1,800円以上の注文で送料無料

荒野 の商品レビュー

3.9

223件のお客様レビュー

  1. 5つ

    53

  2. 4つ

    85

  3. 3つ

    56

  4. 2つ

    9

  5. 1つ

    1

レビューを投稿

2011/05/31

ふむふむ。赤朽葉のときも思ったけれどこの人は女の人を描かせるとほんとにうまい。そして、中盤の盛り上がり。オチのつけかたもいい。ただし、相変わらずラスト近辺の進行にはマンネリズムが見られるね。奈々子さんのキャラがもっと立っても良かった気がするのだけど、まあ、1冊にまとまってむりやり...

ふむふむ。赤朽葉のときも思ったけれどこの人は女の人を描かせるとほんとにうまい。そして、中盤の盛り上がり。オチのつけかたもいい。ただし、相変わらずラスト近辺の進行にはマンネリズムが見られるね。奈々子さんのキャラがもっと立っても良かった気がするのだけど、まあ、1冊にまとまってむりやり大団円を結ばせたこと自体が大人の事情らしいから仕方ないといえば仕方ない、のかもしれない。ところどころ見え隠れする物語の綻びは、そういうこと。

Posted byブクログ

2011/08/01

山野内荒野 恋愛小説家の娘の中学の入学式から高校1年までの不安定で危うく甘くちょっぴり苦い3年間の日々。 直木賞受賞後第一作 ってことだけどファミ通文庫「荒野の恋」に加筆してラスト1章を加えたモノだった。 発売前のインタヴュで「一度しか経験できない初恋を切り取りたかった」と語って...

山野内荒野 恋愛小説家の娘の中学の入学式から高校1年までの不安定で危うく甘くちょっぴり苦い3年間の日々。 直木賞受賞後第一作 ってことだけどファミ通文庫「荒野の恋」に加筆してラスト1章を加えたモノだった。 発売前のインタヴュで「一度しか経験できない初恋を切り取りたかった」と語っていたけれど、そんじょそこらのカルピス的初恋物語なんかじゃないぞ。 人気の恋愛小説家の父は女の出入りも激しくて、それなのに、もしくはそれだからこそ娘荒野は「恋」に無頓着で…となっているのだけど、この荒野の「恋」への距離のとり方は純粋な無関心的なウブさではなく敏感であるが故の拒否のよう。 桜庭一樹の描く「女の子」は、なんでだろ、みんな内側に濃く深く湿度の高い湿った「オンナ」を持っている。 そして 父親に対してその「オンナ」をもてあましているように思える。父親もまた娘に対して「オンナ」を感じているよう。 そしてそういう危うい関係をつなぐモノとして「匂い」が使われる。セクシャルでエロティックなものを覆い隠す「無知なる純粋さ」は実は匂いでその真実を知っていくのだ。

Posted byブクログ

2011/07/20

第1部と第2部はファミ通文庫から出ていた『荒野の恋』に加筆修正、第3部は書き下ろし。全体が書き下ろしでない本を「直木賞受賞後第1作」と言いきるのはどうかなあ、と思うし、文庫で待ってた人にはちょっと不親切な気もします。500頁以上あるとは思えないほど、読みやすかったし、面白かったか...

第1部と第2部はファミ通文庫から出ていた『荒野の恋』に加筆修正、第3部は書き下ろし。全体が書き下ろしでない本を「直木賞受賞後第1作」と言いきるのはどうかなあ、と思うし、文庫で待ってた人にはちょっと不親切な気もします。500頁以上あるとは思えないほど、読みやすかったし、面白かったからいいけど。

Posted byブクログ