国家の罠 の商品レビュー
この本をなぜ読もうと思ったのか、今となってはきっかけを思い出すことはできない。 おもしろすぎて、一気に読んでしまった。 もちろん、うのみにしてはいけないのだが。(あとがきで川上さんもそうおっしゃっている) 正直、この国だいじょうぶ?と不安になる内容ではあるが、逆にこちらは情報を...
この本をなぜ読もうと思ったのか、今となってはきっかけを思い出すことはできない。 おもしろすぎて、一気に読んでしまった。 もちろん、うのみにしてはいけないのだが。(あとがきで川上さんもそうおっしゃっている) 正直、この国だいじょうぶ?と不安になる内容ではあるが、逆にこちらは情報を受ける側として賢くならなければならないのだということを教えてもらったと思えばよい。 印象的だったのは、外務省幹部の次の言葉。 「新聞は婆さん(田中真紀子氏)の危うさについてきちんと書いているんだけど、日本人の実質識字率は5%だから、新聞は影響力をもたない」 ここまでバカにされちゃ、私は悔しい笑
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鈴木宗雄さんの問題にそんな裏があったとは…。当時、私の周りは鈴木さんを悪く言う人が多かった。マスコミの言うことは、特にあそこまで大きく取り上げられることは、元々話半分に聞くようにはしているものの、それでもマスコミの影響力は大きい。鈴木さんの人間性自体を疑問視する声が大きかった。 ところが、筆者によれば、鈴木さんはなかなかによき人で、政治家としてもすぐれ、本当に日本のためを思って活動していたと言うではないか。 そして、一連の逮捕事件も、彼らの取り締まりを行った検察官自体が、これは「国策捜査」だと明言している。 そんな政治の世界、情報の世界というのは何なのだろう。 そのような何かの一部の利益構想のために国が動くと言うようなことは過去の話であるかのように思っていたのだが、とんでもなかった。これは現在でも行われていることなのか??? …まぁ、そうなんだろうなぁ。佐藤氏の裁判が現在も上告して進行中だと言うのだから。。。 何が真実なのか。 火の無いところに煙は立たぬ、と言う。 確かに本を読む限り、外交・情報収集の世界というのは完全に白い世界ではなさそうではあった。そう言う意味では、完全に事件の真実性を疑う必要はないのであろうが…何を信じていいのか、元々全てのことにはいろんな主観があって一元的に何かを断定することはできないといのは周知のところだが、本当に、何を信じるべきなのかが良く分からなくなる。 外務省等は日本のために国益を考えて一生懸命に働いているイメージがあった。もちろんそれは筆者も述べるように間違いではないだろう。一生懸命であるが故の何事かも起こるわけだろう。しかし、純粋な綺麗事だけではない世界が確実に広がっている気がした。
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佐藤優の代表作。 国策捜査の対象とされ最後まで筋をとおして否認した態度はご立派である。やっぱり人間、最後は哲学がヒツヨーってことでしょうか。
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私が高評価をつける前提条件は著者にしか書けない本である事、です。 この本もまさにそれにあたり、よくぞ書籍化してくれたと感謝しています。 外交官の職務内容、政治と外交官の繋がり、ロシアの政治エリートの行動様式、著者の戦略家としての動き方、そして国家権力の絶対的な力。 普段普通に生活...
私が高評価をつける前提条件は著者にしか書けない本である事、です。 この本もまさにそれにあたり、よくぞ書籍化してくれたと感謝しています。 外交官の職務内容、政治と外交官の繋がり、ロシアの政治エリートの行動様式、著者の戦略家としての動き方、そして国家権力の絶対的な力。 普段普通に生活していたのでは絶対に知り得ない情報であふれています。おまけに文章も美しくて読みやすいです。 たくさんの見所にあふれている本書ですが、中でも一番考えさせられるのは366Pから368Pにかけて書かれている、著者と担当検事の国策捜査についての議論です。 担当検事は国策捜査の意義について、時代の要請として、国民の要請としてけじめをつけるために事件を作り断罪する必要があるためと説きます。 しかしここで問題なのは国民の要請が本当に国民自身の頭で考え望まれているものなのかという点と、有能な出る杭を打ち後進の芽も出なくなる事による国益の損失です。 既得権益を守ろうとする力なのか、日本国民の足をひっぱりたがる特性の総意なのか、ベクトルの源泉は分かりませんがこんな事をしている余裕はあるのかと思います。 とはいえ村木さんの一連の報道を見るにこのメカニズムもそろそろ破綻しそうですね。 しかし国民の要請、という話が真実であれば国民の情報リテラシーの向上により光が指すという希望が見えました。ネット世代が主役になる時、日本はまた力を取り戻すかもしれません。私もその一助になれるよう頑張りたいと思います。
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昨日たまたま学問のすすめ(西部と佐高の番組)でお題になっていた。 西部は、本書の中で展開する物事のDramatisationに懐疑を示し、そこまで言うなら検察と徹底的に喧嘩すればいいのにと言い、佐高は国家が罠を仕掛けるのはある意味当然のことですよねと言っていた。 ハイエク対ケイン...
昨日たまたま学問のすすめ(西部と佐高の番組)でお題になっていた。 西部は、本書の中で展開する物事のDramatisationに懐疑を示し、そこまで言うなら検察と徹底的に喧嘩すればいいのにと言い、佐高は国家が罠を仕掛けるのはある意味当然のことですよねと言っていた。 ハイエク対ケインズというような大きな物語と大きな力のうねりの構造を熱く語られても一歩離れてみると芝居仕立てに見えてしまうのは事実である。 改めて、西部って日本で数少ないまじめなインテリねと言うことを感じさせられた。 ちなみに私が2年前に読んだ時は大きな物語化に対して強引だなとは思いましたが、それなりに煽られたことも事実。ここに、古典を読んでおいて損をしないのは、それに対して人が言及しているときに自分である程度判断できるからだよねと当たり前のことを夜中の2時近くに風呂場で確認してうんうん一人でうなずいていたのでした。
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私には、本書に書かれている内容のすべてを、正確に理解することはできなかったかもしれない。いや、素人にとってそれは不可能というべきだろうか。 著者は外交の、情報のプロである。 マスコミもある意味で情報のプロだが、著者の場合はその情報を収集・解析・そして工作することによって実...
私には、本書に書かれている内容のすべてを、正確に理解することはできなかったかもしれない。いや、素人にとってそれは不可能というべきだろうか。 著者は外交の、情報のプロである。 マスコミもある意味で情報のプロだが、著者の場合はその情報を収集・解析・そして工作することによって実際に現場で国家を動かす実務家である。 評論家ではない、第一線で活躍していた実務家だからこそ書ける、ソ連・ロシア、あるいはイスラエルとの政治的なつながりの現実。普通に生活している分にはまったく知ることのない世界が、本書では詳細に記録されている。いや、プロである著者にしてみればこれでも相当一般読者に配慮して簡潔に表現したり、機密に触れる部分は隠してあるのだろうが。 さて、本書の半分は上記のような著者の外交官としての仕事について書かれているのであるが、もう半分は著者自身も受けることとなった「国策捜査」について述べられている。 国策捜査とは、時代が転換点にあるとき、守旧的な考えを持つだれかをスケープゴートとし、変化の象徴、あるいは変化にブーストをかける役割を担うと思われる。そのターゲットにされた者は決して逃げることができない。 鈴木宗男と著者が主なターゲットとなった国策捜査「劇」の幕上げも幕引きも、本書では明言されていないが、「ある人物」の書いたシナリオに沿ったものなのだということは容易に想像がつくだろう。この国策捜査は 著者が指摘するように日本経済が「ケインズ型公平分配型」から「ハイエク型傾斜配分型」に転換するときに行われたのだから。 難しい本ではある。 しかし、ぜひ多くの人に手にとってほしい本でもある。
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脳細胞がピリピリする。これは職業人には必読の書。自分の仕事に対する意識を改めたくなるし、もっと勉強しなければ、と焦ってしまう。ここ最近読んだ中ではベスト。
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この人はそんなにすごい人なのかな? と思った。まあ相当なやり手ではあるけど、どこか本では表れない影の部分があるのだと思う。疑いながらも読むくらいが一番いい。ただワクワクしながら読める一冊。
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著者はとても詳細に自分が逮捕されるまでを記録しており、まるでその場に居合わせたかのような臨場感を味わえました。佐藤さんのような有能な人材が国家の力によって潰されるのは国益に大きな損害をもたらすように思います。
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トカゲのしっぽ切りとはよく言ったもので、佐藤氏のような人が外交の中枢から外されてしまう現実に閉口します。そして、「報道機関」というものにも、あらためて疑問を抱かせてくれました。本作のような訴えが、将来の日本外務省に変革を与えるものになると信じたいものです。興味を持たれた方は、是非...
トカゲのしっぽ切りとはよく言ったもので、佐藤氏のような人が外交の中枢から外されてしまう現実に閉口します。そして、「報道機関」というものにも、あらためて疑問を抱かせてくれました。本作のような訴えが、将来の日本外務省に変革を与えるものになると信じたいものです。興味を持たれた方は、是非一読下さい。
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