片耳うさぎ の商品レビュー
これまで書店を舞台にしたハート・ウォーミング・ミステリで人気を得た著者の、一味違った長編小説。タイトル名やカバーのイラストから、きっとファンタジックな話だろうと思いこんでいたらすっかり裏切られた。何しろ主人公は小学6年生の女の子だからなあ。主人公が大人だったら、これは本格的なミス...
これまで書店を舞台にしたハート・ウォーミング・ミステリで人気を得た著者の、一味違った長編小説。タイトル名やカバーのイラストから、きっとファンタジックな話だろうと思いこんでいたらすっかり裏切られた。何しろ主人公は小学6年生の女の子だからなあ。主人公が大人だったら、これは本格的なミステリ。一歩間違えれば、横溝正史のようなどろどろした物語になりそうだ。関東北部の小さな村の元庄屋で資産家・蔵波家の大きな屋敷が舞台。その謎の多い屋敷で、複雑な血縁関係から引き起こされる騒動に、探偵役として孫である女の子と知り合ったばかりの中3のお姉ちゃんが巻き込まれる、、、まあ、ぬいぐるみのうさぎがヒントになるというところは女の子らしい話なんだが、意外な推理や筋立ては、ちょっと子供の手に負えるものじゃない気がする。その辺がちょっと無理な組み立てではないかと、、、全体のバランスが取れておらず成功作とは言えない出来。
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初・大崎梢。装丁と冒頭はまるで児童文学みたいにほのぼのだけど、読み進めるとちゃんとミステリ。犬神家ほどは血生臭くないけど、三代四代に渡る旧家の因縁が渦巻いてたり、屋敷のあちこちに隠し階段やからくりがあったりしてワクワクした。7歳だった奈都が夢うつつで見たおとぎの部屋や、さゆりの真...
初・大崎梢。装丁と冒頭はまるで児童文学みたいにほのぼのだけど、読み進めるとちゃんとミステリ。犬神家ほどは血生臭くないけど、三代四代に渡る旧家の因縁が渦巻いてたり、屋敷のあちこちに隠し階段やからくりがあったりしてワクワクした。7歳だった奈都が夢うつつで見たおとぎの部屋や、さゆりの真の目的など後半に面白さが加速する。そのためラストにかけて急にバタバタした感があってけど総じて面白かった。ところで奈都はちゃんと豆大福のおじいちゃんに5000円返したのかな?
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
【あらすじ】 父の会社が倒産して、蔵波の実家に世話になることになった奈都たち一家。そこは古くて広すぎる怖い家だった。そんなある日、おばあちゃんの具合が悪くなって両親が二人とも出かけてしまった。奈都は一人ぼっちで過ごすのに不安を感じ、クラスメイトの姉というさゆりに家に来てもらうことにした。好奇心旺盛なさゆりに誘われて、奈都も知らない蔵波の屋敷の秘密を探ることに… 【感想】
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初めてのシリーズ外の作品で、舞台も書店じゃなくて、しかも賛否両論ある長編という枠。ちょっと心配してました。でも、面白かったです。グングン引きこまれていって、私にとっては期待を裏切らないものでした。表紙から裏表紙にかけてのイラストもとっても可愛くて大好きです♪ 私が住んでいる家...
初めてのシリーズ外の作品で、舞台も書店じゃなくて、しかも賛否両論ある長編という枠。ちょっと心配してました。でも、面白かったです。グングン引きこまれていって、私にとっては期待を裏切らないものでした。表紙から裏表紙にかけてのイラストもとっても可愛くて大好きです♪ 私が住んでいる家は二階家で、築三十年くらいのを一度増改築したものです。まだ健在な祖父が建てたのです。私が中学生の時に増改築は行われたのですが、それまでは隙間風がビュウビュウ入ってきたり、薄暗い土間の渡り廊下を通ってトイレに行ったりという感じでした。この本の中に出てくるような大きい家ではありませんが、幼い私にとっては古くて暗い部屋があって、一人では怖い家でした。風邪をひいて座敷の布団に入っていると、天井板の模様が動き出すように見えたり、夜の和式トイレはポッカリ黒い口を開けているように見えて、その度にビクビクしていました。だいぶ変わってしまった今となっては、懐かしい思い出です。 この作品を読んでいて、そんな昔の風景やら思い出やらを思い出しました。古い家でやるかくれんぼや探検ごっこは、とてもワクワクして楽しいものでした。だから、奈都の同級生のお姉さんであるさゆりが一緒に4日間をお屋敷で過ごすことになって、家に着いて早々に探検を始めた時は、私もドキドキしながら二人の後ろにくっついて行きました。隠し階段や屋根裏部屋、叔母さんの部屋の探索など、ハラハラする場面もたくさんありました。積極的なさゆりに引きずられていく奈都の姿も可愛くて、微笑ましかったです。 そして、うさぎに関する言い伝えが出てきたり、大昔に起こった事件がわかってきたり、物語は読み手を引き込んだところで展開を徐々に加速させていきます。それと一緒に段々奈都も自分の家の謎に一生懸命向き合うようになって、自分で解決していこうとする成長過程も描かれていて、ますます目が離せなくなっていきました。 「片耳うさぎ」が誰なのかというのが後半で分かってくると、今まで何も違和感無かった出来事が実は全て伏線だったことが一気に分かります。さらに答えを握っているのが小学生の奈都と中学生のさゆりだということも分かって、もう大混乱です。3日目の夜から奈都の推理が冴えてきて、たくさんの座敷の襖がスイスイ開いていくような…そんな爽快感溢れる急転直下の展開には驚かされました。そんな二人の行動に大人たちが振り回されている姿は愉快でした。 ラストで、奈都と暮らしていた怖い大人たちの寂しさや優しさのこもった素顔にはジーンときて、ウルッとしました。主人公の奈都だけじゃなく、蔵波家のそれぞれの心の重荷が和らいで、家族のまとまりができる様子が心地良かったです。
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資料番号:F/オオサ 請求記号:011031507 小学6年の奈都が引っ越してきたのは、古くて大きなお屋敷。両親が留守の間、一人で心細い奈都は、“不吉な言い伝えがあるお屋敷大好き”という中学生のさゆりに頼ります。広いお屋敷はまるで迷路のようで、読みながらでも冒険気分が味わえます。
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「ねずみ石」で見受けられた専門の文庫でやってくださいwwな表現は無くてホッとしました。 因縁絡みの旧家、片耳うさぎと云うキーワード、不気味な過去を語る老婆、相棒の無鉄砲な美少女と屋根裏探検。一つでも気になる言葉があれば、読んで見て下さい。文庫でもでています!
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「誰でもうさぎになるよ。誰にだって、なる可能性はあるでしょう?」 表紙のイメージからして、可愛らしいファンタジーかしら? と思ったら全然違っていた!! そして、なかなか骨太な内容に感じました。 大きなお屋敷にまつわる秘密。 まだまだ何か秘密ってありそうだよなぁ。 続編ないのか...
「誰でもうさぎになるよ。誰にだって、なる可能性はあるでしょう?」 表紙のイメージからして、可愛らしいファンタジーかしら? と思ったら全然違っていた!! そして、なかなか骨太な内容に感じました。 大きなお屋敷にまつわる秘密。 まだまだ何か秘密ってありそうだよなぁ。 続編ないのかしら!? 他作品で、長編イマイチと聞いていたのだけれど、今回のコチラはとても可愛らしくって爽やかですっきりとした可愛いミステリなのでした。 大崎さんの他作品もとにかく気になる!! 読むの楽しみなり♪ 【5/27読了・初読・市立図書館】
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突っ込みどころは満載だけど,子供が主役の推理小説なので,ほのぼのとした気分で楽しめる。誰も死なないで平和に事件?は解決。(図書館)
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“さゆりさん”にちょっとイラッとしつつも、面白かったです。 私もこう言う家を探検してみたいなぁ、とか。
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片耳うさぎという響きが持つ、愛らしくて不気味で哀れで謎多い感じが好き。小学生の女の子の大きな家の中の小さな冒険。ほのぼの、解決して安心したのに最後がちょっと不吉な余韻あり。
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