完全恋愛 の商品レビュー

牧薩次【著】

2025/08/16

　時間軸が長く設定されていて、いろんな話が絡み合うので、ある程度集中力が続く人が読んだ方がよいです。自分は、ちょっと集中が切れてしまい、弱冠読み飛ばし気味になってしまいました。
　他の方も書かれていましたが、ミステリー的には、冷静になって考えたら、そりゃないよ、といいたくなる代物といってもいいのではないかと思います。完全恋愛と名をうっている点も、ちょっと心を打たなかったです。
　恋愛に関しては、読者の内面次第でいろいろな思いを喚起するのでしょうが、時が経てば、そりゃいろんな事があるよなぁ、とは感じさせられました。

2022/07/10

半分すぎまではちっとも面白くなかったので我慢強く読む。後半やっと興味をそそられる展開になった。結末は予想外でなかなか良かったが、なにせ前半全くダメだったので、こんな評価にした。

2022/03/13

『本庄究』という男が関わった3つの事件と彼の恋心、そして彼の弟子である『魅惑』を中心に繰り広げられる本格ミステリー。
事件の鍵を握るのは愛。
特に、究の恐ろしいほど純粋な『朋音』への想いには胸焼けしそうになる。
でも終盤で次々と明らかになる真相と怒涛の伏線回収は圧巻だった。

2021/11/10

最後あたりのアナグラムと叙述トリックの波が凄い！
破綻というかありえないと思う所もなくは無かったが個人的には楽しめた。

満州子がずっと想い続けていた点だったり、魅惑が実の息子という点とても感動的だと感じた。
ただ、朋音が山岸医師と出来てたのは割とすぐ分かったので男って……という気持ちになりました

2017/05/25

牧薩次氏のサスペンス「完全恋愛」を読了。タイトルがちょっと不思議なタイトルだ。書評で内容とかサスペンス関連各賞授賞の事を知らなければこのタイトルでは買わなかったろう。授賞は２００９年の本格ミステリ大賞授賞、このミステリーが凄いで３位、本格ミステリーベスト１０で３位など評価の高かった作品らしい。

　本作品では色々ミステリーの細かな技が披露されている。まず著者名であるがこれは実はペンネームであり、推理協会作家賞を授賞した事もある推理作家辻真先氏が牧薩次のペンネームで書いた作品であるのだが、このペンネームが本人の名前TUJI MASAKIがアナグラムで牧薩次MAKI SATSUJIにきちんとなっているというところだ。

　ストーリーは壮大で大きく分けて3つのパートで、主人公の①幼少期②青年～壮年期③老年期のそれぞれの時期でのエピソードを組み上げて一つのお話が突き上げられている。韓国ドラマにはよくあるような一人の女と二人の男、そこのが生んだ子供はもしかしたら自分の子供？とかその子供までが辛い恋をするなどなど使い古された話の展開なのだが、だからつまらないのではなく、きちんと安心感を持って読める物語にしているところは巧い。

　その安定感のあるストーリーの中にそれぞれの時期にきちんとしたミステリーを組み込んであるので、それらがちょっと盛り込み過ぎというくらいなので、読んでいてこれやり過ぎだなあとちょっと苦笑いも少ししたのは正直なところだ。

そんあ恋愛小説としては平凡、ミステリとしてはまあまあといった恋愛ミステリー小説を読むのに選んだのはCarlos Lyraの"Bossa Nova". いい声してます。
https://www.youtube.com/watch?v=o2kUBE7nCSo

2015/12/27

ある画家の一代記。戦中の少年期から平成の晩年に至るまで描かれる。折々に挟み込まれる不可思議な殺人事件の謎。そして秘められた恋。
まずは作者名に驚きつつニヤリとさせられます。作中でもミステリ作家である牧薩次が画家の伝記を書くことになるいきさつがあるのですが、そうこれはあくまでミステリなのです。この作者のことだから油断なくあちこちに仕掛けがあるだろうと、それを見落とさずに読もうと思い、それでいて思い切り気持ちよく騙されようとも思い読みました。
その結果、実に楽しく読みました。画家の生涯を通して見える時代性、それぞれの事件の謎、そしてタイトルにある「完全恋愛」の意味するところ。サービスたっぷりにギュギュッと詰まっています。事件の解明自体はかなり思い切っているのですけどね。でも、いくらなんでもそりゃないだろうというネタを堂々とされているのが、面白く楽しめたから良しなのです。

2015/06/28

「仮題〜」のポテト君とキリコが出てきてって前情報だけで読んだけどまんまと辻先生のトリックにはまりました。
完全恋愛（本人は否定）の完遂お見事。

何も知らない人がタイトル見たらこんな内容だとは思うまいに。。

2015/03/23

表紙の美少女は作中で小仏画伯の描いた火菜の肖像画だろうか？y完全恋愛を果たしたのは、満州子ってことだよね。究の恋はバレバレだったもの。

2013/09/19

愛情を貫く波乱万丈の一代記にトリックを融合させた本格ミステリーです。
いくつもの謎が複雑に絡み合います。それぞれの不可能犯罪が大がかりで派手さもあり魅力的でしたが、突っ込みどころが多々ありました。大どんでん返しの仕掛けもストレート過ぎてバレ易かったです。
しかし、それらのトリックが判る時の「見せ方」が非常に巧妙です。ミステリーの醍醐味を十分に味わえる作品です。

2012/11/04

そうきたか！！ちょっと予想はしていたけど（笑）
えーーーっていうラストだけど、まあ面白かったからいいや。
なんかいたたまれないなあ。
長い時間のうつろいものだけど、随所にミステリーらしさがあって読みやすい。
トリックは、？？？ってのもあるけど。

作者は聞いたことないと思ったら。。。○○○とは。。。