黄金の王 白銀の王 の商品レビュー
文庫化されましたね。「瞳の中の大河」もそうですが、こんなに面白いのだから、もっと話題になって良いのにと思います。
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黄金と白銀。太陽と月、陽と陰、表と裏…2人の関係というか、立場を表しているのだろうか。 翠の国を統治するために、2人の「なすべきこと」は険しい道ばかりで切なくなる。悩みながら、苦労しながら進んでいく物語に、ハラハラした。 国の未来は、2人の運命は、と考えるのは楽しい。 始まりか終...
黄金と白銀。太陽と月、陽と陰、表と裏…2人の関係というか、立場を表しているのだろうか。 翠の国を統治するために、2人の「なすべきこと」は険しい道ばかりで切なくなる。悩みながら、苦労しながら進んでいく物語に、ハラハラした。 国の未来は、2人の運命は、と考えるのは楽しい。 始まりか終わりか、最後の1行には、翠の未来が幸せであって欲しいと想わずにはいられない。 衣食住と文化について、もう少ししっかりと設定・表現があれば間違いなく5つ☆だった。
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架空世界を舞台にしたファンタジー。 でも出てくる名前や単語は漢字。でも名前の読み方が訓読みというか日本語(「くのえ」とか「ひづち」とか)なので、イメージは古代日本。あくまで私のイメージだが。 一つの島国の一つの玉座を、二つの血筋が争っているという設定。 二人の王がかっこよすぎる。強い。なんて強い人たちなんだ。 あと薫衣と稲積の夫婦が初々しくて仲良くて凄くいい。 例え想像の中でも稲積は俺のだから弟にはやりたくないし、っていう薫衣が微笑ましすぎる。 息子同士の友情も凄くいい。あの従兄弟同士はいい。 すごくいいファンタジーだった。初めて沢村さんの本を読んだけれど、他の著作も読んでみたい。
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翠国の王座は歴史の中で各々に正統性をもった2つの一族に別たれ、両族は一つしかない王座を巡って争いを繰り広げ、長きに渡る争いの中で国力は疲弊していっていた。 年若き現王はこの不毛な争いを止めるため、軟禁してきた敵対する一族の頭領を殺さず、翠国の安寧のために協力していくことを決意する...
翠国の王座は歴史の中で各々に正統性をもった2つの一族に別たれ、両族は一つしかない王座を巡って争いを繰り広げ、長きに渡る争いの中で国力は疲弊していっていた。 年若き現王はこの不毛な争いを止めるため、軟禁してきた敵対する一族の頭領を殺さず、翠国の安寧のために協力していくことを決意する。 相反していた二人の頭領が互いに良からぬ思いを抱きつつも、国の安定という共通の目標を抱いて徐々に打ち解け、成長していきます。双方ともに己が一族の頭領であること事には誇りを持ち、その立場にみあった行動をせねばならないが、その行動とは何であるのか、また己が選択した道が他者から理解されずともその道を行くべきなのか。 生身の人間には不可能そうな「理想的」な選択を行える主人公達です。 たまに「現在で言うと」的な説明文が本文に織り込まれており、若干興醒めでした。
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久しぶりに読み終えるのがもったいなかった1冊。国のためにひたすら自分を押し殺して「なすべきこと」をなしていく二人の王の物語はとても重いしこんなに強くいられるのか?と思うこともあったけれど、でも惹きつけられて仕方がなかった。ラスト6行が胸に沁みる。ちらほら出てくるカタカナは違和感が...
久しぶりに読み終えるのがもったいなかった1冊。国のためにひたすら自分を押し殺して「なすべきこと」をなしていく二人の王の物語はとても重いしこんなに強くいられるのか?と思うこともあったけれど、でも惹きつけられて仕方がなかった。ラスト6行が胸に沁みる。ちらほら出てくるカタカナは違和感があったなぁ…。
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小説というよりは歴史考証という感じだった。あらすじを読んでいるような。そのぶん自分の創造力次第でいくらでも面白なる気はする。
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かっこいい。自分のプライドではなく王として選択した道。 同じ時期に生きる突出した器を持つ二人の王。キャラクターも秀逸。判断力とそれにともなった行動力。設定はファンタジーやけど、そんなことにこだわらずに読めば、すばらしいほんとの出会いがまた一冊。
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長年争い続けてきた鳳穐一族と旺廈一族。それぞれの一族の若き王は、古いしがらみを捨てて平和な世を築くために歩み寄る。 中華風のファンタジーなので、振り仮名がないと読めないような漢字がたくさん出てきます。鳳穐(ほうき)に旺廈(おうか)。首領の名前は櫓(ひづち)に薫衣(くのえ)。漢字フ...
長年争い続けてきた鳳穐一族と旺廈一族。それぞれの一族の若き王は、古いしがらみを捨てて平和な世を築くために歩み寄る。 中華風のファンタジーなので、振り仮名がないと読めないような漢字がたくさん出てきます。鳳穐(ほうき)に旺廈(おうか)。首領の名前は櫓(ひづち)に薫衣(くのえ)。漢字フェチにはたまりませんでした。 現在国を治めているのは鳳穐一族ですが、争いを終わらせようと言ったのは櫓です。薫衣はそれを受けますが…。 強者の立場故の苦悩と、弱者の立場からの葛藤。水と油のようです。
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「己のなすべきことを成せ」という言葉が、読了後深く胸につきささります。なんというか、歯ごたえ抜群(というとおかしいけど)なファンタジー。先日レビューを描いた十二国記とはまた違ったベクトルで、濃く分厚い物語。 舞台はどことも知れない過去の国。王家の血筋のものたちが、天下をめぐる争...
「己のなすべきことを成せ」という言葉が、読了後深く胸につきささります。なんというか、歯ごたえ抜群(というとおかしいけど)なファンタジー。先日レビューを描いた十二国記とはまた違ったベクトルで、濃く分厚い物語。 舞台はどことも知れない過去の国。王家の血筋のものたちが、天下をめぐる争いを続けてはや何百年という世界。 翠(すい)の国を開いた始祖、穡(しょく)大王の子孫は、鳳穐(ほうしゅう)の一族と旺厦(おうか)の一族とに分かれ、 どちらが国を統べるものであるかを激しく争い続けてきたが、物語は鳳穐の治世に始まる。 主人公は、鳳穐の頭領、櫓(ひづち)と、旺厦が攻め入られ陥落した戦で捕虜となった旺厦の頭領、薫衣(くにえ)の二人。 一族の頭領たる彼らは、翠の国をまことの繁栄と平和に導くため、周囲の誰もが驚くとんでもない選択をする。 (その選択がなんであるかは物語序盤で明かされるが、読む楽しみのために伏せておく) その”選択”は、数十年におよぶ彼らの長くそして苦しい「挑戦」の始まりだった。 十二国記を読んだとき「厳しい物語だなぁ・・・」と思ったけど、こちらはこちらでかなりハード。 櫓と薫衣それぞれに、それはちょっと酷だろうという困難が次々に降りかかってゆくが、 語り口はそれと裏腹に、物語の終焉を知っているとばかりに淡々としているために(過去を俯瞰したような記述がしばしばなされる)、 読み手は余計に二人が不憫でならず、自然と応援したくなってしまう。 そうしたくなるほど、彼らは本当に懸命で、その有りようの厳しさはうまく表現できないほど。 巻物をするすると転がせ滑らせていくかのように、物語はなめらかに進んでゆき、 二人が望んだ未来、物語としては涙なしには語れない結末へと辿りつく。 その時、櫓と薫衣の間にどんな関係が形作られていたのか、二人の努力の結果として翠には何が残ったのか。ぜひ実際に読んで確かめてみてください。 ファンタジーだが、舞台が架空の国というだけで、魔法、架空の獣etc.の不思議要素は一切なく、 途中で何か史実を読んでいるのかと錯覚しそうになったほどなので、ファンタジーが苦手な人にもおすすめできるかも。
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これは!と思える作品。長く敵対する2つの王族、鳳穐と旺廈。国の為に憎しみを越え、2人の頭領穭(ひづち)と薫衣(くのえ)の困難な道を描いた作品。宗教ではない、生きていく為の教え、頭ではわかっていてもなかなか乗り越えられない憎しみ、衝動と忍耐、そして静と動の夫婦愛。ファンタジーを読ん...
これは!と思える作品。長く敵対する2つの王族、鳳穐と旺廈。国の為に憎しみを越え、2人の頭領穭(ひづち)と薫衣(くのえ)の困難な道を描いた作品。宗教ではない、生きていく為の教え、頭ではわかっていてもなかなか乗り越えられない憎しみ、衝動と忍耐、そして静と動の夫婦愛。ファンタジーを読んだというより、ひとつの歴史を読んだような充実感。(なんか微妙に日本史を連想しいろいろ想像・・)「十二国記」好きには絶対オススメ。惜しむらくは表紙。もっと大人が手にとれるデザインで文庫化希望。(図書館本)
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