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米原万里の「愛の法則」 の商品レビュー

4.1

71件のお客様レビュー

  1. 5つ

    18

  2. 4つ

    32

  3. 3つ

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2023/10/23

この人の本は始めて読んだ。2006年に亡くなって、その前年の講演やそれ以前の4回の講演をまとめて本にしたもの。  第1章は「愛の法則」高校での講演を男女のことを面白おかしく、きわどい話もさらっと述べている。この講演は高校生相手にしてるけど聞いていた男子学生は赤面でなかったか。  ...

この人の本は始めて読んだ。2006年に亡くなって、その前年の講演やそれ以前の4回の講演をまとめて本にしたもの。  第1章は「愛の法則」高校での講演を男女のことを面白おかしく、きわどい話もさらっと述べている。この講演は高校生相手にしてるけど聞いていた男子学生は赤面でなかったか。  後の章では語学の習得とか国際理解のありかたなど現役の学生には非常に為になるのではないかな。

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2022/11/08

通訳の方って、 キャラの濃い方、結構いらっしゃるけど、 ここまで面白い方はそうそういらっしゃらない。 今の時代、 コンピュータが通訳も翻訳も お上手になってしまったから なかなかこういう方は表に出てこないのかしらん。

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2022/03/04

講演集 第1章 愛の法則 第2章 国際化とグローバリゼーションのあいだ 第3章 理解と誤解のあいだー通訳の限界と可能性 第4章 通訳と翻訳の違い

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2021/08/28

米原万里の4つの講演での講演録。高校生向けの講演が2つと、愛知県主催の講演、神奈川新聞社主催の講演。後者2つが米原さんが職業としていた通訳に関してのもの。後者2つの講演の方が前者2つの高校生向けの講演よりもずっと面白い。それは、同時通訳という、普通の人間があまり知ることのない世界...

米原万里の4つの講演での講演録。高校生向けの講演が2つと、愛知県主催の講演、神奈川新聞社主催の講演。後者2つが米原さんが職業としていた通訳に関してのもの。後者2つの講演の方が前者2つの高校生向けの講演よりもずっと面白い。それは、同時通訳という、普通の人間があまり知ることのない世界の職業的専門性について、ご自身の経験をもとに話をされているから。前者2つに比べて、経験に裏付けられた、圧倒的に地に足のついた内容だからだと思う。 私の妻はタイ人で、かつ、日本語がほとんど出来ない。会話はタイ語で行うが、困るのは、私の知り合いの日本人と会話をするとき。妻はタイ料理をつくってふるまうのが好きなので、これまで多くの知り合いに私の家に来てもらって一緒に食事をした。その時の会話の通訳は私の仕事になる。私のタイ語はとても流暢とは言えないレベルではあるが、辞書を使いながらではあるが、一応、何とか会話がつながる程度の通訳の役割は果たせている。それは逐語訳を諦めているから出来ているのではないかと思う。双方の言いたいことが何で、タイ語に訳す場合には、それを出来るだけ簡単な単語に(簡単な単語しか知らないから)する必要がある。それが何とかうまく機能しているのだと思う。 本書の中で米原さんがプロの通訳も限られた時間の中で、時には話を端折りながら「意味を通じさせる」「コミュニケーションを成立させる」ことに集中するのだという意味のことを書かれていて、私の方法も、あながち間違っているわけでもなかったな、と心強く感じた。

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2021/05/30

やたらに派手な紫色のカバーが新書売り場で目立っており購入。 各講演・講義で語った内容から4回分をピックアップして文字に起こしたもの。 4回のうち、恋愛について語っているのは冒頭の1章のみ。ほか3章は一流翻訳者として「ことば」について語ったものであり、こちらの方が読み応えがあり楽...

やたらに派手な紫色のカバーが新書売り場で目立っており購入。 各講演・講義で語った内容から4回分をピックアップして文字に起こしたもの。 4回のうち、恋愛について語っているのは冒頭の1章のみ。ほか3章は一流翻訳者として「ことば」について語ったものであり、こちらの方が読み応えがあり楽しめた。 p64「グローバリゼーションのほんとうの意味」は確かにそうだな、と得心。 通訳や翻訳業を目指す人ならばもっと心にストンと落ちる部分があるのではないだろうか。 いかにもタイトル損している感が否めない。 6刷 2021.5.30

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2021/05/24

講演集4編。標題作で笑い転げ、以後はフムフムなるほど。著者だからこそ辿り着いた境地に足を踏み入れる...。 ムダな言葉を削るのは、プレゼン資料を100作って50まで絞り込むプロセスと似ているなぁ。通訳、翻訳のお仕事をしたい方は読んで損なし!

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2021/01/31

愛の法則というタイトルだが、その関連は1/4くらいで後は通訳を通しての世の中の見方。興味深い。 女は異性を本能的に3分類。A.ぜひ寝てみたい男B.まぁ寝てもいいかなってタイプC.絶対寝たくない男。金をもらっても嫌だ。絶対嫌だ(笑) オスは量を追求しながら質を担う。メスは量を担...

愛の法則というタイトルだが、その関連は1/4くらいで後は通訳を通しての世の中の見方。興味深い。 女は異性を本能的に3分類。A.ぜひ寝てみたい男B.まぁ寝てもいいかなってタイプC.絶対寝たくない男。金をもらっても嫌だ。絶対嫌だ(笑) オスは量を追求しながら質を担う。メスは量を担いながら質を追求する。 雌雄生殖だと新しい形質の子供ができる。人類の存続そのもののためにはオスは必要ないけれど人類が進化していく,変化していくためには男が必要。 男児の出生率はどんなに低くても常に50%以上。世界中どの民族でも同じ。存知の方がたくさん生まれる一方で何か環境の激変があると男の死亡率の方が高い。たくさん男が死ぬときに男児の出生数がぴょんと跳ね上がる。第一次世界大戦の後また第二次世界大戦後等。栄養が良いと女の子が生まれ栄養が行き届かないと男の子が生まれる。政権が安定してたら沢山食べれる(笑) 4期間別,男女の寿命 1期受胎から誕生まで  男子の方が寿命が長い。体内にいる時間が長い。 2期誕生から性的成熟に達するまで  女児の方が性的成熟が2、3年早い。つまり男の方が寿命が長い。 3期再生産期間  女は30〜40年で終わるところ,男はそれより10〜20年長い。 4期子供を生産する能力を失ってから死に至るまで  女が圧倒的に長い。人類の使命から解放されて,楽しい人生の本番。 外国語を学ぶと普通日本語でものを見たり考えたりするときにあった常識が、外国語で捉え直した途端にひっくり返る。日本の常識が通用しなかったりするので違う角度でものを見ざるをえなくなる。だから外国を学んでいる人が自然に批判精神とか複眼思考が自然と身についてくる。仏、伊、中、独、韓の同時通訳者には面白い人が多い。 1どんな分野にも自分の能力について誤解している人が最低20%はいると言われている。自分は実際の能力以上にできると思い込んでいる。 言葉は記号に過ぎない。言葉によって何を想像するか。 人は常にコミニケーションを求めて止まない動物。初めてロシア語の学校に入った時は毎日4時間から6時間何もわからない事業に黙って出席し続ける。これは耐え難い苦痛。意地悪されても訴えられないし、抗議もできない。これは実に悔しい。1番悔しく寂しいのはみんなが笑っている時に一緒に笑えないこと。3ヶ月ぐらい経ってくると少しずつ薄皮がはがれるように話されていることがわかってくる。わかってくるが話す方がもっと難しい。わかるけど言えない。全部わかっているのに何一つ自分で表現できない辛さ悲しさ。さらにもう少し時間が経ってくると非常に簡単なことなら言えるようになってくる。 コミュニケーションと言うものを不完全なもので完璧なものにするのは永遠に不可能。みんなが同時に笑と一緒に感動できることをいつも目指し続けているのが通訳と言う職業。 読み終わった後にすぐ内容をかいつまんで言わなくてはいけないとなるとものすごく攻撃的で立体的な読書になっていく。国語の時間は段落音の予約ですが図書館に本を返すときは本1冊分の要旨を毎回客観的に、読んでいない人にわかるように話す訓練をさせられた。 作文を書くときはまずテーマを決めそのテーマに関連するような文学作品の抜粋を読む。その上でそれぞれの要旨を書かされる。次に用紙をさらに詰めて構造化されようは物語の骨格を把握させて書かせる。分析的にものを聞き取って正確に把握する能力とそれをもう一度通してまとめて表現する能力の両方が通訳には必要。 2つの言語で多読濫読してきたことで新しい言葉を身に付け維持することができた。読書は1番苦痛のない学習方法。通訳になるには外国語と日本語で読書を楽しむくらいの語学力で充分。

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2020/10/06

同時通訳、作家、エッセイストとして活躍していたが、がんで惜しくも死去した米原万里氏の唯一の講演録集。 転移がんの苦痛に耐えながらの公演は、サービス精神に溢れている。 第1章「愛の法則」と題された高校生相手の講演では、もてる男と全然もてない男をフランス革命やロシア革命になぞらえて「...

同時通訳、作家、エッセイストとして活躍していたが、がんで惜しくも死去した米原万里氏の唯一の講演録集。 転移がんの苦痛に耐えながらの公演は、サービス精神に溢れている。 第1章「愛の法則」と題された高校生相手の講演では、もてる男と全然もてない男をフランス革命やロシア革命になぞらえて「フル」ジョアジーと「フラレ」タリアートと洒落ている。 彼女の説によると、社会が安定し栄養がいいと女の子が生まれ、逆に栄養が行き届かないと男が生まれるらしい。 第2章「国際化とグローバリゼーションのあいだ」も、高校生相手の講演。 国際化という時、自動的にグローバリゼーションと訳しているが、大きな違いがあると。 日本人が言っている国際化は、国際的な基準に自分たちが合わせてゆくという意味だが、アメリカ人の言うグローバリゼーションは自分たちの基準を世界に普遍させるということ、自分たちが正当で自分たちは変わらないということだそうだ。 日本人はこのことをちゃんと自覚すべきだと警告する。 第3章「理解と誤解のあいだ」第4章「通訳と翻訳の違い」と、同時通訳を担当した時の苦労話などが面白く語られている。

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2020/08/17

ロシア語通訳・作家として活躍した米原万里の講演をまとめた講演集。 コミュニケーションや言語、愛などについて、ユーモアを交えてテンポ良く語られています。

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2020/03/02

【概略】  ロシア語会議通訳者であり、作家・エッセイストでもある著者による一般聴衆を前にした講演の書籍化。男性の存在理由、女性の存在理由、出生率と男子・女子の比率、同時通訳者から見た各言語の違い、国際化とは?外国語習得方法など、多岐にわたる内容が著者の小気味よい口調でわかりやすく...

【概略】  ロシア語会議通訳者であり、作家・エッセイストでもある著者による一般聴衆を前にした講演の書籍化。男性の存在理由、女性の存在理由、出生率と男子・女子の比率、同時通訳者から見た各言語の違い、国際化とは?外国語習得方法など、多岐にわたる内容が著者の小気味よい口調でわかりやすく語られていく一冊。 2020年03月01日 読了 【書評】  大嶋友秀さんのオススメで「必笑小咄のテクニック」に続く米原万里さん、2冊目。  米原さんの語り口調・文体は本当に素敵だ。エロな話も嫌味がなく知的さが保たれてる。男女の性別とか関係なく、かっこよさを感じるねぇ。  今回は前半が「愛の法則」ということで、男性の性質、女性の性質など、様々な観点で語られてる。後半が「国際化とグローバリゼーションのあいだ」ということで、日本・日本人の海外に向ける意識を観念的な部分や言語的な部分から掘り下げている。  凄く興味深いし、「確かに!」と思ったのが、「日本人は、自国の文化の派生形である日本語を、簡単に放棄しようとする」というもの。大昔から他言語を公用語(ないしは公用語に近い立場)にしようという話って、定期的に発生してるらしい。あの志賀直哉(暗夜行路だっけ?)ですら「戦争に負けたのは日本の言葉がすぐれていなかったからだ。日本人の発想法や文化が劣っていたからで、日本人はこれから日本語を捨てて、例えば世界でいちばん美しいフランス語を話すべきだ」なんて発言してたそうな。  あとは同時通訳者からの観点で、言語並びに通訳の難しさを語ってくれているところ。「神様と人間の会話を同時通訳するのが、最も難しいかもしれない」なんてあたり、興味深い。その実例として、「黒人男性の願いをかなえる神様の話」ってのが収録されているのだけど、「そうだよね!」なんて思いながら読み進めてしまった。このあたりは、「見てる空の青さが違う」っていう哲学の話や、「リンゴ」に関するニーチェの認識論とも通じるところなんだよねぇ。併せて、言語上達に影響する大きな素質として「好奇心」「わぁ、これ面白い!と感じるアンテナ」って大きいなぁと思ってしまった。

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