反貧困 の商品レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
事実・現状認識は至極真っ当な(裏返すとあまり新味はない)記述がなされ、さすが現場をよく見ている著者だと感服する。また、アマルティア・センの上手い引用や、「すべり台社会」「五つの排除」「溜め」など比喩やまとめも秀逸で、著者の知性を垣間見させる書籍である。その中でも「自己責任論の濫用を防ぐ条件として…事実として自己責任論が成り立つための前提を欠いている…だけでは足りない。それが多くの人に知られて初めて、自己責任論の濫用を防ぐ社会的な力となる。」とある。このフレーズを紡ぎだした著者に最大限の賛辞を贈りたい。2008年刊行。
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この本を読むことで生活保護についての考え方が少し変わった。この本で書かれている”溜め”という言葉はかなりポイントが高い。確かに”溜め”がないと滑り落ちた時に這い上がるのは難しく、負のスパイラルに陥るかもしれない。。。自分は恵まれていると感じるとともに、1回の失敗で這い上がれない社...
この本を読むことで生活保護についての考え方が少し変わった。この本で書かれている”溜め”という言葉はかなりポイントが高い。確かに”溜め”がないと滑り落ちた時に這い上がるのは難しく、負のスパイラルに陥るかもしれない。。。自分は恵まれていると感じるとともに、1回の失敗で這い上がれない社会をどのように改善していくか考えられる一冊となった。
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著者は生活困窮者に対する生活相談を行うNPO法人〈もやい〉の代表を務める湯浅誠氏。 著者が貧困問題に取り組む上で独自に生み出した概念で、本書に紹介されているのが「すべり台社会」と「溜め」である。 第2章で、2007年3月25日付東京新聞に掲載されたセーフティーネットの三層構造...
著者は生活困窮者に対する生活相談を行うNPO法人〈もやい〉の代表を務める湯浅誠氏。 著者が貧困問題に取り組む上で独自に生み出した概念で、本書に紹介されているのが「すべり台社会」と「溜め」である。 第2章で、2007年3月25日付東京新聞に掲載されたセーフティーネットの三層構造を図示したものがオープニングで掲載されているが、その図の中に「ここから落ちた人はどうなっちゃうんだろう…」とつぶやく男性の姿が強烈に印象に残る。 この公的扶助のセーフティーネットからうっかり足を滑らせてしまったら、二度と這い上がれなくなる。このような現代の日本社会を著者は「すべり台社会」と名づけた。 また、第3章ではアマルティア・センの「潜在能力」に相当する概念を”溜め”という言葉を用いている。溜池の「溜め」である。 溜めとは、金銭であったり、両親や頼れる親族など人間関係であったり、自分を大切にできる精神的なものも含まれる。 貧困とは、これらの”溜め”がない状態を言う。 筆者はこれ以外にも、様々なデータや政治的な動きなどから、貧困問題は自己責任ではなく社会の問題だと言い切る。 終章では、反貧困運動を連帯させ、強い社会を目指そうと高らかに歌い上げる。 著者の高い精神力と正義感を感じるだけでなく、わが国の社会の暗部に直面する素晴らしい著作である。
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昨年末に働きたくないブロガー(笑)のPhaさんのブログで、2014年に読んだ本で良かった本の1冊として紹介されていたので読んでみました。 かなり衝撃を受けました。良書です。 この本は2008年に発刊されており、その頃の僕は割と給与の良い会社で働いていた時期でもあり、世間で話題に...
昨年末に働きたくないブロガー(笑)のPhaさんのブログで、2014年に読んだ本で良かった本の1冊として紹介されていたので読んでみました。 かなり衝撃を受けました。良書です。 この本は2008年に発刊されており、その頃の僕は割と給与の良い会社で働いていた時期でもあり、世間で話題になっていた年越し派遣村やワーキングプアという言葉にピンときていませんでした。意味は理解できるものの、実感しにくいというか。 ●3層のセーフティーネット。3つ目の生活保護は、非常に弱いセーフティーネットであること。2つ目のセーフティーネット(社会保険など)から漏れてしまうと、3つ目のセーフティーネットはいまいち機能していない為、一気に生活そのものができなくなる。 ●貧困は自己責任で解決できる問題ではない。 貧困は戦争に繋がる大きな原因となる。 ●富裕層から貧困層は見えにくくうまく隠されている。逆に貧困層から富裕層はテレビなどの媒体で見えやすい。 ●「溜め」の考え方。これが個人的に一番衝撃的な考え方でした。僕はまだまだ恵まれている。 もっともっと勉強しなければいけないし、僕が社会に何ができるのか?真剣に考えたほうがいいなと感じました。 著者のその他の本も読んでみようと思います。
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自己責任論といい生活保護の話といい、蔓延してる考え方がまるっきり自分ので図星指された気分。素直にこの人スゲェって思った。他に感想出ない。
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年越し派遣村の村長だった社会活動家の本 ワーキングプアやホームレスやシングルマザーなどの貧困についてとりあげられています。 現代日本は雇用、社会保険、公的扶助のセーフティネットがあるが、それを通り過ぎてしまう人たちがいて、貧困に苦しんでいます。 また、金銭、人間関係などの溜...
年越し派遣村の村長だった社会活動家の本 ワーキングプアやホームレスやシングルマザーなどの貧困についてとりあげられています。 現代日本は雇用、社会保険、公的扶助のセーフティネットがあるが、それを通り過ぎてしまう人たちがいて、貧困に苦しんでいます。 また、金銭、人間関係などの溜めがない社会を否定しています。 ベーシックインカムについて考えさせられます。
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[配架場所]2F展示 [請求記号]080/I-3 [資料番号]2009107250、2009100661、2009100659
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日本で起こっている貧困について論じた本。貧困は自己責任なのか。いや、そうではないと著者は語る。 貧困に陥らないために国としては雇用、社会保証、公的扶助の3重のセーフティーネットが働かなければならないのに、一度これらの支援対象から外れるとまっさか様に貧困に落ちてしまう(このような社...
日本で起こっている貧困について論じた本。貧困は自己責任なのか。いや、そうではないと著者は語る。 貧困に陥らないために国としては雇用、社会保証、公的扶助の3重のセーフティーネットが働かなければならないのに、一度これらの支援対象から外れるとまっさか様に貧困に落ちてしまう(このような社会をすべりだい社会といっている)。この仕組みこそが問題である。誰もが自分に尊厳をもって生きられる、何度でもチャレンジできる社会に向けて、日本の貧困というみえづらい問題に焦点を当てている点が本書の特筆すべき点だ。 ・アマルティセン「貧困は、単に所得の低さというよりも、基本的な潜在能力が奪われた状態とみられなければならない」 ・金銭的な生活基盤ができても、人間関係の”溜め”が増えなければ、総体的な”溜め”は増えない。
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自分が思い込んでた事実がひっくり返される体験、貴重だと思う。いかに思い込みから逃れるかってのが、読書の一つの醍醐味だと思うし、だからこそ、そういう体験をできたとき満足が得られる。生活保護に対する偏見、間違いなく持ってました、僕。180度見方が変わるわけではないけど、ここに書かれて...
自分が思い込んでた事実がひっくり返される体験、貴重だと思う。いかに思い込みから逃れるかってのが、読書の一つの醍醐味だと思うし、だからこそ、そういう体験をできたとき満足が得られる。生活保護に対する偏見、間違いなく持ってました、僕。180度見方が変わるわけではないけど、ここに書かれていることを知っているのと知らないのとでは、生保の人について語る資格が違うと思う。思考の転換を迫られる、貴重な書でした。
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なんとも生きづらい世の中。 昭和三十年代は、貧乏してても、明るい希望があった。 現在は、その明るさやパワーが弱まっていると感じるのは、私だけだろうか。 著者の主張には、賛成できる点が多い。 特に「ここに、貧困がある」ということを認める事から、全ては始まるという主張にはうなづける...
なんとも生きづらい世の中。 昭和三十年代は、貧乏してても、明るい希望があった。 現在は、その明るさやパワーが弱まっていると感じるのは、私だけだろうか。 著者の主張には、賛成できる点が多い。 特に「ここに、貧困がある」ということを認める事から、全ては始まるという主張にはうなづける。 自分にできる事は何か。 しっかり見つめたい。
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