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虫眼とアニ眼 の商品レビュー

3.9

157件のお客様レビュー

  1. 5つ

    39

  2. 4つ

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  3. 3つ

    32

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2013/08/22

養老さんと宮崎さん、二人のおじいさんがどんなことを考えているのか興味があり、購入しました。 話者は互いに年齢が近いこともあり、シンパシーを感じる部分が多いようでした。 対談内容を読んでいると、やはりふたりとも自分の好きな事を貫いているというか、あまり周りに迎合するタイプではない...

養老さんと宮崎さん、二人のおじいさんがどんなことを考えているのか興味があり、購入しました。 話者は互いに年齢が近いこともあり、シンパシーを感じる部分が多いようでした。 対談内容を読んでいると、やはりふたりとも自分の好きな事を貫いているというか、あまり周りに迎合するタイプではないな、という感じでした。 クセが強い人同士なのでどうなるのか不思議でしたが、なんとなくうまいこと話が収まっているのが珍妙で面白いです。 ジブリ作品を作る上でのスタンスや宮崎さん自身の考えも語られているのでジブリファンの人にとっても新しい発見があるかもしれませんね。 また養老さんの本が好きな人にとっては、少し物足りなさを感じるかもしれません。 あの捻くれた感じが抑えられているので。 おじいさんが和やかに話してる本、ということで、内容的にも落ち着きがあっていいです。 のんびり読めるし、他の世代が現代をどう捉えているのか窺い知れるので楽しめました。

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2013/08/15

20130815読了。 宮崎駿と養老孟司の対談本。 ずいぶん長い時間をかけて読み終わりました。 日本を代表する文化人、そしてそれぞれ専門分野で探求し続けるひとの話って面白いなと純粋に思いました。ことばの使い方とか発想の仕方とか、感覚なんだけどすっと頭に入ってくる表現とか。 ...

20130815読了。 宮崎駿と養老孟司の対談本。 ずいぶん長い時間をかけて読み終わりました。 日本を代表する文化人、そしてそれぞれ専門分野で探求し続けるひとの話って面白いなと純粋に思いました。ことばの使い方とか発想の仕方とか、感覚なんだけどすっと頭に入ってくる表現とか。 印象的だったのは、人間の関心が人に向きすぎている、という話。たしかに、新卒採用に関わっていても人間関係とか社風とか上司と部下の関係を気にする人が多すぎる気がしています。自然への畏敬の念や恐怖や自然に合わせて生きてきたことなんかが、ふっとんだ結果、人と人との関係性にぐっど寄ってしまった。 ジブリをみるとなぜか、なつかしさを感じるのはがんじがらめの人間関係に、心の深いところでは疲弊してしまっているからなのかもしれない、とふと思いました。 自然の緻密さやディテールについて養老孟司が書いていて思ったこと。その緻密さを判別する能力はないけど、せめて、自然が緻密さを持つことの理解や緻密さを持つことへの感心を抱いていたいなぁと思いました。

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2013/08/06

宮崎駿と養老孟司の対談本。もののけ姫・千と千尋についての対談2本と、養老さんの宮崎アニメ論の3部構成。 宮崎駿関連の本はこれが2冊目。他には雑誌に載ってるエッセイとか対談をチラ見するくらいだが、毎回この人の考えには共感するところがあまりない。 この本は巻頭に宮崎駿の絵がたくさん...

宮崎駿と養老孟司の対談本。もののけ姫・千と千尋についての対談2本と、養老さんの宮崎アニメ論の3部構成。 宮崎駿関連の本はこれが2冊目。他には雑誌に載ってるエッセイとか対談をチラ見するくらいだが、毎回この人の考えには共感するところがあまりない。 この本は巻頭に宮崎駿の絵がたくさん載っていて、そっちが目的。メインの養老孟司との対談にはさほど期待していなかった。 が、思考を刺激されるトピック満載で、結構考えさせられてしまった。 特に、人間嫌い人間の増加、脳化社会は自分の中にも問題意識としてあったのを読みながら発見できて、とても面白かった。 それと、アニメを描く人特有の物事の見え方が垣間見える箇所があって、改めて宮崎駿の洞察の深さに驚かされた(例えば、千と千尋で、千尋が電車に乗るシーン。他の乗客がみんな影になっているのは、頼れる人が他におらず、ドキドキしながら電車に乗っている千尋には他の人など目に入るはずもなく、顔がはっきりしない影程度のものだろう等)。こうした細かいディテールまで意識が行き届いているのも、ジブリ映画の魅力の一つだなと再認識した。

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2013/08/05

おじいちゃん二人が対談のなかで持論を展開していく本。 言いたいことを好き放題言ってるのでまとまりに欠ける。 共感できる点もあるにはあるが… 最初の10ページが最大の山場。

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2013/08/04
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

養老孟司さんと宮崎駿さんが97~01年に行った対談。時期的にはもののけ姫や千と千尋の神隠しの頃で、その2作品をテーマに話は進むものの、教育論その他に話が飛びまくってやや話にまとまりなし。そのくせ宮崎さんは「養老さんとは話がぶつからないので、話が弾まない」と。お互い似たような認識感を持っていて、それを確認し合っている感覚か。ちょっと第3者が見てもわかりにくいかも。 「うちの子はトトロが好きでもう100回観ています」という親に、そんなもの年に1回も見せれば十分です、と言い切る宮崎さんは十分に常識人ですが。

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2013/06/26

大学の課題の本として出されました。感想文のようになってます。  教師は、教科指導をする際、その関係イメージは「伝達イメージ」になる。限定された場所と時で、知識や技能などの教育内容を伝える。要するに情報を与えるのだ。よって情報以外の感性や、得、愛は、教師の力によっては伝えられない...

大学の課題の本として出されました。感想文のようになってます。  教師は、教科指導をする際、その関係イメージは「伝達イメージ」になる。限定された場所と時で、知識や技能などの教育内容を伝える。要するに情報を与えるのだ。よって情報以外の感性や、得、愛は、教師の力によっては伝えられない事を学校の授業で学んだ。  『となりのトトロ』で、メイがトトロを発見してジーッと見つめるシーンがある。(p38)メイのキラキラした目つきは大人が与えたものではなくメイ自身のものだ。よってこの関係イメージは「伝達イメージ」ではない。そもそもこのシーンには大人はいない。『となりのトトロ』には大人が介入するシーンはあまりにも少なく、あの映画は子どもの世界の中に内在する自然に対する感性が現れている映画だと思う。養老も言っていたが、現代にはそうした子どものキラキラした目が失われていると言う。  現代の子どもが、何かを発見した時にキラキラとした目をしなくなった。虫を発見してもそれをただ「虫」の一言で済ますようになってしまった。ディテール(全体の中の細かい部分)を察知できなくなってしまった。このディテールを感知する能力こそ、感性なのである。こうして今は「感性」が失われてしまったのだった。    ディテールを感知する能力が閉鎖するうちに、人間の余ってしまった感性を、人間関係や都市の人工物に割り当てている。人間に関心が向き過ぎている結果、「アイツが気に入らない」「アイツはダメなやつだ」といった人間ばかりの話題になってしまう。  子どもだけでなく同時に学校の先生もが、人間について生徒に囚われている。「あの子は落ち着きがないから」「いじめをなくす」「落ちこぼれを作らない」それは一見子どものことを考えているようであるが、将来、別の場所に行ってもその児童が通用するか、やっていけるかの心配をしているばかりであると感じる。学校の先生は、学校と言う閉鎖された中での子どもしか見ていないとも感じる。そうして先生たちは子どもたちについての物議を醸す。私は学校は封建的なイメージを持っていたのだが、理由の1つ目が分かったと思う。人間関係ばかりに気を取られ、それ以外のものを見ようとしないからである。  先生は、もっと子どもの世界にある内面を見なければいけないのではないか。文部省が生徒一人一人の個性を求めているが、感性なくして個性は磨けないと思う。感性を人間に集中させるのではなく、もっと別の何かに感性を抱くようにしなければならないのだ。その為には、先生が手本になるよりも、人間以外に面白いと思う環境を作らなければいけないのだと思う。子どもに感性がなくなってしまったのは、人間ばかりに気を取られてしまう環境を作り上げてしまったからなのだ。宮崎駿の時代は、人間関係にばかり気を取られず、虫1匹で子どもみんなが歓喜をあげるような時代であった。そこにはトトロのメイと同じように大人はいない。子どもが感化された物に対し、その周りの環境を大人が守るレンジャーイメージという関係でなければならないのだ。我々が作り上げなければいけない環境とは、大人の介入なしの場なのである。そして、守るだけでなく、これからは新しく子どもが感化される場所を大人が作らなければいけないのではないかと考える。宮崎駿は挿絵のページで「生活の在り方を変えないと文明が亡びる。家をかえよう、町を変えよう子どもたちに空間と時間を!!」という。  今の人類が、人間関係にばかりに気を取られているように、大人である教師も子どもにばかり気を取られている。本来、教師と児童の関係はレンジャーイメージであるべきなのだから、今こそ大人が子離れしなくてはいけないのではないか。それに気付かせてくれたのがこの『虫眼とアニ眼』であり、これからどういった環境にすればいいのかこの本には書いてあった。

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2013/05/26
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

なんて言ってたかしっかりと思い出せないけど心に残った言葉がいくつかあった。『脳化社会』『自然はまる、人工はしかく』『本当の火を見ないで本当の火は描けない』…とか。 そういえばキャンプファイヤーしたとき、本当の火はこんなに熱くて怖いのかと感じたけど、キャンプファイヤーの写真や映像で見ても熱さの感覚は伝わってこなかった。今の写真や映像ってすごく鮮明だしそれでわかった気になっているけれど、本当はわかっちゃいないんだと思う。決して知った気にならないこと、本物を知ることがどれだけ大切なことか。

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2013/02/26

当たり前のことが当たり前じゃなくなってる、 それをハッキリと言うお二人の対談は、 色々なことを思い出させてくれる気がします。 http://www.tv-aichi.co.jp/bp/wadatti/?p=9934

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2013/02/18
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

P158引用 - でも、子どもたちの心の流れによりそって子どもたち自身が気づいていない願いや出口のない苦しさに陽をあてることはできるんじゃないかと思っています。ぼくは、子どもの本質は悲劇性にあると思っています。つまらない大人になるために、あんなに誰もが持っていた素晴らしい可能性を失っていかざるをえない存在なんです。それでも、子どもたちがつらさや苦しみと面と向かって生きているなら、自分たちの根も葉もない仕事も存在する理由理由を見出せると思うんです。 この本はここだけでもいいなぁと思う。 「無限の可能性を秘めた、明るい子どもの未来」なんてのは、結局はそんなことをうたっているしがない大人なんだよな… 改めて何年かぶりに読んだけど、刺激を感じながら読めたな。 宮崎駿も結局まともに自分の子育てしてないダメおやじってことを自認しているし(笑) 子どもができてから読んで、よかった。

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2012/12/27

宮崎駿について、過度な美化されたイメージや、ほんわかした何かを読み取っていると引っ叩かれるような対談。爺さん二人があつまって、今時の若いもんはとこき下ろしまくる、聞いてて鬱陶しくない説教。 宮崎さん、あんたいくつだよ、尖り過ぎだろと思わず突っ込みたくなる一冊。 個人的には創作意欲...

宮崎駿について、過度な美化されたイメージや、ほんわかした何かを読み取っていると引っ叩かれるような対談。爺さん二人があつまって、今時の若いもんはとこき下ろしまくる、聞いてて鬱陶しくない説教。 宮崎さん、あんたいくつだよ、尖り過ぎだろと思わず突っ込みたくなる一冊。 個人的には創作意欲をかき立てるためにワーグナーを聞きながら制作をするというところが面白かった。誇大妄想癖のある悪の組織の親玉みたいだ。そういうの嫌いじゃない。

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