国家の罠 の商品レビュー
正義ってなんだろう? 国に殉じ、その国に訴えられる外交官の姿から私が永遠に抱えている命題への問題意識へガソリンが注がれた。
Posted by
解りやすい文章と詳細な内容.ドンドン引き込まれていきます.もやっとしていたムネオハウスの概要が掴めた気がします.にしても、日本って...
Posted by
佐藤優氏が逮捕されるまでの経緯が書かれている著書。 この話を知る上で、田中真紀子氏と鈴木宗男氏のことを知らなければならないのだが、この著書を読んで、いかに自分は表面しか見ていなかったかということを気づかされる。選挙権を持つ一国民として、判断を下す上ではもう少し本質を見極めなけれ...
佐藤優氏が逮捕されるまでの経緯が書かれている著書。 この話を知る上で、田中真紀子氏と鈴木宗男氏のことを知らなければならないのだが、この著書を読んで、いかに自分は表面しか見ていなかったかということを気づかされる。選挙権を持つ一国民として、判断を下す上ではもう少し本質を見極めなければいけないということを痛感させられた。また、佐藤氏はじめ外務省や外交に関わる方々のポテンシャルの高さと多くのスキルを持っている点に、尊敬の念を抱く。この人の著書を読むとロシアについてもっと知りたくなる。イスラエルとロシアの関係やユダヤ人の位置づけ等々、話が深い。知識は、広ければ広いだけ良いし、自分より上はいくらでもいるということを知る。その中で、自分はどういう立ち位置で何をすべきで何ができるのかということを考えさせられる。
Posted by
自壊する帝国の著者佐藤優氏の著書。自壊する帝国を読み、社会構造の大きな転換期における組織に焦点を当てた本書のことを知り、読んでみたくなった。 本書における社会構造の転換期とは、日本の政治体制の大きな転換期のことで、即ち、小泉内閣の登場のことだ。被告人最終陳述で、著者は内政におけ...
自壊する帝国の著者佐藤優氏の著書。自壊する帝国を読み、社会構造の大きな転換期における組織に焦点を当てた本書のことを知り、読んでみたくなった。 本書における社会構造の転換期とは、日本の政治体制の大きな転換期のことで、即ち、小泉内閣の登場のことだ。被告人最終陳述で、著者は内政における公平配分政策から新自由主義への転換、外交政策における国際協調主義からナショナリズムへの転換が行われたと主張した。 外交政策について、外交官であった著者が、冷戦崩壊以降、外務省にあった3つの潮流を説明している。一つが親米主義、二つめがアジア主義、三つめが地政学論である。著者がモスクワで外交官として活躍した時代、時の総理は橋本、小渕、森氏は、日本がアジア・太平洋地域に位置する地政学的意味を重視し、最も距離のあるロシアとの関係を近づけることが地域全体にとってプラスになると考えていた。これが対露交渉を促進させたが、小泉内閣の登場、911テロにより、親米主義が一気に盛り返すことになった。この大きな転換期において、「時代のけじめ」たる「国策捜査」が行われ、著者はその犠牲者であると述べている。そして、「時代のけじめ」たる「国策捜査」については、捜査を担当した検察官が認めた事実に驚いた。 また、その国策捜査のハードルは年々下がり、それは一般国民の基準で適用が決まっていくということ。それは、ワイドショーや週間誌の論調に因るということ。確かに国民視線は大切だ。そのためには外交上のシークレットを守りつつ、今後の外交が如何にあるべきか、という国民的な議論を展開されるべきで、外務省にある3つの潮流のパワーゲームであったり、時の指導者の過度なパフォーマンスによって大切な外交政策が国民から見えなくなってしまってはならないと思う。そのためにはメディアの質が大切だと思うし、でなければ、正しく民意が反映された国策捜査が行われない。 著者は本書を通して、自分の無実を主張したり、検察批判をしているのではない。「時代のけじめ」の被害者と言える著者が最も伝えたいことは、時代をつかむ・見抜く目を養わなければいけないということだ。会社やグループという組織の中にいる個人として、社会を構成している個人として、その力は大切だと感じた。
Posted by
国策捜査という言葉は知っていたが、その内容が本書でよく分かった。 国家が個人をひねりつぶすことがいかに簡単かが分かる。 鈴木事件に関しては、政治が強く国策捜査を主導したのであろう。 この事件から鈴木宗男が相当な実力者であったことが伺える。
Posted by
国民を洗脳するために権力者がいろいろとやってきているわけで、 それが無視できない時代になりつつあるんじゃないかと…「国策捜査」の真相。
Posted by
小沢一郎の秘書が西松建設からの違法献金で逮捕されたときに「国策捜査だ」との批判が上がった。国策捜査と言えば佐藤優、ということで、以前から読みたいと思っていた「国家の罠」をようやく読んだ。 前半は外務省時代の回想記。普段はなかなか表に出ることのない外交官の仕事ぶりや、北方四島をめ...
小沢一郎の秘書が西松建設からの違法献金で逮捕されたときに「国策捜査だ」との批判が上がった。国策捜査と言えば佐藤優、ということで、以前から読みたいと思っていた「国家の罠」をようやく読んだ。 前半は外務省時代の回想記。普段はなかなか表に出ることのない外交官の仕事ぶりや、北方四島をめぐるソ連とのやりとりが緊迫感を持って迫ってくる、なかかなの名文。当時はマスゴミ(つまり検察リーク)からの一方的な情報のみを鵜呑みにしていたが、なるほど鈴木宗男陣営からはこう見えていたのか、ということがよく判って面白い。 後半は取り調べ中の獄中記と、西村検察官との間のやりとり。そのショッキングな内容を精緻に再現することで、この本の社会的意義を一気に高めたと評判のくだりだ。中でも、西村氏とともに「国策捜査」について考察する部分は秀逸。一部を抜粋、引用すると、 「国策捜査は『時代のけじめ』。時代を転換するために、何か象徴的な事件を作り出して、それを断罪する」 「今まで普通に行なわれてきた、否、それよりも評価、奨励されてきた価値が、ある時点から逆転するわけか」 「そういうこと。評価の基準が代わるんだ。何かハードルが下がってくるんだ」 「僕からすると、事後法で裁かれている感じがする」 「しかし、法律はもともとある。その適用基準が変わってくるんだ。特に政治家に対する国策捜査は近年驚くほどハードルが下がってきているんだ。(略)」 「そうだろうか。あなたたち(検察)が恣意的に適用基準を下げて事件を作り出しているのではないだろうか」 「そうじゃない。実のところ、僕たちは適用基準を決められない。時々の一般国民の基準で適用基準を決めなくてはならない。僕たちは、法律専門家であっても、感覚は一般国民の正義と同じで、その基準で事件に対処しなくてはならない。外務省の人たちと話していた感じるのは、外務省の人たちの基準が一般国民から乖離しすぎているということだ。機密費で競走馬を勝ったという事件もそうだし、鈴木さんとあなたの関係についても、一般国民の感覚からは大きくズレている。それを断罪するのが僕たちの仕事なんだ」 「一般国民の目線で判断するならば、それは結局、ワイドショーと週刊誌の論調で事件ができていくことになるよ」 「そういうことなのだと思う。それが今の日本の現実なんだよ」 どうもここで言う「国策捜査」とは、民主党やマスゴミが言うような、「政権与党が政敵を追い落とすために作り上げる冤罪」というイメージとは、ずいぶん違うようだ。 一方で、マスゴミどころか、「ワイドショーや週刊誌」の世論形成能力がバカにならないという事実が恐しい。近年の TV ニュースのワイドショー化と合わせて考えてみると、実に面白い知見だ。
Posted by
TOUCHING WORD for Future Generations : 死ぬときは自分がどうして死ぬのかをきちんと理解してから死にたい http://www.touchingword.net/detail.php?id=1070
Posted by
「ここで強調しておきたいのは、外交の世界において、論理構成は、その結論と同じくらい重要性をもつということだ」(p.72) 「現代の日本では、内政におけるケインズ型公平配分路線からハイエク型傾斜配分路線への転換、外交における地政学的国際協調主義から排外主義的ナショナリズムへの転換と...
「ここで強調しておきたいのは、外交の世界において、論理構成は、その結論と同じくらい重要性をもつということだ」(p.72) 「現代の日本では、内政におけるケインズ型公平配分路線からハイエク型傾斜配分路線への転換、外交における地政学的国際協調主義から排外主義的ナショナリズムへの転換という二つの線で「時代のけじめ」をつける必要があり、その線が交錯するところに鈴木宗男氏がいるので、どうも国策捜査の対象になったのではないかという構図が見えてきた」(p.373)
Posted by
[○09/01/06完読]この本で今まで知らなかった国家の部分を垣間見ることが出来たような気がする。一ページ一ページのめり込むように読めました。なぜかこの筋の話には興味が持てます。私のレベルでは感想の言葉も浮かばないような本ですが、とにかく深みのある本だと感じました。文庫版には「...
[○09/01/06完読]この本で今まで知らなかった国家の部分を垣間見ることが出来たような気がする。一ページ一ページのめり込むように読めました。なぜかこの筋の話には興味が持てます。私のレベルでは感想の言葉も浮かばないような本ですが、とにかく深みのある本だと感じました。文庫版には「文庫版あとがき」「解説 求める人」がありこれも必読です。
Posted by
