怖い?物語

Posted byブクログ