完全恋愛 の商品レビュー
面白かったです。戦後の日本の流れの中に、一人の男の純情を描くような。最後は「やっぱりね」というより「期待通り」と言ったほうがいいかな。ジンときちゃいましたよ。
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他者にその存在さえ知られない罪を完全犯罪と呼ぶ。では、他者にその存在さえ知られない恋は完全恋愛と呼ばれるべきか?――――― 推理小説として重きを置くか恋愛小説として重きを置くかで読後感が変わってくる作品かも。推理小説としては一章毎に一事件の計三つの事件が起こり、恋愛小説としては主...
他者にその存在さえ知られない罪を完全犯罪と呼ぶ。では、他者にその存在さえ知られない恋は完全恋愛と呼ばれるべきか?――――― 推理小説として重きを置くか恋愛小説として重きを置くかで読後感が変わってくる作品かも。推理小説としては一章毎に一事件の計三つの事件が起こり、恋愛小説としては主人公の本庄究が抱いた生涯唯一つの恋の話です。1章はもちろん「出会い」から始まるのでツカミはいいんですが、2章からは尻すぼみな展開した。推理小説の部分に大きな期待は持たない方がいいです。それでも、ラスト2ページあたりはジーンと来ました。二人の世界って感じで微笑ましい限り、いい読後感でした~
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このミスのランキングにあがってたのがきっかけだったので、騙されるコトがあるのは承知で読みましたが……一部騙されましたが、ちょっと構えて考えたことがあたってたので、ああやっぱりという微妙な感想もあったりしました。しかしこれはなんていう、想いの深さなんだろう。怖ろしいぐらいに平行線な...
このミスのランキングにあがってたのがきっかけだったので、騙されるコトがあるのは承知で読みましたが……一部騙されましたが、ちょっと構えて考えたことがあたってたので、ああやっぱりという微妙な感想もあったりしました。しかしこれはなんていう、想いの深さなんだろう。怖ろしいぐらいに平行線なふたりの、怖ろしいぐらいに一途な恋愛。ミステリ的な構造の深さよりもその人間の情の深さは、底が知れません。
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昭和20年,福島の温泉地で起きた殺人事件。昭和43年,福島の山村にあるはずのナイフが沖縄の女性の胸を貫いた殺人事件。昭和61年,東京にいるはずの人間が同時に福島にも出現する不可能犯罪。これらの3つの事件をめぐる物語。 冒頭の「他者にその存在さえ知られない罪を完全犯罪と呼ぶ。で...
昭和20年,福島の温泉地で起きた殺人事件。昭和43年,福島の山村にあるはずのナイフが沖縄の女性の胸を貫いた殺人事件。昭和61年,東京にいるはずの人間が同時に福島にも出現する不可能犯罪。これらの3つの事件をめぐる物語。 冒頭の「他者にその存在さえ知られない罪を完全犯罪と呼ぶ。では、他者にその存在さえ知られない恋は完全恋愛と呼ばれるべきか?」というモノローグで物語の大枠はほぼ予想がつくが,もろもろの細かいパーツがひとつずつ納まっていくラストはベテランらしい落ち着きを感じさせる。 一方,登場人物の行動はまるで駒のようで「そんな理由でこんなことを?」と思うけど,この人の話はデビューの時からそうだしなあ。良くも悪くも古いタイプのミステリ。またこのペンぺームだとあまり覆面作家の意味がないと思うけど,あとがき読んで意図は納得。こういう遊び心は悪くない。
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最後の最後で若干強引なストーリでいろいろな人がつながってくる点で何とかミステリーっぽくなっているが、全体的に話がダラダラしている。 人について、多数出てくるので読み飛ばしてしまっていたが、最後につながってくるので、きちんと記憶する必要あり。
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「このミス」帯が付いてたんで買ってみました わりとその場で謎が解き明かされてくるので、 驚きもないまま読み進めていったら、 最後に驚愕 「完全恋愛」ってこういうことだったの・・・
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完全犯罪ならぬ完全恋愛。なるほどそういう意味でしたか。切ない、といえば聞こえはいいけど。これって実は、ものすごく残酷な物語なのかもしれませんね。「気づけよっ!!!」と思いましたもの。それでも本人が幸せならば、それでいいのかな? それぞれの事件のトリックも見事。伏線もこんなところに...
完全犯罪ならぬ完全恋愛。なるほどそういう意味でしたか。切ない、といえば聞こえはいいけど。これって実は、ものすごく残酷な物語なのかもしれませんね。「気づけよっ!!!」と思いましたもの。それでも本人が幸せならば、それでいいのかな? それぞれの事件のトリックも見事。伏線もこんなところに!と驚きでした。どこもかしこも仕掛けだらけ、ある程度見抜ける部分はあったものの、やっぱり最終的にはいろいろと騙されてました。満足。 でもタイトルの「完全恋愛」って。本当は、第二の事件のあの人のことなのかもしれませんね。この真相が一番びっくりでしたし。
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初めから大前提に疑問を持ち続けて読んでしまったためラストで大きな驚きはなかったものの、タイトルと構図からしてある種のミスディレクションになっているのがとてもうまい。ツンデレと呼ぶにはあまりに重い恋愛の形。
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あまり手が伸びなかった本格推理もの。でもこれはうまく味付けされていて楽しんで読めた。不可能犯罪の謎解きよりも人間関係の錯綜の方にひきつけられた。こういうのならOK。
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他者に存在を知られないのが完全犯罪なら、誰にも知られなかった恋は完全恋愛か? 空襲で家族を失い、刀掛温泉の伯父の家に引き取られて暮らしていた少年・本庄究。 離れに疎開していた画家・小仏とその娘の朋音と親しくなり、進駐軍とのある事件に巻き込まれる。 長じて画家の弟子となり、戦後、異...
他者に存在を知られないのが完全犯罪なら、誰にも知られなかった恋は完全恋愛か? 空襲で家族を失い、刀掛温泉の伯父の家に引き取られて暮らしていた少年・本庄究。 離れに疎開していた画家・小仏とその娘の朋音と親しくなり、進駐軍とのある事件に巻き込まれる。 長じて画家の弟子となり、戦後、異端の画家・柳楽糺として名をなすが。 父の借財を精算するために闇市で儲けた男・真刈と結婚した娘は幸せになれたのか? 長年の間、遠くから朋音とその娘・火菜も見守り、思いがけない運命の転変が… わかりやすく、しっとりした雰囲気もある読みやすい文章。 気が付きそうになるヒントはあるのだが、つい引き込まれて騙されました。 本格ミステリとも分類できる構成。
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