荒野 の商品レビュー
恋愛小説家の父を持つ荒野の、中学から高校までの成長物語。 中学の入学式に向かう電車の中で、荒野は一人の少年に助けられる。 やがて荒野の家庭にやって来た新しい家族は、その少年だった。 恥ずかしくなるほどの青春ストーリーなんだけど、遥か昔を思い出して切なさに揺さぶられた。 初めて一人...
恋愛小説家の父を持つ荒野の、中学から高校までの成長物語。 中学の入学式に向かう電車の中で、荒野は一人の少年に助けられる。 やがて荒野の家庭にやって来た新しい家族は、その少年だった。 恥ずかしくなるほどの青春ストーリーなんだけど、遥か昔を思い出して切なさに揺さぶられた。 初めて一人で喫茶店に入った時の気持ちから、少女から大人に変わる時期のよるべなさまで、余すところなく描かれている。 少女時代の瑞々しく揺れ動く気持ちが、ダイレクトに伝わってきた。
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荒野が少女からおんなへにかわるまでのおはなし おんなっていう描写が生々しい 荒野やその友達の子もみんなおんなになってくのかな 中学に入りたてだったころもまだ遠くない気がするのにおんなの方向に近づいているってのは不思議だなあ 前までああだったのに急に小さくて華奢に見えるんだもん ...
荒野が少女からおんなへにかわるまでのおはなし おんなっていう描写が生々しい 荒野やその友達の子もみんなおんなになってくのかな 中学に入りたてだったころもまだ遠くない気がするのにおんなの方向に近づいているってのは不思議だなあ 前までああだったのに急に小さくて華奢に見えるんだもん やだなーもう終わっちゃう気がしてきたわが青春 何もしてないよ 恋がしたくなってきました笑
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恋愛小説家で蜻蛉のような父を持つ荒野は今日から中学生。 行きの電車でセーラーの襟をドアにはさまれてしまい パニックを起こすが、同じ学校の制服を着た男の子が助けてくれた。 吊り橋効果かその子のことが気になる荒野だったが、 なんと彼は父の再婚相手の息子だった。 荒野の幼い恋と、父を取...
恋愛小説家で蜻蛉のような父を持つ荒野は今日から中学生。 行きの電車でセーラーの襟をドアにはさまれてしまい パニックを起こすが、同じ学校の制服を着た男の子が助けてくれた。 吊り橋効果かその子のことが気になる荒野だったが、 なんと彼は父の再婚相手の息子だった。 荒野の幼い恋と、父を取り巻く濃い男女関係のコントラスト。 出だしだけ書くと少女漫画のようですが(ママレードボーイとかね) 実際はときめくような同居生活ではなく、 大人でも子供でもない少年の葛藤と薄い欲望です。 この頃の少女はあまりにも幼すぎると思う。 男女の関わりも薄くて雰囲気だけだと萩尾望都みたい。 『トーマの心臓』の女子版みたいな少し閉鎖的で雰囲気のある世界。 となると結局少女漫画なのかな。 だんだんと父親のまわりの女の人たちに追いついていく荒野は どんな女性になっていくのか。
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12歳〜16歳までの少女。大人、以前。 その頃の自分を思い出そうとしても思い出せない。 とくに、15歳〜16歳。 だからこそ、なんか、まぶしいような気もしつつ、荒野に寄り添う気持ちで読み進めた。 鎌倉に、行きたくなった。 キャラはもちろん、情景のなかに浮かんでくる色、匂い、風...
12歳〜16歳までの少女。大人、以前。 その頃の自分を思い出そうとしても思い出せない。 とくに、15歳〜16歳。 だからこそ、なんか、まぶしいような気もしつつ、荒野に寄り添う気持ちで読み進めた。 鎌倉に、行きたくなった。 キャラはもちろん、情景のなかに浮かんでくる色、匂い、風。それらみんな、すっごく魅力的。 うん、やっぱり、好きだなぁ。
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大人たちの愛憎やクラスメイトのざわつきに飲まれず、縁側に寝そべっておっとりとのんびりと、自分と周囲との変化を見つめている黒猫の荒野。 彼女が時に怯えて縮こまり、時にときめきに震えて受け止める世界は、ゆるやかにもにぎやかにもあまりに「普通」で、けれどそれが「少女」の目を通している...
大人たちの愛憎やクラスメイトのざわつきに飲まれず、縁側に寝そべっておっとりとのんびりと、自分と周囲との変化を見つめている黒猫の荒野。 彼女が時に怯えて縮こまり、時にときめきに震えて受け止める世界は、ゆるやかにもにぎやかにもあまりに「普通」で、けれどそれが「少女」の目を通しているということ、それだけでもう「事件」で。 何も考えず走り回っているつもりなのに、いつのまにか風景が、自分の心身が育っていく、誰もが辿る不思議な道。 それはきらきらと新鮮な一方で、体に心が追いつかない不安に満ちる時期でもあるし、自らの姿が美意識に反する時期でもあるし。 個性的で気持ちの良い家族や友人や恋人たちに囲まれて、素直で強い女の子が出来上がっていく過程が丁寧に描かれていて、 この人たちのもちろんずっと続いていく生活を、可愛い恋のゆくえを、まだまだのぞいていたい、と思わせてくれる一冊。
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甘酸っぱい,中学,高校。今では忘れてしまった微かな感情や思い出を引き起こしてくれるそんな作品。 桜庭一樹が描く淡い青春,垣間見える大人の世界。 自分が大人の世界に来ちゃったな,と思えてしまうのが悲しくもあり,嬉しくもある。 いろんな感情を思い起こさせる素敵な1冊です。
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+++ 山野内荒野、十二歳。恋愛小説家の父と暮らす少女に、新しい家族がやってきた。“恋”とは、“好き”とは? 感動の直木賞受賞第一作。 +++ 第一部 一章 ハングリー・アートの子供 二章 ぼくの小さな黒猫ちゃん 終章 青年は荒野をめざす 第二部...
+++ 山野内荒野、十二歳。恋愛小説家の父と暮らす少女に、新しい家族がやってきた。“恋”とは、“好き”とは? 感動の直木賞受賞第一作。 +++ 第一部 一章 ハングリー・アートの子供 二章 ぼくの小さな黒猫ちゃん 終章 青年は荒野をめざす 第二部 一章 恋は女をこどもに、男を地下組織にする 二章 勝ち猫、負け猫 終章 青年の特権 第三部 一章 恋しらぬ猫のふり 二章 つぎの花、ポン! 終章 終わりなき出発 +++ 恋愛作家・山野内正慶の娘 荒野(こうや)、十二歳から十六歳の物語。中学生になったばかりの針金のような子どもが大人の女への道を歩みだす、怒涛のような四年間のあれこれである。自分のこと、作家であり蜻蛉のように漂う父と暮らす鎌倉の古い家。母亡きあとずっと面倒を見てくれている家政婦、離れの仕事場に出入りする女たち。入学式の朝、電車で出会った少年・神無月悠也。そしてクラスメイトの江里華と麻美。さまざまな人たちとの関係のなかで、自分をみつめ、見失い、追い越し追いつき、内と外のバランスを上手く取れずにゆらゆらしている荒野の目が見ているままが描かれていて、惹きこまれる。鎌倉という町の古くて新しく、地元でありながら観光地であるという少しだけふわふわとした雰囲気と相まって、独特の揺れと不安定さを含んだ一冊である。荒野をとおして、たくさんのものごとを見ることができたような気がする。
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主人公の荒野が可愛いなぁ。 荒野がだんだんと大人になってく過程が、自分もかつて少女だった頃を思い出させる。瑞々しくて、読みやすかった。 でも、ちくちくするような切ない気持ちにもさせてくれた。
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私が勘違いしてた。エリカはユウヤが好きなものだとばかり思ってた。どうして荒野、気づかないんだろう。鈍すぎる!って思いながら読んでた。異性を好きになるとはかぎらないんだよね。エリカは自然と同性を好きになる子なんだ。小説のジャンルが百合じゃない本で、物語の中に普通に同性愛を描くって...
私が勘違いしてた。エリカはユウヤが好きなものだとばかり思ってた。どうして荒野、気づかないんだろう。鈍すぎる!って思いながら読んでた。異性を好きになるとはかぎらないんだよね。エリカは自然と同性を好きになる子なんだ。小説のジャンルが百合じゃない本で、物語の中に普通に同性愛を描くっていうのはいいな。なんか心地いい。戸惑いとともに成長していく過程が素敵。それはエリカだけじゃなくて、登場人物すべてにいえる。 パパが女を小説に利用してても、ヨウコさんはそうじゃないって思いたかった。小説の中の女は、荒野の知ってる人と別人に描かれてる。それは、創作なのか真実なのかパパにきいてみたい。パパはいつも女を醜く書いてる。でもそれは女だけじゃなく、男もそうだと思うけどな。パパは男だから女をそういう風に書く。異性を。個人的には、まつ毛女を題材にした小説の簡単なあらすじだけでも知りたい。あの女、すべてが醜いでしょ。24時間、そんな感じがする。だから彼女のことをどういう風に書くのかなって。 この小説の着地点、どんなだろうって考えてた。どういう風に終わるんだろうって。眼鏡を通して世界を見ないようにコンタクトにすることと、ヨウコさんが帰ってくるところで終わった。コンタクトが真実を見る代わりなのか・・。成長することって自己暗示とは違うと思うけど、なんだろうな、荒野がそう考えて実行すると成長したように感じた。マジック??(^^* 16歳はまだ女じゃないよ、と釘を刺したい。 全体的に、どの場面でも、荒野が純粋じゃなきゃ成り立たない。純粋な少女が不思議に思うこと、悩むこと、考えることが少女の象徴であり、戸惑いながらも変化を受け止めることや自分も変わっていくことが成長なんだと感じた。環境が変われば嫌でも成長するのかもしれないね。子どもは年齢が進むことと感情の変化がセットになってるけど、大人はもう、ちょっとやそっとのことじゃ変化できない。大人になっちゃったからねー。肉体と心は思春期の頃みたいに急速に移りゆかないから。
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有川さんを好きな友達がすきって言ってて、読んでみて確かに彼女がすきそうだなって思った。 痛々しさはない。どろどろしたものにベールがかかってて、すこしめくり始めようとする可愛い黒猫ちゃん。私より年下なので、感情移入と言うよりは見守るように読んだ。あと私はこんな可愛い女の子ではなかっ...
有川さんを好きな友達がすきって言ってて、読んでみて確かに彼女がすきそうだなって思った。 痛々しさはない。どろどろしたものにベールがかかってて、すこしめくり始めようとする可愛い黒猫ちゃん。私より年下なので、感情移入と言うよりは見守るように読んだ。あと私はこんな可愛い女の子ではなかったので、ちょっとひねくれながら見守ったりしました。(笑) 悠也がちょっと苦手。少女漫画の相手役のように寡黙でかっこよすぎる少年っていうところが。大人組のお話もあったら面白いかも。蓉子さんだいすきです。編集の女の人もすきです。江里華も。 女であることの不幸せ、女になるということの不可思議さ。性別の片方というだけでは、きっと片付かない。
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