街場の現代思想 の商品レビュー
危機的状況に追い込まれないようにする手だて《赤松正雄の読書録ブログ》 思想家の内田樹神戸女学院大名誉教授と私の初めての出会いの際に、最も私が共感したのは、あのマイケル・サンデル教授への批判だった。サンデル氏の華々しい登場は興味深く、幾度かその英姿をテレビで見た。しかし、やがて...
危機的状況に追い込まれないようにする手だて《赤松正雄の読書録ブログ》 思想家の内田樹神戸女学院大名誉教授と私の初めての出会いの際に、最も私が共感したのは、あのマイケル・サンデル教授への批判だった。サンデル氏の華々しい登場は興味深く、幾度かその英姿をテレビで見た。しかし、やがて醒めていった。内田氏は、彼の問題設定は全くナンセンス、ああいう危機的状況に追い込まれないようにすることが大切なのに、と言われた。 その後も内田さんの著作をあれこれ読んでいるが、『街場の現代思想』を読んでいると、そのことに関連した表現に出くわした。「君がほんとうにこれからの人生で二度と致命的な失敗を犯したくないと、本気で望んでいるのなら、このような決断を迫られる局面に立ち至った自分自身の『最初の不適切な決断』を反省しなければならない。『自分はいつ、どのようにして、決断を誤ったのか』、それを自分に向かって問わねばならない」―追い込まれるに至った自分を反省しろというわけだ。では、誤らない決断はどうすれば可能になるか―「決定的局面で『正しい判断』をする人とは、これまでつねに『正しい判断』をしてきた人ではない。そうではなくて、『正しい判断』をしないと生き延びられないようなリスクを最小化することに、これまでつねに心砕いてきた人のことを言うのである」と。 実はこうした彼の考え方に影響を与えたのは、天風会の創始者中村三郎天風先生に違いないと思われる。天風会とはヨガの哲学を学ぶ精神修養団体だが、その修練法の基本は、ひとえに決断力の養成にある。私も若き日に少しばかりかじったことがあるが、内田さんもその思想に共鳴しておられる。 内田氏との出会いに際に、合気道について語り合った(同氏は合気道場「凱風館」を経営)が、天風会にも話題は及んだ。合気道と天風会―この二つを二人が共通点に持っていたことには、驚いた。 この本は前半が新しい階層社会についての鋭い分析。後半が若い人たちの素朴な人生相談に答える形式をとっている。どちらも実に面白い。格差社会における文化資本のあり様を書かれたくだりは身につまされるし、人生相談は実践的に使える。得難い秘伝の公開は大いに参考になる。
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面白いは面白いけど、この本が「現代思想」の本をかたっていいものかどうか怪しい。 というのは、あんまり原点の思想内容が見えない書き方だから。 原典を読んでから読むことをお勧めします。 でも面白い。
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文化資本の話はショックでした。身体化された文化資本は生まれついた環境で決まってしまっていて、それを得ようとした時点で負け犬になってしまうなんて。人生相談も読みやすくておもしろかったです。やはりキーワードは「他者との共生」なんだろうなあ。
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仕事や恋愛など現代生活に根付いた「価値観」を、死角から読み解きいていきまったく違った視点から物事を眺めることができる画期的思想理論。
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内田樹、面白いー。 大学教授ということもあり、大学生のよくあるお悩みにこたえる形で働き方、企業の在り方、結婚についての見解を展開。 結婚という制度についてのクールな見方が特に面白かったな。 でも、希望をなくしてしまう人もいるので、言及しないけど。 よくよく読んでみると、昔会社を経...
内田樹、面白いー。 大学教授ということもあり、大学生のよくあるお悩みにこたえる形で働き方、企業の在り方、結婚についての見解を展開。 結婚という制度についてのクールな見方が特に面白かったな。 でも、希望をなくしてしまう人もいるので、言及しないけど。 よくよく読んでみると、昔会社を経営していた?とか、男手一つで子どもを育てた?などイロイロ経験して、大学の教授になったのかと、だから面白いのかと納得。
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なんか、落語とか講談みたいな芸を聴いている感覚。街場のトピックに内田節は実にフィットするのだなあ。読みやすく面白く含蓄のある本だった。
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裏っ側も読めるようなヒントたちがあるような。 望んだようになってるんだよって、全部自分のせいで仕舞えるのはいいな。
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・文化資産は生まれついたもの。その差を埋めるべく、やすやすと金で買えるものではない。 ・向上心は必ずしも人を幸せにしない。小さくても確実な幸福、このリストをいかに長くできるか。 ・成果主義が進むと厳格な評価をもとに階層化される。それは給与=自分の能力となり、自分に言い訳ができなく...
・文化資産は生まれついたもの。その差を埋めるべく、やすやすと金で買えるものではない。 ・向上心は必ずしも人を幸せにしない。小さくても確実な幸福、このリストをいかに長くできるか。 ・成果主義が進むと厳格な評価をもとに階層化される。それは給与=自分の能力となり、自分に言い訳ができなくなる。現在の不公平かもしれない、あいまいさが緩衝材となっている。 人事がデタラメであるがこそ、自分の能力は査定以上に高いという妄想に浸ってられる。 ・転職を考える時点で失敗している。 ・社内改革は可能でしょうか?と聞いている時点であなたの改革はない。 ・正しい判断をする人とは、これまで正しい判断をしてきた人ではない。正しい判断をしないと生き延びれないようなリスクを最小限にするべく、心を砕いて来た人。 ・離婚について。わたしたちは何故か常に「最悪の解釈」を採用する傾向にある。 ・価値があると思っているものの価値は、そのものに価値があるわけではない。そのものを失ったときに経験するであろう喪失感によって担保されている。
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人生相談に答える形で、階層化・離婚・給与の査定・「負け犬」その他もろもろについて語っている。 今まで漠然と感じていながらとくに意識していなかったようなあれこれに、はっきりとした言葉を与えてもらった感じ。輪郭がクリアになった喜びでいっぱいだ。そのうえ文章もおもしろい。 しかし喜ばし...
人生相談に答える形で、階層化・離婚・給与の査定・「負け犬」その他もろもろについて語っている。 今まで漠然と感じていながらとくに意識していなかったようなあれこれに、はっきりとした言葉を与えてもらった感じ。輪郭がクリアになった喜びでいっぱいだ。そのうえ文章もおもしろい。 しかし喜ばしいことばかりでもなく、身体化された文化資本のあたりは身につまされる。自分はどんな文化資本を授かったのだろう?うちの子たちはこの環境から、どんな文化資本を身体化していくだろう?ないものばかりが胸をよぎる…。
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殆ど読んだことある話だな、と思ってたらブクログに既に登録されてた。(つまり以前に既に読んでいた。) しかし、読んだのしばらく前だったので、一度目とはまた違った感想を得たし、評価も変わったといえる。 たまには読み返すのもアリかもしれない、と思った。 下流志向や街場の教育論、メディア...
殆ど読んだことある話だな、と思ってたらブクログに既に登録されてた。(つまり以前に既に読んでいた。) しかし、読んだのしばらく前だったので、一度目とはまた違った感想を得たし、評価も変わったといえる。 たまには読み返すのもアリかもしれない、と思った。 下流志向や街場の教育論、メディア論あたりまた読んでみようかな。
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