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人生生涯小僧のこころ の商品レビュー

4.4

52件のお客様レビュー

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2021/09/25

大峯千日回峰のみならず四無行(9日間の断食、断水、不眠不臥)も満行した超人の記録です。 そもそも、千日回峰の心構えが恐ろしい、曰く、もし途中で中断した場合は、携行している短刀でその場で切腹もしくは首をくくって神仏に詫びるというのだから尋常ではありません。(千日回峰とは毎年5月3日...

大峯千日回峰のみならず四無行(9日間の断食、断水、不眠不臥)も満行した超人の記録です。 そもそも、千日回峰の心構えが恐ろしい、曰く、もし途中で中断した場合は、携行している短刀でその場で切腹もしくは首をくくって神仏に詫びるというのだから尋常ではありません。(千日回峰とは毎年5月3日から9月22日まで往復48kmの険しい山道を16時間かけて毎日歩き、のべ9年かけて成就させるもので、あまりの無謀・危険さから、軽めの百日回峰行に成功した修行者のみが許可される) 一見、こうした苦行はお釈迦様の「死んでしまっては意味がない」という苦行を否定した考えから矛盾しているようですが、役行者が「心を正していれば成就できる」という信念のもと1300年の歴史を受け継いできました。 本書には、厳しい修行の詳細以外にも心に響く金言がたくさんでてきますので読みごたえがあります。 また、塩沼大阿闍梨の近影(当時の)も掲載されていますが、この優しい顔つきの人が死をも恐れぬ偉業をと驚きますが、考えてみれば他人の苦しみを知り自分も苦しみぬいた経験があるからこそ怖いものなしの穏やかな顔になれるのでしょう。 今、人生に悩んでいる人や苦しんでいる人にとって本書は必ずや強い味方となってくれることでしょう。

Posted byブクログ

2019/09/28

自分の感想に時折いいねを押してくれる方の本棚を覗きにいったら、お気に入りベスト3の一番にあったので読んでみた。こういうふとした縁でこの本に出会えたことに感謝します。 往復48kmの山道を1日1回、それを1000日歩く「千日回峰行」、九日間飲まず食わず眠らず横にならずを続ける「四無...

自分の感想に時折いいねを押してくれる方の本棚を覗きにいったら、お気に入りベスト3の一番にあったので読んでみた。こういうふとした縁でこの本に出会えたことに感謝します。 往復48kmの山道を1日1回、それを1000日歩く「千日回峰行」、九日間飲まず食わず眠らず横にならずを続ける「四無行」という、内容を聞いただけでうへぇ……という声が漏れてしまいそうな修行を成し遂げた人の本。 過酷な修行の末にようやく気付いたことや悟ったことが惜しみなく、それも決して押しつけではなく綴られているので、大した努力もしていない自分がいいんですかこんな貴重なお言葉に触れて……みたいな気分になってくる。特に千日回峰行の中盤でどうしようもなく体調を崩してしまった時の話なんかは、「行者として人に心配を与えたくない」という気持ちがありながらもこうして本に綴ってくれたんだなと思うと、いつも以上に言葉を噛みしめて読まないわけにはいかなかった。 本書に何度も出てくる「行」という言葉を自分の中にある成し遂げたいことに置き換えて読むと、どれもこれも深く頷いてしまうものばかり。「何のために」の大切さに触れている箇所を読んだ時は、初心を思い出して涙してしまった。 今年の頭、同じ業界にいる先輩が言っていた「作品創りに関わるからには、それを受け止めてくれる人達だけでなく、生み出す側の人達にも『この作品に出会えて良かった』と感じてもらえるものにしたい、と思っていつも取り組むようにしてます」って言葉を聞かせてもらったことを思い出した。ものづくりは人と人が繋がらなければ成り立たない。だからこそ「何のために」をいつも忘れないようにしないと。 あと、読み終わったあとでこの住職さんのお寺はどこにあるんだろうって調べてみたんですけど……なんか聞いたことある地名だなと思って地図見てみたら、去年の秋に友達と仙台旅行に行ったときに秋保大滝を見に行ってまして……お寺の目の前を車で通ってましたやん自分。なんという運命……。

Posted byブクログ

2019/05/06

バブル前の世代、お坊さんになってから、たくさんの修業を積んで ついに、1000にち修業を終えたお坊様。 修業終了後、下界している人の話。 人生について、とても参考になる。

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2019/02/13

・心を込めること ・日々を丁寧に生きること ・今日より明日、明日より明後日、良くなるようにする ・足るを知る ・感謝の気持ちを忘れない ラップ風に言うと、文章すべてがパンチラインでした。 本当に素晴らしいです。千日回峰行というとてつとなく厳しい行をやり通せた背景には、やりたい!と...

・心を込めること ・日々を丁寧に生きること ・今日より明日、明日より明後日、良くなるようにする ・足るを知る ・感謝の気持ちを忘れない ラップ風に言うと、文章すべてがパンチラインでした。 本当に素晴らしいです。千日回峰行というとてつとなく厳しい行をやり通せた背景には、やりたい!という熱意と、それ自体を楽しむことにあったのだと思う。はたから見るとつらい行でも、やらされているわけではなく、自分が好きで進んでやっているのだ。世の中には本当にもっと苦労している人がたくさんいる。自分は食べるものがあって、寝ることができて、これ以上のしあわせがあるのか。という思いに至る。最後はすべてのものに感謝しかないと。 ほんの少しだけでもいいから、塩沼大阿闍梨に近づけるよう努力していきたいと思った。

Posted byブクログ

2018/12/30

気持ちが内向きな時に手にとってしまう本です。 タイトル自体、心にずっと留めておきたい言葉。 自然や周囲の人々に対して謙虚であることの大切さをしみじみ教えてくれます。 行についての記述は壮絶過ぎて引いてしまう部分もありますが、ここまでやり遂げた方の言葉には力があります。

Posted byブクログ

2018/08/20

大変厳しい修行を成し遂げた、お坊さんによる一冊。 以前、この方がもう一人の僧侶と対談した内容がまとめられた、『大峯千日回峰行』を読んだことがあります。 ご自身が記した本があると知り、改めて読むことにしました。 まず冒頭で、千日回峰行とはどのような行なのかが、説明されています。 ...

大変厳しい修行を成し遂げた、お坊さんによる一冊。 以前、この方がもう一人の僧侶と対談した内容がまとめられた、『大峯千日回峰行』を読んだことがあります。 ご自身が記した本があると知り、改めて読むことにしました。 まず冒頭で、千日回峰行とはどのような行なのかが、説明されています。 “奈良県吉野山の金峯山寺蔵王堂から大峯山と呼ばれる山上ヶ岳までの片道二十四キロ、高低差千三百メートル以上の山道を十六時間かけて一日で往復し、合計四万八千キロを歩き続けるという修行です。“ フルマラソン以上の距離、しかも高低差のある山道を、5月から9月までの定められた120日あまりの期間、毎日歩き続ける。 それを9年以上の時間をかけて、合計で1000日行う。 大変厳しい行だということが、読者がイメージできるように、冒頭に書かれています。 次に、著者はどのような幼少時代を過ごし、なぜそのような行に取り組むことにしたのか。 そして、行に励んだ日々の話へと、展開していきます。 その内容を読むと、自らの体調、台風や雷といった自然現象、熊やマムシといった危険な動物、さらには不思議な現象まで、ありとあらゆる困難に遭遇したことがわかります。 そのような困難に遭いながら、なぜ行を成し遂げることができたのか。 そのような行を経験して、何を得たのか。 さまざまな側面から書かれているのですが、特に印象に残ったのは、以下のようなことでした。 ・全ては自分の責任であると、覚悟してのぞむこと ・辛い経験を繰り返した先にあったのは、感謝の念だったこと 苦労を苦労と思うか、その経験に感謝するのか。 どのような状況でも、前を向いて生きていく。 精神的、肉体的に疲れている時、不平不満が溜まった時に、繰り返し読みたいなと感じた、一冊でした。  .

Posted byブクログ

2017/12/16
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

○千日回峰行→約4カ月、毎日48キロの山道を歩く。途中で辞めたら、首吊りか切腹。 ○四無行→9日間、飲まず、喰わず、眠らず、伏せず をやり遂げた塩沼良潤大阿闍梨。 テレビで見た、 その強靭なメンタルとフィジカルの成り立ちを知りたくて。 2年間くらい積ん読だったのは、 読んだら自分の弱さを思い知らされるから。 でもどういうわけか、師走は毎年、 お坊さんモノを読みたくなる。 死臭を漂わせながら、生き抜いたその日記に圧倒される。 お師匠様から教わったという、 「不将 不迎 応而 不蔵 :おくらず むかえず おうじて ぞうぜず(過ぎ去ったことをくよくよしない、これから起こりうることに思い悩まない、そのときに応じて懸命に努める。」が成し遂げたヒントかな。

Posted byブクログ

2017/09/17

行をするうちに、世のため人のためというのはおかしいと感じる。神がやること。 苦しい行を行なっても1人だけ馬が合わない人がいた。それは自分自身に我があったから。

Posted byブクログ

2017/01/19

人生生涯小僧の心。謙虚で素直に、全ては自分の心が生み出すもの。今を大切に、幸せだと思うこと。今日より明日、明日より明後日、一つでも成長することができますように。誰かのために、生きることできますように

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2016/09/24

塩沼大阿闍梨の慈眼寺を訪問するにあたり、改めて大阿闍梨の修行とそこから得たお考えなどについて知るべく著書を読んでみた。まず、大阿闍梨が行った3つの荒行、大峯千日回峰行、四無行、八千枚大護摩供行の詳細なる実施方法や実施のプロセスをみて改めてその超人的な行動に驚かされた。ふつう9日間...

塩沼大阿闍梨の慈眼寺を訪問するにあたり、改めて大阿闍梨の修行とそこから得たお考えなどについて知るべく著書を読んでみた。まず、大阿闍梨が行った3つの荒行、大峯千日回峰行、四無行、八千枚大護摩供行の詳細なる実施方法や実施のプロセスをみて改めてその超人的な行動に驚かされた。ふつう9日間、飲まず、喰わず、眠らず、伏せずとかやったら間違いなく死ぬというかギブアップすると思うが、それをやりおおせるモチベーションと身体的技量がすごい。そしてそれらの荒行をやり終えた上での大阿闍梨の結論は、身近なことへの感謝、謙虚であるという。特に行の最中に意識が朦朧としている中でも「世の中では食べ物もないような人がたくさんいる中で、自分は周りの人のサポートを得、こうして行に集中できるのは幸せでならない」と思っていたというのは、俯瞰して考えてみれば、確かにそういう側面は大いにあり、妙に納得させられる。 とにかく、こんなにすごい修行の果てに得た心の結論というのは興味深いことこの上ないはずなので、多くの人に読んでもらうとよい本だと思います。

Posted byブクログ