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レベッカ(下) の商品レビュー

4.4

47件のお客様レビュー

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    25

  2. 4つ

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2024/08/15

恩田陸のエッセイで紹介されていた。傑作なので、ネタバレしますので先に読んで。とのことで急いで読んでみた。 たまらない世界観。自然あふれるイギリスの邸宅。 ぱっとしない女の子が後妻となるが、レベッカという完璧な前妻の影に怯える。 優雅な暮らしと自然、先が気になってしょうがない謎は久...

恩田陸のエッセイで紹介されていた。傑作なので、ネタバレしますので先に読んで。とのことで急いで読んでみた。 たまらない世界観。自然あふれるイギリスの邸宅。 ぱっとしない女の子が後妻となるが、レベッカという完璧な前妻の影に怯える。 優雅な暮らしと自然、先が気になってしょうがない謎は久しぶりに読む手を止められなかった。 情景や心理の描写も丁寧。天気や周りの物音や動物たちの動きまでもが、話の行方を暗示していたりするのが、のめり込ませてくれた。 「ゆうべ、またマンダレーに行った夢を見た。」の一文から最後の情景につながる出来事や会話の数々は圧巻。

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2024/07/13

上巻から主人公に屈辱的な状況が続いていたが、急展開が連続する。 「死者には勝てない」とレベッカの影に悩まされ続ける「わたし」の気持ちも大きく変化していく。 色々あって、未読の方向けにあえて書かないけれどエピローグの2人は別の「死者」に永遠に捉われてしまった姿なのだろう。 こう...

上巻から主人公に屈辱的な状況が続いていたが、急展開が連続する。 「死者には勝てない」とレベッカの影に悩まされ続ける「わたし」の気持ちも大きく変化していく。 色々あって、未読の方向けにあえて書かないけれどエピローグの2人は別の「死者」に永遠に捉われてしまった姿なのだろう。 こういうジャンルはあまり読まないけど 面白かった。そして解説を読んで気付かされる作者の技術の凄さ…

Posted byブクログ

2024/02/04
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いやー後半明かされるレベッカが癌だったという真相、すっかり忘れていて、ドキドキさせられた。こんなどんでん返しがあるとは。 レベッカがマキシムに撃たれた時笑った意味、「レベッカ一世一代のジョーク、もっとも上出来のやつ」がわかった時、レベッカの悪女としての魅力が更に輝いた。マキシムはもう、マンダレーとレベッカの呪縛から逃れて生きていくことはできないだろう。 そして、この物語は、名もなきヒロインが少女から大人になる過程を描いたものでもあったのですね。 普遍的なテーマに、しっかりと共感もできた。大人になって生きやすくなる代わりに、繊細な感受性や無邪気さ失うということ…マキシムは嘆くけれど、それが育つということなのだと思う。

Posted byブクログ

2024/01/21
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万華鏡のような作品だった。 まさか、ころんとひと転がししただけで、これ程までに見えてくる景色が変わるとは。 下巻の序盤を読んで、いかんこのまま読み進めたら上巻自体の感想が引きずられると思い、途中で上巻の感想をしたためておいたほど。 ダンヴァーズ夫人のホラーめいた甘言、レベッカの魔性、マキシムの抱えた苦悩。 上巻まではただの助走。 ただ、それ自体がとてもよくできたゴシック小説だったので、どこへ連れていかれるのだろうくらいには思ったが、これ程までに揺れの激しい展開が待っているとは思わなかった。 展開のきっかけとなるのはマンダレーの傍にある入り江に入り込んだ船が座礁したこと。 それから24時間の間で、マキシムにして「きみはすっかりおとなになった・・・」と言わしめたほど主人公の自我が確立してゆく。 また、マキシムの本意が垣間見えたこの瞬間はとても印象的で、マキシムに共感し寂しさを覚えた。 すべてに決着がついた後、上巻の1章~2章を読み返したとき、何も分からず読んだときと比べて寂寥感の深みが増し、プロローグでありエピローグでもあるこの章に唸らされた。

Posted byブクログ

2024/01/03
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わたしはマキシムが元妻レベッカのことを愛していないと知る。この真実を知っただけで、敵視され殺されかけたダンヴァース夫人に対しよくあんなに堂々とした態度を取れるなと思った。レベッカの呪縛から解放された後のラストシーン、圧巻だった。

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2023/12/25
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『レベッカ』は本当に面白い。舞踏会の翌日、座礁船の救助作業の過程でレベッカのヨットと死体が海底から見つかる。「わたし」はマキシムから衝撃の過去とレベッカがどのような人物だったか、二人がどのような関係だったかを明かされる。マキシムがレベッカを愛していなかったことを知った「わたし」は自信を持つようになり、使用人たちへの指示も堂々と出せるようになる。マキシムと秘密を共有するようになった「わたし」は少女から大人へ変貌し、そのことをマキシムは悲しむ。 ヒッチコックの映画では、ラストの火事のシーンがしっかり描かれていた一方、原作では「そして海からの潮風に乗って、灰が飛んできた。」というラストの一文で火事が仄めかされるだけ。表現の仕方も、プロットの展開のリズムも、読者を惹き付けてマンダレーの世界に引き込むもの凄い作品。

Posted byブクログ

2024/08/21
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

面白すぎて、ページを捲る手が止まらず下巻はほぼ一日で読み終えてしまった。そして最後の一文を読み終えたあと、すぐに上巻を手に取り、最初の一文「ゆうべ、またマンダレーに行った夢を見た」から読んでしまいました。こんなにも本の世界に没頭して早く続きを知りたくて仕方がないと思ったのは湊かなえの告白を読んだ時以来です。 レベッカ(と彼女に取り憑かれたダンヴァーズ夫人)は、世界三代悪女では!? 天使の顔をした美しくて狡猾な悪女ほど怖くて震え上がるものはないです。結局、マンダレーはレベッカにより作り上げられ、そして崩壊させられたのですね。全てはレベッカの思うまま。。。ああ、恐ろしい女だ。 そして殺人を犯したマキシムが罪に問われない終わり方がとてもいい……!勧善懲悪の物語に慣れているから、途中でああ、マキシム捕まるんだろうなと思ったのに! 屋敷が燃えるという終わり方が美しすぎる。マキシムと主人公は罪を逃れることはできても、永遠にマンダレーとレベッカの亡霊に付き纏われることになる。 でも、二人が離れ離れにならなくてよかった。 追記 読み終わっても、まだ物語の余韻が残っている。主人公のみならず、私までマンダレーに取り憑かれてしまってマンダレーに帰りたくなるので、映画を見ることにします。

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2022/07/25

「ダフネ・デュ・モーリア」のゴシックロマン小説『レベッカ〈上〉〈下〉(原題: Rebecca)』を読みました。 「泡坂妻夫」のミステリー作品『花嫁のさけび』が、『レベッカ』を彷彿される内容だったので、原作を読んでみたくなったんですよね。 -----story---------...

「ダフネ・デュ・モーリア」のゴシックロマン小説『レベッカ〈上〉〈下〉(原題: Rebecca)』を読みました。 「泡坂妻夫」のミステリー作品『花嫁のさけび』が、『レベッカ』を彷彿される内容だったので、原作を読んでみたくなったんですよね。 -----story------------- 〈上〉 ゆうべ、またマンダレーに行った夢を見た― この文学史に残る神秘的な一文で始まる、ゴシックロマンの金字塔、待望の新訳。 海難事故で妻を亡くした貴族の「マキシム」に出会い、後妻に迎えられた「わたし」。 だが彼の優雅な邸宅マンダレーには、美貌の先妻「レベッカ」の存在感が色濃く遺されていた。 彼女を慕う家政婦頭には敵意の視線を向けられ、「わたし」は不安と嫉妬に苛まれるようになり…。 〈下〉 マンダレーで開かれた豪華な仮装舞踏会の翌日、海底から発見された「レベッカ」のヨット。 キャビンには、一年以上前に葬られたはずの彼女の死体があった―。 混乱する「わたし」に「マキシム」が告げた、恐ろしい真実。 変わらぬ愛を確信し、彼を守る決意を固める「わたし」。 だが、検死審問ののちに、「マキシム」すら知らなかった「レベッカ」の秘密が明らかになっていく。 魅惑のサスペンス、衝撃の結末。 ----------------------- 上下巻で約800ページの大作… 上巻の中心となる「わたし」と「マキシム」のやりとりは、少しもどかしい感じがしますが、下巻の仮装舞踏会から「レベッカ」のヨットが発見され事件の真相に迫る展開は面白いですねぇ、、、 前半のもどかしさは、後半の急展開の伏線として必要なパーツなんでしょうね。 長篇でしたが、面白かったので、意外と早く読めちゃいまいた。 「アルフレッド・ヒッチコック」監督作品の映画『レベッカ』は何回か観ていますが、原作の雰囲気を巧く表現できているなぁ… と感じました。 特に「レベッカ」を崇拝する「ダンヴァース婦人」のイメージは原作とぴったりですね… でも、本作を読んで、原作と映画では、一部内容が異なっていることに気付きました、、、 前半は原作に忠実な感じですが、後半部分で、 ○「レベッカ」の死因が異なっていたり、  (原作:「マキシム」が銃殺、映画:「マキシム」が押し倒した拍子に事故死) ○「レベッカ」が映画では妊娠したと信じている描写があったり、 ○「ベーカー医師」に「レベッカ」の診察内容を確認に行くメンツが違っていたり、  (原作:「マキシム」に「わたし」が同行、映画:「マキシム」に「フランク」が同行) ○映画では、マンダレーが炎上する場面で、燃え上がる屋敷の中に「ダンヴァース婦人」のシルエットが浮かぶ場面が追加されていたり、 という違いがありましたね。 ちなみに、最後まで「わたし」の名前は明かされないのですが、、、 これは「ダフネ・デュ・モーリア」が「(珍しい)名前を思いつかなかったから」なんでそうです… 意外な理由でしたね。 久しぶりに映画も観たくなりました。

Posted byブクログ

2022/04/30
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

(上巻より) 雇い主の強引さのせいで知り合い、 彼女がインフルエンザにかかっている間にデートを重ね、 結婚までいたる冒頭の部分も、 お屋敷に住みながら女主人になりきれない部分も、 真相を知りそれが暴かれることにおののく部分も、 とにかく目が離せない。 読みやすかったのは、 思ったよりホラーでもないし、ゴシックでなかったのもあるが、 実際に読んだ本が昭和46年発行、翻訳大久保康雄と古い版だったからかもしれない。 単語の選び方や、登場人物の話し方がしっくりしていた。 雰囲気が古典的で、ストーリー展開も面白かったけど、 お客様とのアフタヌーンティーは楽しそうではなかったかな。

Posted byブクログ

2022/01/07

大好きな本のひとつ。複雑に花が咲き乱れる美しいお屋敷マンダレーと、怖すぎるファム・ファタール。そんな世界の語り部たる主人公があまりに朴訥としていて、あまりに自分みたいに間が抜けているので、痛々しくなって苦しくなる。それがまたいい。

Posted byブクログ