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袋小路の男 の商品レビュー

3.7

168件のお客様レビュー

  1. 5つ

    28

  2. 4つ

    49

  3. 3つ

    62

  4. 2つ

    6

  5. 1つ

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2018/11/18

新聞の読書コーナーでその存在を知り、「ピース又吉がお勧めするスゴ本25選」に入っていたので買うに至った一冊。 二人の微妙な距離感を描いた三つの短編。同じ男女をアングルを変えて描いた『袋小路の男』と『小田切孝の言い分』は、恋人とは呼べない男と女の微妙な距離感が印象的。仕草の意味もク...

新聞の読書コーナーでその存在を知り、「ピース又吉がお勧めするスゴ本25選」に入っていたので買うに至った一冊。 二人の微妙な距離感を描いた三つの短編。同じ男女をアングルを変えて描いた『袋小路の男』と『小田切孝の言い分』は、恋人とは呼べない男と女の微妙な距離感が印象的。仕草の意味もクセも知り、一緒にいれば無言でもいい、でも身体を合わせるどころか手をつないだことさえない。ややもすれば辛くて苦しいものになりそうな二人の関係を淡々と描いているのに、なぜか明るい空気さえ漂って、こんな関係もアリだよね、と思わせてしまう。 『アーリオ オーリオ』は、清掃工場に勤める男と姪の中学生との手紙のやり取り。特に40代男子はこの微妙な切なさにやられる可能性大。

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2018/10/18

小田切は著者の理想の男性像で、描かれた関係は著者の理想のあり方なのかもしれない。路地、バー。薄暗さと湿り気と、タバコと少しかびたにおい、昭和の終わりを感じながら読んだ。

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2018/10/05

「ぬるい毒」を読んだ事に伴って、その晩に再読 こちらの方が心地よい この本の紹介文は違うと思う うっすら狂気が漂う感じがないと。

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2018/07/14

絲山秋子さん「袋小路の男」読了。微妙な距離を持つ男女の物語が2篇。理系のおじさんと中学生の姪による物語「アーリオ オーリオ」の計3篇からなる。一言で言うと男女の何気ない日常が描かれている作品。大きな起伏もなく、ゆっくりと物語は進んでいく。個人的に「袋小路の男」より「アーリオ オー...

絲山秋子さん「袋小路の男」読了。微妙な距離を持つ男女の物語が2篇。理系のおじさんと中学生の姪による物語「アーリオ オーリオ」の計3篇からなる。一言で言うと男女の何気ない日常が描かれている作品。大きな起伏もなく、ゆっくりと物語は進んでいく。個人的に「袋小路の男」より「アーリオ オーリオ」の方が良かった。清掃工場に勤め、毎日パスタばかり食べているおじさんと中学生の美由ちゃんによる文通が微笑ましい。星座、恋愛、動物の話題など。ラストもほっこりする終わり方で温かい余韻が残りました♪

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2018/01/17

切ない恋の話、かと思いきやそうでもなかった。 互いを分かっているようで分かってなくて、でも一喜一憂したりして、もどかしいようなイライラするような。

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2017/12/18

■指一本触れないまま「あなた」を想い続けた 高校の先輩、小田切孝に出会ったその時から、大谷日向子の思いは募っていった。大学に進学して、社会人になっても、指さえ触れることもなく、ただ思い続けた12年。それでも日向子の気持ちが、離れることはなかった。川端康成文学賞を受賞した表題作の...

■指一本触れないまま「あなた」を想い続けた 高校の先輩、小田切孝に出会ったその時から、大谷日向子の思いは募っていった。大学に進学して、社会人になっても、指さえ触れることもなく、ただ思い続けた12年。それでも日向子の気持ちが、離れることはなかった。川端康成文学賞を受賞した表題作の他、「小田切孝の言い分」「アーリオ オーリオ」を収録。

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2017/10/13
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

人を好きになるって理屈じゃない! 袋小路に住んでいる小田切を好きな日向子。 小田切は日向子の名前を直ぐに忘れるし逢うといつも説教するし約束も平気ですっぽかすし…なんでこんな男が好きなのか最初は全く理解できなかった。 でも物語が進み小田切なりの言い分を読むと、他の人には決して入り込めない二人なりのバランスがあるのだと分かった。 この二人が持つ絶妙な距離感は二人にしか分からないだろう。 離れてもいけないしくっつきすぎてもいけない。 そのさじ加減は二人以外ではあり得ない。 これって頭で考えるのではなく、心や肌で感じる距離感なんだろうな…。 ラストの短編も伯父と姪のもどかしい距離の取り方に唸った。 リアルタイムのメールではなく、敢えてアナログな手紙でのやり取りは、送ってから届くまで3日間のタイムラグがある。 この3日間の時差が二人の間にある淡くて穏やかな優しい雰囲気を醸し出している。 今回の短編集を通して、人と人との距離感についてしみじみ考えさせられた。正解なんて他の誰も知りようがない。 絲山さんの作品は相変わらず読後の余韻がたまらなくいい。

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2017/08/06

 表題作の「袋小路の男」とそれに関連する「小田切孝の言い分」も普通に好きだけど、もう一つの短編「アーリオ オーリオ」がとても好き。いや、この本の話はみんな好き。  私が惹かれる本は、登場人物の絶妙な距離感が描かれている本だと少しずつ気が付いた。表題作の話は恋人でもないし家族でも...

 表題作の「袋小路の男」とそれに関連する「小田切孝の言い分」も普通に好きだけど、もう一つの短編「アーリオ オーリオ」がとても好き。いや、この本の話はみんな好き。  私が惹かれる本は、登場人物の絶妙な距離感が描かれている本だと少しずつ気が付いた。表題作の話は恋人でもないし家族でもない。近くも遠くもない。でも必要とする存在。0か100かでないと成立してはいけないような世の中で、77くらいの距離感を保ってもいいんじゃないかな?ってふと感じた。すごく羨ましかった。  「アーリオ オーリオ」もそれに近い。姪が徐々に大人になり、現実から自身の世界を作り上げ始めるところの感じや、そこに一種のあこがれを抱いたり、おじさんと男の狭間で付き合っている哲の感じがすごく好き。  私もこういう間柄の人がほしいと思った。

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2017/07/29

この人のかく文章が好きだなぁ。 20年近く片思いをし続けている女。 片や男の方は何だか飄々としていて、付かず離れずの二人。 もうさ、くっ付いてしまえよ!と突っ込みたくなる。 でも片思いがやっぱり一番いい気がする。

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2017/07/27

表題作を読んでいたら、昔のことを思い出してむず痒い気分になってしまった。好きなだけでは一緒になれないし、一緒になっても幸せになれるとは限らない。なんともむず痒い。

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